着用済み下着買い受けの取調べ
~ケース~
Aさんは東京都在住の会社員です。
SNSに女子高生の着用済み下着の購入者を募集する書き込みがあったので、Aさんは購入を希望するメッセージを送信しました。
東京都三鷹市内の公園で先方と会うことになり、約束した時間に公園へ行くと、17歳のVが待っており、Aさんは1万円を渡して着用済み下着の引き渡しを受けました。
後日、警視庁三鷹警察署から電話があり、警視庁三鷹警察署に行くと、「女子高生から下着を買っただろう。東京都青少年の健全な育成に関する条例違反の疑いで調べる」と言われ、大変不安に感じています。(フィクションです)
~青少年健全育成条例による着用済み下着買い受けの禁止~
東京都青少年の健全な育成に関する条例は、青少年から着用済み下着を買い受ける行為を禁止しています。
同条例15条の2第1項
何人も,青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい,青少年がこれらに該当すると称した下着,だ液又はふん尿を含む。以下この条において同じ。)を買い受け,売却の委託を受け,又は着用済み下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない。
この規定に違反し、有罪が確定すれば30万円以下の罰金刑が科せられます(同条例26条4号)
「青少年」とは、18歳未満の者をいい、女性も含みます。
Vは17歳ですから、同条例の「青少年」に該当します。
~今後の捜査~
Aさんに逃亡のおそれや、罪証隠滅のおそれがあると判断された場合には、逮捕されてしまうことも考えられます。
取調べでは、Vと会うに至った経緯、着用済み下着を買い受けるに至った経緯について細かく取調べを受けることになります。
また、余罪についても尋ねられるでしょう。
Vとの連絡に使用した携帯電話の中身を見られ、別件の事件が発覚することも考えられます。
(逮捕された場合)
逮捕され、釈放されない場合には、逮捕時から48時間以内に身柄が検察に送られます。
検察官は、被疑者を受け取った時から24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを判断します。
勾留請求をされ、裁判官が勾留決定を出すと、最長で10日間の身体拘束を受けることになります。
勾留延長をされると、さらに最長10日間の身体拘束を受けます。
上記の場合、当然ながら留置場の外に出ることができないので、その間勤務先に出勤することはできません。
そうなると、無断欠勤を長期間続けたとして、勤務先を解雇される可能性が高いです。
逮捕されてしまった場合には、一刻も早く弁護士に身柄解放活動を依頼し、なるべく早期に社会へ復帰することが重要です。
(起訴猶予処分を目指す)
在宅事件においても、警察での捜査が熟せば、事件が検察に送られ、検察官の取調べを受けることになります。
検察官は、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決める裁量を有しています。
Aさんが青少年から着用済み下着を買い受けたことを立証できる場合であっても、事件の内容等を考慮し、裁判にかけない処分(「起訴猶予」といいます)を行うことができます。
裁判にかけられなければ、有罪判決を受けることがありませんので、罰金を払うことにはなりませんし、前科がつくこともありません。
Aさんが最終的に目指すべき処分は、この起訴猶予処分ということになるでしょう。
(刑罰を受ける場合)
「略式手続」により、罰金刑を受けることが考えられます。
「略式手続」とは、検察官が簡易裁判所へ略式命令の請求を申し立て、検察官が提出した証拠のみにより100万円以下の罰金または科料を言い渡す手続きです(刑事訴訟法第461条以下)
略式手続を進めるには、被告人の書面による同意が条件となります。
公判手続を経ずに事件を終結させることができるので、Aさんの負担は公判手続を行う場合と比べて軽いといえます。
ただし、前述したように、検察官が提出した証拠のみによって事実認定がなされるため、Aさんが事件について争っている場合などにおいては、上記の同意をせず、異議を述べることも視野に入れなければなりません。
非常に重要なポイントなので、弁護士と相談した上で、略式手続に同意するか、異議を述べるかを決めるようおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、青少年からの着用済み下着買い受け事件も対応可能です。
東京都で青少年から着用済み下着を買い受けてしまい、取調べを受けている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(初回無料相談予約は0120-631-881まで)
(警視庁三鷹警察署までの初回接見費用:37,100円)