旧集団強姦

集団強姦罪とは,平成29年7月に施行された改正刑法以前に,刑法典に規定されていた犯罪です。現在の刑法においては削除され,集団強姦罪という罪名は存在していません。ここでは,集団強姦罪について,創設から削除に至った経緯について解説を行います。

集団強姦罪は,改正前刑法の178条の2に規定されていた罪名です。2人以上の者が現場において共同して強姦ないし準強姦(各罪名の詳細はそれぞれの解説項目をご覧ください)を行った場合に,4年以上の懲役に処すると規定されていました。執行猶予付き判決(有罪ではあるが,直ちに刑務所には収監されない判決)を得るには,3年以下の懲役刑が言い渡される必要があるため,特別の減刑事情がない場合,集団強姦罪で起訴されて刑事裁判にかけられた場合,実刑判決(判決後,直ちに刑務所に収監される判決)を科せられることになります。

集団強姦罪は平成16年の刑法改正に伴って新設された罪名です。2人以上の者が関与した場合でも,強姦罪ないし準強姦罪の共犯として扱えば,罪に問うことはそれ以前も可能でした。しかし,単独で行う強姦よりも悪質であるとして,より重い刑に処するべきという指摘から,単独での強姦罪ないし準強姦罪よりも刑を重くした集団強姦罪が創設されました。平成16年改正の時点では,強姦罪及び準強姦罪の刑は「3年以上の」懲役に処するというものでしたが,集団強姦罪の場合は,先に述べたとおり,「4年以上の」懲役に処せられます。特別の減刑事情がない場合は,必ず実刑判決が下されるため,厳罰化の改正動向といえます。

ところが,平成29年7月に施行された改正刑法のもとでは,強姦罪(正確には,平成29年改正の強制性交等罪から、さらに令和5年改正の不同意性交等罪へ罪名等が変更されています)の刑は「5年以上の」懲役と大幅に引き上げられています。ゆえに,単独での強姦罪(旧強制性交等罪、現不同意性交等罪)であっても,ひとたび起訴されて刑事裁判になれば,特別の減刑事情がない限りは実刑判決が言い渡されることになります。

また、前記の改正刑法のもとでは、従来の強制性交等罪は、罪名が不同意性交等罪に変更されたほか、手段も暴行脅迫だけでなく、被害者が同意にできないような状況に乗じて性交等に及んだ場合に同罪で処断されることとなりました。

先ほど述べたとおり,集団強姦罪は強姦罪をより厳罰化した類型であるため,仮に改正後の刑法のもとでも集団強姦罪の規定を残す場合,刑の下限は5年よりもさらに重くなります。しかし,あまりに刑の下限が重くなってしまうと,関与の仕方が弱い場合や,被害者との示談ができた場合でも,特別の減刑を行ってなお実刑判決が避けられないという事態に陥ります。一般論として,集団での強姦が許されない犯罪であったとしても,現実の事件で,事案に応じて個々の事情を加味した判決ができなくなることは望ましくありません。このような意見から,現在では集団強姦罪という類型は削除され,複数人が関与した強姦は,不同意性交等罪(旧強制性交等罪)の共犯として取り扱われます。

以上のとおり,刑事事件に関わる法律は,新たな規定が創設されては改正されて削除されるといったことが珍しくありません。それゆえ,刑事事件において弁護士を依頼する場合,改正の動向にも明るい弁護士を選択する必要があります。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,日々行われる法改正の情報を正確に把握したうえでの,実務に根差した弁護活動を行います。不同意性交等罪(旧強制性交等罪、旧々強姦罪)でのご相談がある場合は,まずは一度お電話ください。

 

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