不同意性交等罪(旧強制性交等罪、旧強姦罪)

令和5年7月施行に改正刑法が施行されて以降は、旧強制性交等罪(旧強姦罪)は、不同意性交等罪と罪名が変更になっただけでなく、旧強制性交等罪が、暴行又は脅迫を手段としていたのに対し、被害者が同意することができないか困難な状態などに乗じて性交等及んだ場合に処罰の対象とされるようになり、また、同意の有無等にかかわらず不同意性交等罪に該当する場合の対象年齢も16歳未満に引きあげられました。

ですから、18歳未満の者に対して性交に及んだ場合でも、その年齢が16歳未満の場合には、児童買春よりも重い不同意性交等罪に問われることがあるのです。また、16歳以上の者であっても従来の児童買春の罪に問われますし、性行為に対する相手方に対する対価の供与等の有無で援交(児童買春の罪)や淫行(各自治体が定める青少年健全育成条例違反)とは区別されます。

不同意性交等罪は前記の改正刑法によって,対象となる行為などが変わっているため,ここでは重要な改正点を中心に説明を行います。

強制性交等罪という呼称は,改正前の刑法で定められていた罪に対するものです。

令和5年7月に改正刑法が施行されて以降は,不同意性交等罪(刑法177条)という呼称になっています。「不同意性交等」という呼称からも明らかなように,同罪に問われる行為は性交のみに限られません。従来の強制性交等の性交等には、性交のほか、肛門性交と口腔性交が含まれていましたが、今回の改正で、膣内や肛門内に身体の一部である指や性玩具を挿入することも含まれるようになりました。したがって、膣内に指を入れる行為は、従来はわいせつ行為だったのですが、今は性交等に含まれ、不同意性交等で重く処罰されることになったわけです。

不同意性交等罪と旧強制性交等罪(旧強姦罪)の2つ目の違いは,手段が暴行又は脅迫だけではないことです。

不同意性交等罪の場合、手段が暴行又は脅迫だけでなく、同意ができない又は困難な状態に乗じて性交等に及んだ場合も当てはまることになりました。従来の準強制性交等の手段として判例で認められていた飲酒の影響等に乗じた場合のほか、同意するいとまがない場合や社会的地位等の優劣に乗じたような場合なども不同意性交等罪が成立しうるようになりました。

不同意性交等罪は、旧強制性交等罪と同じく「5年以上の」懲役に処せられます。つまり,特別の減刑事情がなければ,前科の有無に関わらず,実刑判決(判決言い渡しと同時に刑務所へ収監される判決)となるのです。先ほど説明した肛門性交,強制性交のほか膣内等に身体の一部を挿入する行為は,かつては強制わいせつ罪として「6月以上10年以下の」懲役となっていたため,不同意性交等罪の対象とされたことで,刑が非常に重くなったことが分かると思います。

不同意性交等罪を起こしてしまった場合,逮捕される可能性が非常に高く,刑事裁判になった場合は実刑判決のリスクも高いといえます。もっとも,弁護士を介して被害を受けた方に謝罪,弁償を尽くすことで,執行猶予付きの判決で終わる場合や,そもそも刑事裁判としない不起訴処分が下されることもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件・少年事件を専門に扱う経験を活かし,被害者との示談対応を始めとした弁護活動を行います。強制性交等罪を起こしてしまいお悩みの方は,まずは一度ご相談ください。

 

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