裁判の種類・刑罰の種類

皆さんは,裁判という言葉を耳にして,どのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。裁判所の中で,裁判官,検察官,弁護士が居並ぶ中で,起訴状の朗読や証人尋問を行うことが裁判でしょうか。刑事裁判という意味では,そのようなイメージは間違いではありません。もっとも,法律上の用語としての「裁判」は,法律に従って裁判官,裁判所が下す判断のことを指します。ここでは,裁判の種類,そして刑罰の種類について解説していきます。

裁判は「判決」,「決定」,「命令」の3種類に区分することができます。

「判決」は「裁判所」が主体となって行う判断です。ニュース報道などでよく耳にする有罪判決,無罪判決が,この「判決」に当たるため,最もイメージしやすいかと思われます。判断の主体は「裁判所」ですが,事件を審理する裁判所は1人の裁判官で構成されることもあり,実際に多くの刑事裁判は,単独の裁判官によって審理されています。判決は訴訟上重要な事項を内容とするため,必ず理由が付されます。また,口頭弁論(裁判官の面前での訴訟行為)を必ず経ることになります。

「決定」は,判断主体が裁判所であることは「判決」と同様ですが,理由の付与や口頭弁論を経ることが必要的でない点で,「判決」とは異なります。刑事事件において重要な「決定」の一つに略式命令(刑事訴訟法461条)があります。命令という名称ですが,法律上の性質は「決定」になります。簡単に説明しますと,事実関係に争いがなく,かつ,罰金相当の罪は略式命令の対象になります。略式命令の場合は,裁判所内で裁判を受ける必要はなく,所定の罰金を納付することで刑事手続が終了します。刑法犯に限ると,起訴された事件のうち,略式命令によって処理されるケースは約30パーセントになりますが,過失運転致死傷罪や特別法犯を含めると,70パーセント以上が略式命令によって処理されています。

「命令」は,裁判の主体が裁判所ではなく,裁判官になります。刑事手続の中では,勾留決定(逮捕に引き続き,身体拘束がされることを指します)や保釈許可決定(裁判所に保釈保証金を納付することで,起訴後に身体拘束を解くことを指します)が重要なものとして挙げることができます。先ほど説明した略式命令と異なり,これらの判断は決定という名称を用いていますが,法律上の性質は「命令」になります。

最後に刑罰について説明します。刑法9条は7種類の刑罰を定めていますが,ここでは,刑事事件でよく目にする懲役刑と罰金刑について簡単に紹介します。

懲役刑は無期懲役,有期懲役に区別され,有期懲役は1月以上20年以下(加重された場合は30年以下)の期間,刑務所に収容されます。なお,無期懲役であっても仮釈放になる可能性はあるため,釈放可能性のない終身刑とは異なります。

罰金刑は1万円以上の金銭が徴収されます。刑事事件において罰金で終わるケースは,先に説明した略式命令によるものが多いですが,正式裁判における有罪「判決」で罰金刑が言い渡されることもあります。

以上のように,一口に裁判,刑罰と言っても,その内容は多岐にわたり,複雑です。刑事事件に直面している場合は,まずは自身の置かれている状況を正確に把握する必要があります。そのためにも,法律の専門家である弁護士からいち早く助言を受けることが肝心です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件,少年事件を専門に扱う法律事務所として,裁判,刑罰の種類を始めとして,刑事事件における多種多様な疑問に分かりやすくお答えします。法律相談は初回無料ですので,刑事事件でお悩みの方は,まずは一度ご相談ください。

 

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