【事例解説】高校の教員が教え子と性交

【事例解説】高校の教員が教え子と性交

高校の教員が教え子の生徒と性交したとして、児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「私立高校で教師をしているAさんは、テニス部の顧問を担当しています。
Aさんは、テニス部の部員である17歳のVさんから、日頃から、進路や学校生活上の悩み相談を受けていました。
相談を重ねていくうちに、AさんとVさんに好意を持つようになり、学校内で性交をするようになりました。
Vさんが学校の先生と性交をしていることに気が付いたVさんの両親が警察に被害届を提出したことをきっかけに、Aさんは児童福祉法違反の疑いで逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

【18歳未満の児童と性交をする罪】

18歳未満の児童性交をすると犯罪になるということは多くの方が認識していることかと思いますが、18歳未満の児童性交をしたといっても、具体的な事実関係によって成立する犯罪は異なります。

例えば、17歳の女子高校生と性交をしたという場合で考えてみますと、女子高校生の同意のもと性交を行った場合は各都道府県が定める青少年保護育成条例違反となるでしょう。
青少年保護育成条例違反の場合は、各地の条例によって法定刑に差がありますが、東京都の場合は、東京都青少年保護育成条例24条の3によって、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。

そして、そのような性行為を行う同意がなく、女子高校生の反抗を著しく困難にする程度の暴行脅迫を用いて性交をした場合には刑法177条の強制性交等罪が成立することになるでしょうし、また、女子高校生を睡眠薬で眠らせた上で性交に及んだ場合には刑法178条2項の準強制性交等罪が成立することになると考えられます。

強制性交等罪準強制性交等罪の法定刑は、いずれも5年以上の有期懲役刑となっています。
これに加えて、女子高校生に性交の対価として現金を渡して性交をしていた場合には児童買春にあたり、児童買春・児童ポルノ規制法4条によって5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性があります。

このほかにも、性交の相手となった18歳未満の児童との間に特別な人的な関係があることで成立する犯罪もあります。
例えば、性交をした17歳の女子高生が自身の実の娘であったように、18歳未満の児童を現に監護する者が、その影響力に乗じて性交をした場合には、刑法179条2項の監護者性交等罪が成立する可能性が高いと言えます。
監護者性交等罪の法定刑は、強制性交等罪の場合と同じで、5年以上の有期懲役刑です。

それでは、事例のAさんのように学校の先生が、現在教えている学校の生徒と性交をした場合にはどのような犯罪が成立することになるのでしょうか。

【「児童に淫行をさせる行為」とは?】

教師と生徒や、クラブのコーチと教え子、雇用主と従業員のように、性交の相手となった18歳未満の児童との間の師弟関係やある種の上下関係があることを利用して、性交をした場合は、児童福祉法34条1項6号の「児童淫行をさせる行為」に当たる可能性があります。

ここでいう「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為を意味しています。
また、「させる行為」とは児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童淫行をなすことを助長し促進する行為を意味していて、児童が犯人外の第三者と淫行をした場合のほかにも、児童が犯人自身と淫行をした場合も含まれます。

児童淫行をさせる行為をした場合、児童福祉法60条1項によって、10年以下の懲役若しくは300百万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。

【18歳未満の児童との性行為で捜査を受けたら】

18歳未満の児童性行為をした疑いで警察の捜査を受けている方で、今後の対応についてお悩みの方は、弁護士に一度相談されることをお勧めします。
これまで説明した通り、「18歳未満の児童性行為をした」と一言で言っても、具体的な事実関係によって、問われる可能性がある犯罪は異なりますので、弁護士に相談して、自分がどのような罪に問われる可能性があるのか説明を受けられるのが良いでしょう。

また、弁護士に相談することで、今後事件がどのような手続きで進んでいくのか、弁護士刑事弁護活動を依頼することのメリットなどについてアドバイスを貰うことができますので、ご自身が今後どのような対応を取ればよいのかということについて見通しを立てることができるようになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
18歳未満の児童性行為をしたことで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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