【報道解説】滋賀県大津市で出会い系アプリでわいせつ目的誘拐事件
出会い系サイト利用者に対するわいせつ目的誘拐事件の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
令和6年10月に、滋賀県大津市内のホテルで当時15歳の男子中学生と性交するなどしたとして、不同意性交罪やわいせつ目的誘拐罪などの疑いで、令和7年1月22日に、愛媛県在住の女性(29歳、看護師)が逮捕された。
警察によると、女性は出会い系アプリなどを使って、滋賀県大津市内の男子中学生と知り合い、令和6年10月に、16歳未満と知りながら保護者に無断で男子中学生を大津市内のホテルに連れ去り、性交するなどした疑いがもたれている。
警察の取調べに対して、女性は「事実です。間違いありません」と容疑を認めている。
男子中学生のSNSの履歴ややりとりなどから、容疑者の女性が浮上したとのこと。
(令和7年1月22日に配信された「ABCニュース」より抜粋)
【出会い系サイト利用者に対する刑事処罰とは】
2003年に「出会い系サイト規制法」(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)が制定されたことで、出会い系サイト利用者が、出会い系サイトを通じて、18歳未満の児童を性交等の相手方となるよう誘引する等の児童誘引行為が禁止され、これに刑事処罰が科されています。
・出会い系サイト規制法 第6条
「何人も、インターネット異性紹介事業を利用して、次に掲げる行為(略)をしてはならない。
一 児童を性交等(略)の相手方となるように誘引すること。
二 人(略)を児童との性交等の相手方となるように誘引すること。
三 対償を供与することを示して、児童を異性交際(略)の相手方となるように誘引すること。
四 対償を受けることを示して、人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。
五 前各号に掲げるもののほか、児童を異性交際の相手方となるように誘引し、又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること。」
上記条文の1号から4号のいずれかの行為をした者は、出会い系サイト規制法違反に当たり、「100万円以下の罰金」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
児童誘引書き込みによる出会い系サイト規制法違反事件では、直ちに弁護士に法律相談することが重要です。
出会い系サイト利用者が、どのような意図や状況のもとで、問題とされる児童誘引の書き込みを行ったのかにつき、捜査機関の厳しい取調べでの対応方針や供述内容を、弁護士とともに綿密に検討することが、刑事処罰軽減に向けた重要な弁護活動となります。
【「出会い系サイト」の定義】
出会い系サイト規制法での「出会い系サイト」とは、以下の4つの要件をすべて満たした場合をいいます。
①異性交際希望者の求めに応じて、その異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
②異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
③インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
④有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。
他方で、上記の定義に当てはまらないようなSNSサイト上での書き込みには、「出会い系サイト規制法違反」は成立しません。
【インターネット異性紹介事業の届出の義務】
出会い系サイト規制法の2019年改正施行により、出会い系サイト事業者は、事前に都道府県公安委員会に対して、事業の届出をしなければならなくなりました。
インターネット異性紹介事業の届出をせずに、サービス提供を行った出会い系サイト事業者は、「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
まずは、わいせつ目的誘拐事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
滋賀県大津市のわいせつ目的誘拐事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。