児童買春の公訴時効

児童買春の公訴時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

東京都江戸川区に住むAさんは,出会い系サイトで知り合った児童(18歳未満の者)Vさんに現金を渡す約束をした上でホテルで性交しました。性交後,AさんはVさんから,「今日はただでいいけど,今度会うときは,今日の分も含めて5万円ね」と言われたので,Aさんはお金がなく困っていたものの,またVさんと性交したかったことからこれを承諾しました。ところが,その数日後,Aさんはネットで児童が大麻取締法違反で警視庁小松川警察署逮捕される、というニュースを見ました。Aさんは「その児童とは,先日あったVさんかもしれない。」「Vさんが,自分との性交を警察に話すかもしれない。」と不安になり,弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~児童買春と公訴時効~

児童買春とは,児童買春法(略称)2条2項各号に掲げる者(児童等)に対し,対償(お金など)を供与し,又はその約束をして,当該児童に対し,性交等をすることをいいます。罰則は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。
上の定義から「対償(現金など)を供与する約束」をした上で性交等に及べば児童買春の罪に問われる可能性があります。
児童買春,淫行の罪が発覚する経緯は様々です。
「公訴時効」が完成するまでは少なくとも逮捕などの捜査を受ける可能性は残っています。
逮捕は明日かもしれませんし、数か月後、数年後かもしれません。。
逮捕されてから弁護士を依頼しても手遅れとなる場合もあります。
早め早めのご相談,ご依頼が,逮捕などのリスクを抑えることに繋がりやすいです。

ところで、テレビなどでよく耳にする時効とは正式には「公訴時効」といい,時効が完成すれば,検察官はその事件につき公訴を提起する(起訴する,裁判にかける)ことができなくなります。
時効の起算点は,罪の犯罪行為(実行行為)が終了した時点です。
そして,時効の期間は,各罪の法定刑によって定まります(刑事訴訟法250条)。
たとえば,児童買春の法定刑は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」で,時効の期間について定めた刑事訴訟法250条2項4号には「長期10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については5年」と書かれていますから,児童買春の時効は「5年」です。

その他,援交・淫行に関する代表的な罪の時効は以下のとおりです。
児童ポルノ所持罪 →3年
児童ポルノ製造罪 →3年(ただし,不特定若しくは多数の者に対する提供目的の製造罪は5年)
淫行の罪(東京都青少年健全育成条例)→3年

児童買春に関しては,行為時に発覚するのは稀で,むしろ行為から何か月,下手したら何年か後に発覚し逮捕,勾留に至るケースが多いです。
それゆえ,現時点で逮捕されていない,警察から呼び出しがない,被害者から訴えられていないなどといっても安心はできません。  
繰り返しになりますが、あなたが逮捕されるのは明日かもしれませんし,数か月後,数年後かもしれません。
いずれにしても,早め早めの対策が必要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童買春をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスのご予約を受け付けております。

 

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