児童買春周旋の罪は児童買春禁止法(正確には児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)5条に規定されています。周旋(しゅうせん)とは,仲立ち,斡旋(あっせん)することを意味します。ここでは児童買春周旋の罪について解説をしていきます。
児童買春周旋の罪は,児童買春を斡旋することを指します。児童買春とは,18歳未満の児童に対価を支払うことで性行為等に及ぶことを意味します(同法2条2項)。いわゆる援助交際は児童買春の罪に該当します。自宅に住まわせている児童を利用して買春客を募る行為などが児童買春周旋の罪に該当します。最近では,SNSを悪用して買春客を募ったケースなども報道されています。
児童買春そのものの罪は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する」と規定されています(同法4条)。これは対価を伴わない淫行の罪よりも重い罰則になります。
例を挙げると,東京都が定める青少年健全育成条例では,淫行の罪は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と規定されています(同条例18条の6,24条の3)。児童買春周旋の罪はさらに重い罰則が科せられており,「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています(同法5条1項)。
児童買春の罪の場合,懲役刑か罰金刑のいずれかが科せられることになりますが,児童買春周旋の罪の場合は,懲役刑に加え,罰金刑も言い渡されることがあるのです。児童買春を斡旋することによって買春客が増えれば買春被害に遭う児童の数が増えて悪質性が高いことと,一般に収益をあげることが多い児童買春の斡旋を抑制する必要があることがその理由です。児童買春の周旋を「業として」,すなわち反復継続して行った場合は,より悪質性が高いため「7年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する」と規定されています(同法5条2項)。
このように,児童買春の罪自体が重い罪になりますが,児童買春の斡旋を行った場合,より重い罪に問われることになります。逮捕されるリスクや刑事裁判にかけられるリスクも当然ながら高くなります。
それゆえ,児童買春の斡旋に携わってしまった場合は,いち早く弁護士に相談して適切な助言を受けることが肝心て,取調べ対応から裁判対応に至るまで,迅速,適切なサポートを心がけています。児童買春の斡旋に携わってしまいお悩みの方は,まずは一度ご相談ください。