準強制性交等事件(旧準強姦事件)で逮捕・性犯罪における示談

準強制性交等事件(旧準強姦事件)で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

A(45歳・男性)は、ひそかに睡眠薬を飲ませ昏睡状態に陥ったV(22歳・男性)に対し、同意なく肛門性交をした。警察官は、Aを準強制性交等(旧準強姦)の疑いで逮捕した。
Aの家族は、性犯罪事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。

~男性に対する性犯罪~

刑法の性犯罪規定(第22章、特に176条以下)は、平成29年に大きな改正を経ました。
これにより、「(準)強姦罪(177条・178条2項)」が「(準)強制性交等罪」という形で規定し直され、「監護者わいせつ罪・監護者性交等罪(179条)」など新たな犯罪類型についても処罰の対象としました。
また、従来被害者の意思の尊重の観点から親告罪とされてきた性犯罪規定は、非親告罪化・厳罰化されるに至っています。
さらに、昨今では性犯罪立法にまつわる議論も盛んになってきており、今後も大きな改正等が続く可能性があります。

本件で問題となる178条2項は、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者」を「5年以上の有期懲役に処する」ものと規定しています。
本罪は、強制性交等罪(旧強姦罪・177条)が「暴行又は脅迫を用いて」性交等をした者を処罰する罪であるのに対し、これよりも強制手段としては間接的な「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて」性交等をした者の処罰を可能とした規定です。
したがって、「心神喪失」や「抗拒不能」を手段とした強制性交行為にも犯罪が成立することになります。

そしてこの性犯罪規定の改正で一つ大きなポイントとなるのが、男性を被害者とする性犯罪です。
178条2項は、177条が「女子」という文言を削除したことからも被害者として男性も含めた規定であり、「性交、肛門性交又は口腔性交」(177条参照)が上記手段によって行われた場合には、男性に対する準強制性交等罪(旧準強姦罪)が成立することになります。
本件Aは、睡眠薬によって「心神喪失」に陥ったV(22歳)に対し、同意なく「肛門性交」を行ったものであり、この行為には準強制性交等罪(旧準強姦罪)が成立することになります。
なお、被害者が13歳未満の場合には、177条前段・178条2項の手段によらなくても強制性交等罪(177条後段)が成立することに注意を要します。

~刑法改正後の性犯罪弁護について~

上述のとおり、平成29年の刑法改正によって、性犯罪規定は非親告罪となりました。
すなわり、現在では(改正前の事件でない限り)法律上は被害者からの告訴がなくとも、起訴することが可能となっています。
もっとも、改正後の実務においても、非親告罪化にかかわらず、従前どおり被害者の意思が尊重されるという運用は変わらないと考えられています。
したがって、弁護士としては被害者との示談交渉を進め、不起訴を獲得するための弁護活動を行うことになります。
示談がされなければ起訴される可能性は極めて高いと考えられており、弁護士による情状弁護活動の重要性がお分かりになるかと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、準強制性交等(旧準強姦)などの性犯罪事件を含む刑事事件を専門に取り扱っている法律事務所です。
性犯罪事件においては、逮捕された際の取調べ対応等も重要になってきます。
準強制性交等事件(旧準強姦事件)で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にお電話ください。

 

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