【報道解説】兵庫県明石市の監護者性交等事件で懲役刑判決
監護者性交等罪の刑事処罰とその刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
再婚相手との養女である15歳の少女と性交したとして、監護者性交罪に問われた兵庫県明石市在住の男性に、神戸地方裁判所は令和6年3月12日に、懲役6年(求刑懲役9年)の判決を言い渡した。
裁判長は、判決理由で「養女は多感な思春期の中、何の落ち度もないのに自分を守るべき養父から性的自由を大きく侵害された」と指摘した。
養女は、広汎性発達障害や複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)があると診断され、性交の時期の供述に変遷がみられたが、臨場感があることなどから信用性は認められるとした。
判決によると、監護者の男性は、2022年4月中旬から下旬に、養女が18歳未満と知りながら自宅で性交した。
(令和6年3月12日に配信された「共同通信」より抜粋)
【監護者性交等罪の刑事処罰とは】
家庭内での性暴力により、保護者等の監護者が、18歳未満の子どもに対して、わいせつ行為や性行為をした場合には、刑法の「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
2017年7月に性犯罪に関する刑法改正が施行され、「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」が新設されました。
・刑法 179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
1項「十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。」
2項「十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。」
監護者わいせつ罪の法定刑は、「6月以上10年以下の拘禁刑」(不同意わいせつ罪の法定刑と同じ)とされています。
監護者性交等罪の法定刑は、「5年以上の有期拘禁刑」(不同意性交等罪の法定刑と同じ)とされています。
不同意わいせつ罪・不同意性交等罪と異なる点としては、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪では「現に監護する者であることによる影響力」があれば犯罪が成立し、被害者の同意があったとしても、犯罪の成立要件には影響しません。
【監護者性交等罪の刑事弁護活動】
監護者性交等事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、まずは被害者である子どもや、その親に当たる配偶者との話し合いを弁護士が仲介することで、今後の家庭内環境をどうするのか整理することを通じて、被害者側との示談成立を目指すなど、刑事処罰の軽減のために弁護士が尽力いたします。
まずは、監護者性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
兵庫県明石市の監護者性交等事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。