18歳未満の児童に対価を支払って性行為等に及んだ場合,児童買春の罪に問われることになります(児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律4条)。児童が16歳未満の場合は、より重い不同意性交等罪(旧強制性交等罪)に問われます。もっとも,直接に児童と性行為等に及んだ人以外にも,児童買春に関与したことを理由に処罰される可能性があります。児童買春勧誘の罪もそのうちの一つです。ここでは児童買春勧誘の罪について説明をしていきます。
児童買春勧誘の罪について,児童買春禁止法は「児童買春の周旋をする目的で、人に児童買春をするように勧誘した者は,5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する」と規定します(同法6条1項)。
周旋(しゅうせん)とは,斡旋(あっせん)することを意味します。児童買春を斡旋することも,別個に児童買春禁止法は処罰の対象としています(同法5条)。周旋と勧誘の違いは分かりづらいですが,児童買春を希望する者と児童の間に入って,児童買春の仲介を行うことが「周旋」になります。「勧誘」は,児童買春を希望する者に対し働きかけることを差します。
罰則の重さは,児童買春周旋の罪と勧誘の罪とで変わりません。直接に児童買春を行った人は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する」と規定されています(同法4条)。
周旋,勧誘の罪の場合は,懲役刑と罰金刑が併せて言い渡される可能性があるため,児童買春の当事者よりも,斡旋,勧誘をした場合の方が,より罪が重くなることになります。斡旋,勧誘をする人がいると,児童買春の件数が増えてしまうため,悪質性がさらに高いと判断されるためです。
児童買春勧誘の罪を「業として」,すなわち反復継続して行った場合の罰則は,「7年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する」となっています(同法6条2項)。児童買春周旋の罪を業として行った場合の罰則の重さも同様です(同法5条2項)。業として行わない場合と比較して,懲役刑の上限も罰金刑の上限も引き上げられています。また,懲役刑と罰金刑が必ずまとめて言い渡される点でも重くなっています。
これまで述べたとおり,児童買春勧誘の罪を犯してしまうと,重い刑が科される可能性があります。逮捕やそれに続く勾留(逮捕に引き続く長期間の身体拘束)がされる可能性も高いと言えます。それゆえ,児童買春勧誘の罪を犯してしまった場合は,早急に弁護士からの助言を受ける必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を中心に扱う弁護士事務所として,取調べの対応や早期の保釈等,迅速な弁護活動を心がけています。
児童買春勧誘の罪に関わってしまってお悩みの方は,まずは一度ご相談ください。