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【報道解説】神戸市中央区の女子更衣室の盗撮事件で懲役刑判決
【報道解説】神戸市中央区の女子更衣室の盗撮事件で懲役刑判決
神戸市中央区の女子更衣室の盗撮行為による児童ポルノ製造事件を例に、その刑事処罰と刑事手続きおよび弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
高校の更衣室などで盗撮を繰り返したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影)や児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)などの罪に問われた神戸市中央区在住の男性(37歳)の判決公判が、令和7年3月19日に、神戸地方裁判所であった。
裁判官は懲役3年8月(求刑懲役6年)を言い渡した。
判決によると、男性は、2022年7月~2024年5月に、兵庫県や奈良県内の高校の女子更衣室にハンガー型カメラを設置して、複数の女子生徒が着替える様子を撮影し、ハードディスクに動画を保存するなどした。
認定された被害者は、未成年を含め26人に上る。
裁判官は、学校から盗んだ鍵などで夜間に更衣室に入ってカメラを設置した方法は「巧妙で手慣れたもの」と非難し、盗撮事案の中でも重い部類とし、実刑は免れないとした。
(令和7年3月19日に配信された「神戸新聞NEXT」より抜粋)
【盗撮事件の刑事処罰とは】
他人の性的な部位や、身に着けている下着、わいせつ行為、性行為などを、その人の同意を得ることなく、ひそかに盗撮した場合には、性的姿態撮影処罰法違反の「性的姿態等撮影罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
性的姿態撮影処罰法違反の「性的姿態等撮影罪」の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。
他方で、たとえ撮影対象となる人の同意があったとしても、13歳未満の児童の性的姿態等を撮影したり、または、13歳以上16歳未満の児童を対象として、その児童と5歳差以上ある者が、性的姿態等を撮影した場合にも、「性的姿態等撮影罪」が成立するとされています。
【盗撮行為による児童ポルノ製造事件の刑事処罰とは】
盗撮行為により、18歳未満の児童をひそかに撮影して、児童ポルノを製造した場合には、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の「児童ポルノ製造罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
「児童ポルノ製造罪」の法定刑は、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」とされています。
・児童買春・児童ポルノ禁止法 第7条5項(児童ポルノ所持、提供等)
「前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。」
2個以上の犯罪を起こしたときの刑事処罰については、刑法47条によると、「二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない」との規定があります。
複数件の盗撮事件を起こして懲役刑判決を受ける場合には、刑罰の長期が1.5倍されて、「4年6月以下の懲役」という範囲で、刑事処罰を受ける可能性が考えられます。
まずは、児童ポルノ盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
神戸市中央区の児童ポルノ盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【解決事例】児童ポルノ製造、脅迫罪の少年事件で保護観察処分を獲得
【解決事例】児童ポルノ製造、脅迫罪の少年事件で保護観察処分を獲得
少年による児童ポルノ製造と脅迫による少年事件に関する刑事弁護活動と付添人活動、およびその結果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。
【被疑事実】
本件は、少年Aが、交際していた女性Vと別れ話の話になった際に、Vに対して交際しつづけることを要求し、もしVと別れるならば、AとVとの性行為画像や動画をばらまくと脅して、交際を継続するよう強制したという、児童ポルノ製造罪および脅迫罪の事例です。
Aは、Vの被害の訴えによって捜査を開始した警察によって脅迫罪の疑いで逮捕され、その後勾留が決定されました。
Aが逮捕されたと警察から連絡を受けたA母より、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に刑事弁護の依頼が入りました。
【刑事弁護の経緯 身柄解放活動】
本件の弁護士契約を締結した時点でAは勾留されてましたが、弁護人は本件のような脅迫事案では、勾留に対する不服申立て(準抗告)の見込みは薄いと判断し、事件が家庭裁判所に送致された場合には観護措置を取らないよう身柄解放に着手すると判断し、それよりも被害者に対する示談の成立を優先して示談交渉を進めました。
勾留満期後、事件は家庭裁判所に送致され、家庭裁判所はAに対する観護措置(少年審判開始まで少年を収容施設に保護する措置)を決定しました。
しかし、家庭裁判所はAによる脅迫行為は甚だ悪質で、Aを少年鑑別所に収容して心身の鑑別をする必要があると判断し、弁護人による不服申し立ては却下されました。
そのため、弁護人は頻繁に鑑別所にAとの面会に向かい、Aの内省を深める付添人活動を進めて審判の準備を進めつつ、同時に示談交渉を進めていくこととしました。
【刑事弁護の経緯 示談交渉】
Vは未成年であったため、被害弁償の交渉は保護者であるVの両親を相手に行いました。
娘に対する性的な事実に基づく脅迫行為という悪質性もあり、示談は難航を極めました。
結果、示談が成立したのは、少年審判期日の直前となり、示談金の支払いや二度と少年が被害者と接触しない旨を詳細に規定した誓約条項を盛り込むことで、ようやく示談の締結に至ることができました。
【付添人活動 審判に向けて】
Aは勾留に続いて観護措置が取られたため、審判まで身体拘束が続くこととなったため、弁護人(付添人)は頻繁に少年鑑別所に通い、少年の内省状況を探りました。
少年が観護措置中に記載したノート等から少年の内省状況を分析し、家庭裁判所にこまめに報告していくだけでなく、少年と家庭裁判所の調査にも立会い、裁判官と面談し、審判に向けて準備を進めました。
審判の直前になってVの保護者との示談が成立したことも加味し、審判にあたっては保護観察処分となるよう付添人意見書を作成し、家庭裁判所に申し立てしました。
結果として、家庭裁判所は、Aに対して保護観察処分の決定を下しました。
【依頼者からの評価】
交際していた女性に対する悪質な脅迫罪という性質上、逮捕や勾留などの身体拘束は長期化するだろうと契約者に事前に説明していました。
A両親からは、被害者家族との示談を締結することができたこと、審判で少年院送致の決定が下されることなく、在宅での保護観察処分にとどまったことについて感謝の言葉をいただきました。
【刑事事件・少年事件の解決のために】
少年事件は、家庭裁判所が少年の性格や境遇、性情などを鑑別した結果、少年の更生のためにどのような処遇が適切かを決定する手続きです。
そのため、少年の事件に対する反省状況や、反社会的な性格や行動の自覚と、どのようにそれに向かい合い、克服していくのかという自覚を促すことが非常に大切です。
少年は、人格的に未熟であるのが通常であり、独りで自分自身を矯正していくことは困難であるため、少年事件を多数取り扱い実績多数の弁護士に少年の付添活動を任せることがとても重要です。
少年による少年事件でお悩みの方、またはお子様が逮捕されてお悩みの方は、児童ポルノ製造や脅迫罪を含む性犯罪の少年事件の経験豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への弁護(付添活動)の依頼をご検討ください。