【報道解説】東京都新宿区の児童買春禁止法違反事件で逮捕
児童わいせつ行為による法定刑の比較について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
東京都新宿区の大久保公園周辺で、令和６年１０月１５日午後に、客待ちをしていた女子高校生（１６歳）に現金２万円を渡して、新宿区歌舞伎町のホテルでわいせつな行為をしたとして、警視庁保安課は、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、東京都世田谷区在住の男性（５３歳、会社員）を逮捕した。
男性は「買春はしたが１８歳未満とは知らなかった」と供述し、容疑を一部否認しているという。
警視庁保安課によると、大久保公園周辺での路上売春を巡り、客が児童買春容疑で逮捕されるのは初めてだという。
周辺の路上売春対策で警戒中の同課員が、女子高生と一緒にホテルから出てきた男性に職務質問し、発覚した。
（令和６年１０月１８日に配信された「時事通信」より抜粋）
【児童に対するわいせつ行為による法定刑の比較】
１８歳未満の児童に対して、報酬となる現金等を支払って援助交際をするなどの態様で、わいせつな行為をした場合には、児童買春・児童ポルノ禁止法違反に当たるとして、刑事処罰を受けます。
児童買春罪の法定刑は「５年以下の懲役又は３００万円以下の罰金」とされています。
他方で、報酬等を渡すことなく、１８歳未満の児童に対してわいせつな行為をした場合には、たとえ児童の側にわいせつ行為の同意があったとしても、各都道府県の制定する青少年健全育成条例違反に当たるとして、刑事処罰を受けるおそれがあります。
青少年健全育成条例違反による児童わいせつ罪の法定刑は、各都道府県の条例によって異なるところ、「２年以下の懲役又は１００万円以下の罰金」とされている条例が多いです。
一般に、他人に対して、同意無しにわいせつな行為をした場合には、刑法の「不同意性交等罪」や「不同意わいせつ罪」に問われます。
不同意性交等罪の法定刑は「５年以上の有期拘禁」とされており、不同意わいせつ罪の法定刑は「６月以上１０年以下の拘禁」とされています。
１６歳未満の児童に対して、わいせつな行為をした場合には、たとえ児童の側にわいせつ行為の同意があったとしても、「不同意性交等罪」や「不同意わいせつ罪」が成立するとされています。
ただし、上記に当てはまる事例であっても、１３歳以上１６歳未満の児童が被害者である場合には、加害者との年齢差が５年未満であり、かつ、児童側の同意があれば、「不同意性交等罪」や「不同意わいせつ罪」は成立しないと規定されています。
【児童に対するわいせつ行為の刑事弁護活動】
児童わいせつ事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、その事件の犯行態様がどの法律違反に当たるのかを適切に検証した上で、より刑事処罰が軽くなるよう主張立証活動を行っていきます。
また、被害者児童やその保護者との示談交渉を弁護士が仲介して進めることにより、被害者側からの許しを得られるような示談成立を目指すことも、刑罰軽減のためには重要な弁護活動となります。
まずは、児童買春禁止法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
東京都新宿区の児童買春禁止法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
