女性から男子中学生への児童買春

女性から男子中学生への児童買春

~ケース~

埼玉県川越市在住のAさん(20代女性)はSNSを通じて知り合ったV君(中学3年生)と仲良くなった。
AさんとV君の住んでいる場所が近くであったことから,AさんはV君に一度会ってみようと持ち掛けV君もこれを承諾した。
AさんとV君は一緒に食事をした後,Aさんの自宅へ行くことになった。
Aさんは自宅で,V君に自身の乳首や陰部を触らせたりV君の性器を触るなどした。
V君はAさん宅で一泊し,帰る際にAさんは昨日の遊んでくれたお礼のお小遣いとして1万円をV君に渡した。
その後,数回にわたりAさんとV君は同様の関係を続け,AさんはV君にお小遣いとして金銭を渡していた。

ある日,V君の両親がV君が持っているはずがない金額のお金を持っていることに気づき,V君は両親に理由を聞かれAさんとの事情を話した。
事情を聞いたV君の両親は埼玉県川越警察署に相談し,Aさんは児童買春の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~買春と児童買春~

いわゆる「売春」は売春防止法という法律に規定されています。
「売春」は売春防止法は2条で「この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。」と定義されています。
一般的に,「売春」という言葉は,対価として金銭を受取り性交するという意味で使われます。
「買春」とは「売春」に対応する言葉ですので,対償を払い,または払う約束で,不特定の相手方と性交することをいいます。
「売春」および「買春」は3条において禁止されていますが,それだけでは逮捕・処罰はされません。
これは売春防止法が,売春に陥った者は福祉の救済を必要とするという考えや,単純な売買春は被害者なき犯罪であるため,刑罰で抑止することが過度なパターナリズムになることなどが理由とされています。
なお,「売春」は「不特定の相手方」が要件ですので特定の相手方の場合には売春となりません。

一方、児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ法)に規定されています。
児童買春とは児童(18歳未満の男女)に対し対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます(児童ポルノ法第2条2項)。
性交等とは,交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
そのため,売春防止法の売春の相手方としての買春とは異なり,性交だけでなく,乳首や性器を触ったり触らせた場合でも児童買春となります。
また,児童買春は、特定の相手方であっても児童買春となります。
児童買春の罰則規定は5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています(児童ポルノ法第4条)。

児童買春の法定刑が5年以下の懲役と比較的重く規定されているのは,児童が被害者であり事案によって児童の年齢など異なることが理由でしょう。
また,行為の内容も性交に及ぶものからいわゆる性交類似行為にとどまるものまで様々です。
それらを包括的に処罰するために5年以下の懲役または300万円以下の罰金と最高刑を重めにしているのだと考えられます。

児童買春逮捕された場合,事案にもよりますが逮捕に引き続き勾留されてしまう可能性が高いです。
勾留されてしまい,逮捕および勾留延長も含めると最長で23日もの間身体拘束をされてしまうことになります。
早期に弁護士に弁護を依頼することで勾留に対する意見書提出や勾留決定に対する準抗告申立など早期の身柄解放に向けた活動が可能です。

今回のケースで,Aさんは性交そのものには及んでいません。
このような場合には,被害者(の両親)と示談交渉をし,示談を成立させることで不起訴処分となる場合もあります。
しかし,児童買春に限らず,特に性に関する犯罪の場合,被害者の方が加害者と直接示談交渉に応じることは滅多にありません。
そのような場合は、弁護士が間に入ることで被害者の方が示談に応じてくれる場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
児童買春をしてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談・初回接見のご予約を24時間受け付けています。
(埼玉県川越警察署までの初回接見費用:38,700円)

 

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