18歳未満と知らずに淫行

18歳未満と知らずに淫行

~ケース~
Aさんは、SNSで知り合った、北海道札幌市在住の女性V(17歳)と実際に会うことになりました。
VはSNS上で「18歳女子大生」と自称しており、Aさんは安心しきっていました。
AさんはVと駅で待ち合わせ、ラブホテルに行き、Vと性交しました。
対価や金品などは与えていません。
後日、Vの親から連絡があり、「娘が性交したと言っているが、17歳の子と性交するとはどういうことか」と言われ、驚きました。
Aさんはできるだけ刑事事件化は回避したいと考えています。(フィクションです)

~北海道で青少年と性交するとどうなるか?~

北海道青少年健全育成条例第38条1項は、「何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない」としています。
「青少年」とは、18歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者は除かれます)をいいます。
淫行」に関連して、著明な判例である最高裁判所昭和60年10月23日判決は、当時の福岡県青少年保護育成条例第10条1項の「淫行」につき、

広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきでなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である

と判示しており、北海道青少年健全育成条例第38条1項の「淫行」についてもあてはまる解釈と考えられます。
この定義から、婚約中の青少年や、婚約に準ずる真摯な交際関係にある青少年との性交は「淫行」に該当しない、ということになります。
もっとも、SNSでたまたま知り合い、駅で待ち合わせたあと、すぐにホテルに向かい、性交した、という場合には、「婚約に準ずる真摯な交際関係」と判断される可能性は極めて低いでしょう。
淫行」の該当性を争うことは、とてもハードルが高いということになります。
北海道青少年健全育成条例第38条1項に違反し、有罪が確定すると、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(北海道青少年健全育成条例第57条)。

~AさんがVの年齢を知らなかったという点について~

北海道青少年健全育成条例第65条によると、青少年に淫行又はわいせつな行為をした者が、当該青少年の年齢を知らなかったことを理由として処罰を免れることはできません。
年齢を知らないことに過失がなかった場合は、処罰を免れることができますが、「過失がなかった」というためには、青少年本人から免許証を見せてもらう、親族に問い合わせるなどの手段を尽くしたと認められることが必要です。
上記の様な手段を尽くしたと評価される事件は極めて稀でしょう。
したがって、北海道において、実年齢を知らずに青少年と性交してしまった場合、過失がなかったことを理由に処罰を免れることは難しいことが見込まれます。
AさんがVを18歳と考えていた根拠は、SNSにおけるVの書き込みを信じてしまった、というものに過ぎないので、この点につき「過失がなかった」と主張することは難しいでしょう。

~弁護士と相談し、刑事事件化を回避~

まずは弁護士と相談し、V(実際にはVの親)との示談交渉を依頼することをおすすめします。
示談が成立すれば、Vの親が被害届を出さない、出された場合においては、当事者間で事件が解決しているものとして、不起訴起訴猶予)を獲得できる可能性が高まる、などのメリットを受けることができます。
示談交渉自体はAさん本人でも可能ですが、そもそも会ってくれないという可能性も考えられますし、却って事態を悪化させたり、不当な示談金を要求されたりする可能性もあります。
示談交渉の最初から、法律の専門家である弁護士を介して示談交渉を行うと、法律的に効力のある示談の成立に向けた交渉ができることはもちろん、不当な要求を回避できるなど、多くのメリットがあります。
是非、弁護士を通じた示談交渉をご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースのような淫行事件の解決実績も豊富です。
北海道で淫行事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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