児童買春事件の勾留中に略式罰金

児童買春で勾留中に略式罰金について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ 事例 ~

神奈川県鎌倉市に住む会社員のAさんは、SNSで知り合った少女が18歳未満であることを知りながら、少女と性交したとして神奈川県鎌倉警察署児童買春の罪で逮捕され、その後裁判所による勾留質問を経て、裁判官により発せられた勾留状により勾留されました。Aさんは、勾留満了日2日前に、検察官から略式裁判に応じる旨の同意を求められ、書類にサインしました。その後、Aさんは接見に来た弁護士に、今後の流れについて説明を受けました。
(フィクションです。)

~ 児童買春の罪とは? ~

Aさんが逮捕された児童買春の罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)第4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

また、「児童買春」の意義については法律2条2項に規定されています。

法律2条2項
 児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいう。

「次の各号に掲げる者」とは、児童(18歳未満の者)のほか、児童に対する性交等の周旋をした者、児童の保護者も含まれます。
「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず、物品、債務の免除などの財産上の利益も対償に含まれ、金額の多寡は問いません。
「性交等」とは、性交のほか性交類似行為、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせる行為(ただし、自己の性的好奇心を満たす目的が必要)も含まれます。

~ 児童買春、児童ポルノでの罰金刑 ~

略式裁判では、裁判官は「罰金(100万円以下)又は科料」の命令を発することができます(刑事訴訟法461条)。
よって、略式裁判にかけることができる罪は、その法定刑に罰金又は科料の刑が設けられている罪ということになります。
この点、児童買春、児童ポルノ法(略称)で規定されて罪の中で罰金刑が設けられていない罪は、児童買春等目的人身売買等のみで、それ以外の罪はすべて罰金刑が設けられています(上記のとおり児童買春の罪も300万円以下の罰金と罰金刑が規定されています)。

~ 勾留中に罰金刑の命令を受けたら? ~

勾留中に罰金刑の命令を受けたら、その後はどうなるのでしょうか?
まず、Aさんの身柄は釈放されます。罰金刑の命令を受けた段階で勾留状の効力が失われるからです(刑事訴訟法345条)。
この点、「罰金を納付しなければ釈放されない」と思っている方も多くおられますが、大きな誤解ですので注意が必要です。罰金の納付は、罰金刑の命令を受けた後の刑の執行段階の話であって、釈放や勾留状の効力とは全く無関係の話です。ですから、罰金の命令を受ける前から、「罰金を納付しなければ釈放されない」などと慌てて金策に走る必要はありません。命令が出てから納付すればよいのです。もちろん、略式裁判(釈放日)当日に検察庁で罰金を納付することも可能です。

略式裁判の罰金刑の命令の効力は被告人(Aさん)に告知されてからその効力が生じます。告知は書面でなされます。そして、命令を確実に告知するため、実務上は、略式裁判当日、裁判所内で被告人に対し直接、書面を渡す手続きをしています。ですから、通常は、裁判所内で釈放されることになります。

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