塾講師が児童福祉法違反で逮捕

塾講師と児童福祉法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

大阪府の教師であったAさんは、勤務する学校の生徒であるVさん(当時15歳)をホテルへ誘い、そこで性交しました。
その後、Aさんは児童福祉法違反と青少年健全育成条例違反で逮捕されました。

~児童福祉法~

児童福祉法は戦後まもない頃、児童(18歳に満たない者)の健やかな成長と最低限度の生活を保障するために制定された法律です。児童福祉法には第1章から第8章まで設けられており、児童を保護するための様々な手続や措置等が定められています。先日、市が北九州市小倉北区の認可外保育施設へ立ち入り調査もこの児童福祉法という法律に基づくものでした。

児童への行為に対する「罰則」については第8章に設けられています。児童福祉法の第8章の60条には1項から5項まで罰則規定が設けられています。その第1項では、

第34条第1項第6号の規定に違反した者は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

と規定されています。

第34条第1項第6号を見ると

児童に淫行をさせる行為

と規定されています。

「させる行為」と規定されていますから、

自ら児童と性交した場合は含まれないのではないか??

との疑念を持たれるかもしれませんが、「させる行為」の意義につき、最高裁判所は、

直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいい,そのような行為に当たるか否かは①行為者と児童との関係,②助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度,③淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯,④児童の年齢,⑤その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当である(①から⑤までのナンバリングは筆者による)

旨判示しており、①から⑤の要件を満たす場合は、

自ら児童と性交に及んだ場合でも「させる行為」に当たる

としています。

~青少年健全育成条例も成立~

青少年健全育成条例(以下、条例)では、

何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない

と規定されています。ここで「いん行」とは、先ほどの児童福祉法の「淫行」と同義で、

広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく,青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似行為

をいうとされています。
罰則は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。

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