【報道解説】未成年への淫行 強制わいせつと児童ポルノ製造で逮捕

【報道解説】児童への淫行 強制わいせつと児童ポルノ製造で逮捕

児童への淫行により、強制わいせつ罪児童ポルノ製造の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「勉強や卓球を教えていた当時小学5年生の男児の体を触り、その様子をビデオカメラで撮影したとして、兵庫県警西宮署は21日、強制わいせつ児童買春・ポルノ禁止法違反製造)の疑いで、西宮市に住む会社員の男(26)を逮捕した。
逮捕容疑は2020年2月29日午後1時10分ごろ、西宮市内の公民館で小学5年生の男児=当時(11)=の体を触り、その様子をビデオカメラで撮影した疑い。
調べに対して容疑を認めている。」

(令和4年11月21日に神戸新聞NEXTで配信された報道より引用)

【児童にわいせつな行為をした上でその様子を撮影すると?】

18歳未満の児童に対して淫らな行為をした上で、その様子を撮影するという事件はよくあります。
この場合は、児童に対して行った淫らな行為についての犯罪と、その児童との淫らな行為を撮影したことによって児童ポルノ製造の罪が成立することになる場合が多いです。
今回取り上げた報道もそのような事件で、卓球教室のコーチをしていた男性が教室に通う11歳の男児の体を触り、その様子を撮影したとして強制わいせつ罪児童ポルノ製造の疑いで逮捕されたという事件です。

強制わいせつ罪は被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に成立する犯罪ですが、被害者が13歳未満のときには暴行又は脅迫を用いずに、わいせつな行為をしただけでも成立することになります。
報道では、被害者の方は11歳の小学生の男児とのことですので、暴行又は脅迫を用いていなくても、単に体を触ったというだけで強制わいせつ罪が成立する可能性があることになります。
ちなみに、強制わいせつ罪の法定刑は、6カ月以上10年以下の懲役刑となっています。

また、逮捕された男性は児童ポルノ製造の疑いでも逮捕されていますが、法律上「児童ポルノ」に当たる場合としては、次の3つの場合があります(児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項参照)。
児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態(同項1号)
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの(同項2号)
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの(同項3号)
報道からでは詳しい事実関係は明らかではありませんが、11歳の男児の体を触った様子を撮影したのであれば、上記②の「児童ポルノ」に該当する可能性があります。

こうした「児童ポルノ」を誰かに提供する目的で製造したのであれば児童買春・児童ポルノ禁止法7条3項に違反する可能性がありますし、そうではなくて、単に自分で見返すために製造したのであれば児童買春・児童ポルノ禁止法7条4項に違反する可能性があります。
児童買春・児童ポルノ禁止法7条3項、4項に違反したとして起訴されて有罪となれば3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、不特定又は多数の人に対して提供する目的で「児童ポルノ」を製造したのであれば、児童買春・児童ポルノ禁止法7条7項に違反したとして、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

【強制わいせつや児童ポルノ製造の疑いでご家族が逮捕されたら?】

警察からの連絡でご家族が逮捕されたという事を知ったら、まずは弁護士初回接見に行って貰うことを依頼することをお勧めします。
逮捕後72時間は家族であっても基本的に逮捕された方と面会することはできませんし、土日や祝日も警察署で面会することはできません。

しかしながら、弁護士であればこのような制限なく自由に逮捕された方と接見(面会)することができますので、弁護士が家族からの依頼で接見に行くことで逮捕されたご本人を励ますことが期待できるでしょう。
また、接見に向かった弁護士逮捕された方から直接事件についてお話を伺うことができますので、事件の見通しや今後の手続きの流れなどについての説明を逮捕されたご本人とそのご家族に対して行うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
ご家族が強制わいせつ児童ポルノ製造の疑いで逮捕されたことを知った方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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