児童に対する異性交際書き込みの罪(出会い系サイト規制法)

出会い系サイトで知り合った女性が実は18歳未満で逮捕されてしまった,というケースは少なくありません。例えば,18歳未満の者にお金を払って性行為等に及んだ場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法4条で規制される児童買春の罪に当たります。現金のやりとりがなかったとしても,各都道府県が制定する淫行条例には違反してしまいます。また、中学生にお金を払って性行為等に及んだ場合は、被害者の年齢が16歳未満となりますので、不同意性交等罪(旧強制性交等罪)というより重い罪で処断されることになります。

これらの法律・条例に違反するのは,実際に児童と性交や手淫・口淫などの性交類似行為に及んだ場合です。しかし,実際に性行為に及ぶどころか,まだ児童に会っていない段階でも罪に問われて逮捕されることもあります。それが,今回ご紹介する出会い系サイト規制法に違反した場合です。

出会い系サイト規制法の正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」になります。法律上,出会い系サイトは「インターネット異性紹介事業」と呼ばれていて(同法2条2号),以下の4つの条件を全て満たしたものが該当します。

  1. 面識のない異性との交際を希望する者(異性交際希望者という。)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
  2. 異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
  3. インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
  4. 有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。

異性との交際希望が問題になるため,同性との交際希望は規制対象外となります。

また,異性交際希望者間で1対1の連絡がとれない場合も該当しません。たとえ出会い系サイトと銘打っていても,上記4つの条件を満たしていなければ,出会い系サイト規制法の対象とはならないのです。

反対に,交際目的での利用を禁止していても,そのような利用を規制せず放置しているサイトが上記の条件を満たしていれば規制対象となるため,注意が必要です。 最近では,出会い系サイトの条件を満たさないSNSや出会い系アプリの利用が増加していますが,あくまでも出会い系サイト規制法で処罰されないだけであり,児童買春の罪や淫行条例違反になるリスクは当然に存在するため,ご注意ください。

出会い系サイト規制法は,届出義務違反のように,主としてサイト運営者に関する事項を規定しています。もっとも,児童を相手とする異性交際希望の書き込みを行った場合は,サイト利用者も処罰されます。

具体的には,「Hできる中学生の女の子いない?」のように,児童を性交等の相手方となるよう求める書き込みが該当します(同法6条1号)。「1万円あげるからデートしてくれる女子中学生募集」のように,対価を示して児童との交際を求めることも該当します(同法6条3号)。

これらの規定に違反すると,100万円以下の罰金が科せられます(同法33条)。なお,児童に対して対価を示さずに交際を求める書き込みをすることは禁止されていますが(同法6条5号),罰則の対象とはされていません(同法33条)。

このように,出会い系サイト規制法違反は書き込みをした時点で成立してしまうため,実際に児童に接触していなくても逮捕され,罰金刑を受けるリスクが生じます。逮捕されてしまえば身体拘束が長引く可能性がありますし,罰金が科せられたら前科がついてしまいます。不用意な書き込みをしてしまった場合は,いち早く法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士事務所として,迅速な弁護活動を行います。

初回の法律相談は無料で行っていますので,出会い系サイトに関するトラブルでお悩みの際は,まずは一度ご相談ください。

 

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