児童買春と略式起訴、略式裁判

児童買春と略式起訴、略式裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~ 

東京都杉並区に住む会社員のAさんは、出会い系サイトで知り合った女子高生Vさん(16歳)と連絡を取り合い、Vさんに約束の3万円を渡してVさんと性交しました。しかし、その後、警視庁高井戸警察署のサイバーパトロールからVさんが補導され、それをきっかけにAさんは高井戸警察署に児童買春罪逮捕されてしまいました。その後、Aさんは勾留され、検察での取調べで検察官から略式裁判を受けることの同意を求められました。
(フィクションです。)

~児童買春の罪~

児童買春の罪は、正式名称、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

ここで児童買春とは、

児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること

をいいます。
まず、「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいうとされています。ですから、「対償」はお金に限らず、物品や食事、宿泊場所の提供、債務(借金)の免除などを含むものと解されます。そして、児童買春の罪は、児童の性的搾取を抑止、防止するために設けられた規定ですから、「対償」というためには上の点に加えて、
・性交等をすることに対する反対給付といえること
・供与されたものが社会通念上経済的利益といえること
の2点が認められなければならないとされています。簡単に言えば「性交等に対する対価といえること」と言ってもいいかもしれません。
次に、「性交等」とは、性交のほか
・性交に類似した性交類似行為(手淫、口淫など)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること
も含まれます。

~略式起訴、略式裁判~

起訴には正式起訴略式起訴があります。
そして、略式起訴とは略式裁判を受けるための起訴です。
略式裁判とは、裁判官が検察官から提出された書面にのみ基づいて、起訴された事件が略式命令を発布する事案かどうかを判断し、相当と判断した場合は「100万円以下の罰金又は科料」の範囲で略式命令を発布するための裁判です。
したがって、起訴されたからといって裁判に出廷する必要はありません。

具体的には以下の流れで進んでいきます~勾留中の場合

①検察官から略式裁判を受けるかどうかの同意を求められる→不同意→正式起訴→正式裁判

同意

②略式起訴

③略式裁判

④略式命令発布

⑤略式命令謄本受領

⑥釈放

⑦正式裁判請求→する→正式裁判

しない

⑧略式裁判確定

まず、取調べ時に検察官から略式裁判を受けるかどうかの同意を求められます(①)。同意する(書面にサインする)と略式起訴されます(②)。時期は勾留満了日の1日から2日前が多いと思われます。勾留中の場合、時間的制約がありますから略式裁判は略式起訴された日に行われるのが通常でしょう(③)。略式裁判で、裁判官が略式命令を発布することが相当と判断した場合は略式命令を発布します(④)。略式命令が発布された段階で裁判所へ行き(勾留中の場合は護送され)、裁判所書記官から略式命令謄本を受領することによって釈放されます(⑤、⑥)。なお、謄本を受け取った日の翌日から起算して14日以内は正式裁判を開くことを請求することができます。請求しない場合は略式裁判が確定し、正式に罰金を納付するための手続が始まります。

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