【報道解説】未成年わいせつ事件で逮捕
埼玉県川越市で発生した青少年健全育成条例違反の刑事事件を例に、その手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
埼玉県警少年捜査課と埼玉県川越警察署は、令和5年2月6日に、埼玉県青少年健全育成条例違反の疑いで、大学生の男性(22歳)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年8月3日と9月3日の2回にわたり、男性の自宅で、埼玉県内に住む女子中学生が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。
男性は「間違いありません」と容疑を認めているという。
同年9月13日に、女子中学生とその母親が埼玉県川越警察署に来署して相談し、スマートフォンなどの精査から男性の関与が浮上した。
(令和5年2月7日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)
【未成年わいせつ事件の刑事処罰とは】
18歳未満の児童に対して、わいせつ行為をした場合には、そのわいせつ行為に当該児童の同意があった場合であっても、各都道府県の制定する「青少年健全育成条例」に違反するとして、刑事処罰を受けます。
児童に対するわいせつ行為による「青少年健全育成条例」違反の刑事処罰の法定刑は、各都道府県の条例によって異なりますが、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」としている条例が多いです。
彼氏彼女の真摯な恋愛関係にあれば、「青少年健全育成条例」違反には当たらないとされていますが、「SNSを通じて知り合った事情」や、「知り合ってから日が浅い事情」等があれば、真摯な恋愛関係にあるとは認められないと考えられます。
他方で、わいせつ行為の対価として、金銭等を渡した場合には、「児童買春罪」に当たるとして、罪は重いものとなります。
また、わいせつ行為につき相手方の同意が無ければ、「強制わいせつ罪」や「強制性交等罪」に当たるとして、罪は重いものとなります。
【青少年健全育成条例違反の刑事事件化の流れ】
未成年わいせつ事件が、警察に発覚して刑事事件化するきっかけとしては、「未成年者の保護者が事件に気付いて、警察に相談するパターン」や、「未成年者自身が警察に補導されて、携帯電話等の履歴から、事件が警察に発覚するパターン」などが考えられます。
警察のほうでSNSの履歴等から捜査をして、容疑者の連絡先が判明すれば、「一度、警察署に来て、事情を聞かせてほしい」との取調べ呼び出し連絡が来ます。
容疑者側は、警察からの呼び出しがあって初めて、刑事事件化していることを知ることになります。
警察取調べは、日帰りの取調べを何回か受ける「在宅事件」のケースと、身柄拘束を受けた上で取調べを受ける「逮捕事件」のケースがあります。
警察取調べや証拠集めが終われば、最後に検察庁での取調べがあり、事件を起訴するか不起訴にするか、起訴するにしても略式の罰金刑にするのか、正式裁判で懲役刑にするのか、等の判断がなされます。
在宅事件、逮捕事件どちらの場合でも、警察取調べに対して、事件当時の状況や経緯を、どのように供述していくかを、弁護士とともに綿密に打合せ検討し、また、弁護士を通じて被害者やその保護者との示談交渉を行い、謝罪や慰謝料支払いの意思を示し、被害者側から許しを得ることが、刑事処罰の軽減や不起訴処分の獲得のための、重要な弁護活動となります。
まずは、未成年わいせつ事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県川越市の未成年わいせつ事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。