教師が児童といん行

教師が児童といん行

教師による児童との淫行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ ケース ~

福岡県八女市に住む担任教師のAさん(25歳)は、女子生徒Vさん(17歳)とホテルへ行きVさんと性行したとして、福岡県八女警察署に児童福祉法違反、福岡県県青少年健全育成条例違反で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの両親は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 児童福祉法違反 ~

児童福祉法は、戦後まもない頃、児童(18歳に満たない者)の健やかな成長と最低限度の生活を保障するために制定された法律です。児童福祉法には第1章から第8章まで設けられており、児童を保護するための様々な手続や措置等が定められています。

児童への行為に対する「罰則」については第8章に設けられています。
第8章の60条には1項から5項まで罰則規定が設けられており、その第1項では、

第34条第1項第6号の規定に違反した者は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

と規定されています。

そこで、第34条第1項第6号を見ると

児童に淫行をさせる行為

と規定されています。

「させる行為」と規定されていますから、

自ら児童と性交した場合は含まれないのではないか??

との疑念を持たれるかもしれません。
この「させる行為」の意義につき、最高裁判所は、

直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいい、そのような行為に当たるか否かは①行為者と児童との関係、②助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、③淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、④児童の年齢、⑤その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当である(①から⑤までのナンバリングは筆者による)

旨判示しており、①から⑤の要件を満たす場合は、

自ら児童と性交に及んだ場合でも「させる行為」に当たる

としています。

~ 青少年健全育成条例も成立 ~

また、同時に各都道府県が定める青少年健全育成条例(以下、条例)違反にも問われる可能性があります。
各都道府県では青少年(18歳未満の者)に対するいん行、わいせつな行為を禁止しているからです。
罰則は自治体により異なりますが、福岡県をはじめとする多くの自治体では、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金とされています。

ただ、児童福祉法違反と福岡県青少年健全育成条例の2つの罪が成立した場合は、児童福祉法違反の法定刑を基準に刑を科されます(このように、一個の行為(いん行)が2個以上の罪名に触れる場合を法律上「観念的競合」といいます)。
つまり、Aさんは

10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金

の範囲内で刑を受けることになります。

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