法改正情報

法律は日々改正され新しくなっていくものです。それは刑事事件・少年事件を司る法律についても同様です。とりわけ,援交・淫行トラブルとも密接に関わる刑法の性犯罪規定は,近時,大幅な改正がされています。ここでは,刑法典の改正動向について解説を行います。

令和5年7月から施行されている改正刑法は,性犯罪に関する規程について,大幅な変更が加えられています。端的に述べると,厳罰化の傾向が見られます。

改正によって大幅な変更が加えられた罪名の一つに,強制性交等罪(改正前刑法177条)が挙げられます。強制性交等罪は,簡単にまとめると,暴行又は脅迫を手段として女性と性行為に及んだ場合は,5年以上の懲役に処するというものであり、以前は、強姦罪と呼ばれる犯罪でした。

令和5年の刑法改正では,強制性交等という罪名そのものが変更され、改正刑法のもとでは,不同意性交等罪(刑法177条)という罪名が新設されています。

まず,不同意性交等罪は強制性交等罪よりも処罰の対象となる行為が拡大されています。強制性交等罪では、暴行又は脅迫を用いて性交等をした場合に処罰の対象とされていましたが、不同意性交等罪では、暴行や脅迫のほか、被害者の心身の障害や飲酒の影響、地位に基づく影響力などに乗じて性交等をした場合も処罰の対象となりました。これに伴い従来の準強制性交等罪は、不同意性交等罪の中に吸収される形で削除されました。また、不同意性交等罪の性交等には、強制性交等罪において性交等とされちた肛門性交,口腔性交のほかに、膣や肛門に身体の一部や物を挿入する行為も含まれることになりました。これにより、従来、強制わいせつ罪に問われていた膣内に指や性玩具等を挿入する行為は、より重い不同意性交等罪に問われることとなりました。

なお、不同意性交等罪の法定刑は、旧強制性交等罪と同じく「5年以上の」懲役に処せられます。執行猶予付き判決(有罪ではあるが,直ちに刑務所には収監されない判決)を得るには,3年以下の懲役が言い渡される必要があるため,特別な減刑事情がない限り,不同意性交等罪で起訴されて刑事裁判にかけられると,実刑判決(判決後,直ちに刑務所に収監される判決)が下されることになります。

また,不同意性交等罪は,旧強制性交等罪と同様に、告訴がなくても検察官は起訴して刑事裁判にかけることができるようになっています。

不同意わいせつ罪(刑法176条)も、不同意性交等罪と同様に、令和5年7月から実施されている改正刑法で、強制わいせつ罪から罪名が不同意わいせつ罪に変わったほか、暴行又は脅迫のほか、被害者の心身の障害や飲酒の影響、地位に基づく影響力などに乗じて、わいせつな行為に及んだ場合に処罰の対象とされることとなりました。改正前と刑の重さ自体は変わっていませんが,告訴がなくても起訴することができる点は不同意性交等罪と同様です。

このように,援交・淫行トラブルとも密接に関わる性犯罪規定について,大幅な改正がされています。それゆえ,改正刑法のもとでの捜査,裁判に対応していくには,法改正の動向に詳しい弁護士に依頼をすることが肝心です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件・少年事件を専門に扱ってきた実務経験を活かし,最新の法改正動向を踏まえた弁護活動を行います。

援交・淫行トラブルと関連した性犯罪をご相談されたい方は,まずは一度お電話ください。

 

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