児童買春事件の弁護活動

今回は、女子中学生を被害者とする児童買春事件を起こしてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

神奈川県川崎市に住むAさんは、繁華街でナンパした女子中学生Vとラブホテルに行き、性交の対償として1万円を渡すことを約束して同女と性交しました。
性交後、Aさんは約束通りVに1万円を渡し、連絡先を交換して別れました。
その後もAさんはVに「性交しないか」などともちかけていましたが、なかなか実現できずにいたところ、Vが補導を受け、Aさんとの関係が発覚してしまいました。
Aさんには神奈川県幸警察署から連絡があり、後日出頭することになってしまいました。
Aさんは逮捕されてしまうのではないかと不安に感じています。(フィクションです)。

~児童買春の罪について解説~

児童買春の罪とは、
①児童
②児童に対する性交等の周旋をした者
③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
に対し、
対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をする犯罪です。

「性交等」とは、「性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること」をいいます。

「対償」とは、児童に対して性交(淫行)等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず、物品、債務の免除などの財産上の利益も対償に含まれ、金額の多寡は問わないとされています。

したがって、貸していた10万円の返済義務を免除する代わりに、児童と性交等する場合においても児童買春の罪を構成しうる、ということになります。

ケースの場合は、児童であるVに対し、性交の対償として1万円を供与する約束をし、Vと性交しています。
上記事実関係のもとでは、Aさんに児童買春の罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。

児童買春の罪の法定刑は「五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」となっています。
初犯で有罪判決を受ける場合は、罰金刑を言い渡される可能性が高いでしょう。

~Aさんはどうするべきか~

まず、出頭する前に弁護士と相談しましょう。
出頭後、どのように振る舞えば逮捕されにくくなるか、今後はどうなっていくのか、といった点について助言を受けることができます。

一般的に、何かを隠すような言動(取調べで嘘をつくなど)を行うと、逮捕される可能性が高まってしまいます。
どうしても供述したくない場合は、黙秘権を行使することも視野に入れる必要がありますが、黙秘権を行使した場合、取り調べ以外の捜査が長引く可能性があります。
黙秘権を行使するメリット・デメリットを弁護士と相談した上で決めるのがよいでしょう。

出頭後、取調べを受け、逮捕されずに帰宅できる場合と、逮捕されてしまう場合が考えられます。
前者の場合(在宅事件)は、警察の出頭要請に応じて何度か取調べを受けることになります。
しばらくすると事件が検察へ送致され、検察官が最終的にAさんを裁判にかけるか、かけないかを決定します。
在宅事件の場合は、事件解決まで数か月かかることもあります。

後者の場合は、捜査段階において、逮捕時から最長23日間、身体拘束を受ける可能性があります。
早期の身柄解放活動が重要になります。

~被害者と示談をする~

V(実際にはVの法定代理人)と示談をし、「Aさんについて寛大な処分を求める」旨の文言を示談書に入れてもらうことができれば、起訴猶予処分など、有利な処分を獲得することができる可能性が高まります。
示談交渉を行う場合には、交渉のプロである弁護士をVとの間に入れて行うことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
児童買春事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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