大阪府堺市の売春(援交)事件~その①~ 売春防止法について弁護士が解説
16歳の女性Kは,大阪府堺市に住んで都内の高校に通っていましたが,夜になると街に出て遊んでばかりいました。Kは売春(いわゆる援助交際,「援交」)をしてお金を手に入れようと考えました。ある日,大阪府堺市で,Kは45歳の男性Aに,「おじさん,遊んで行かない?」と声を掛けました。
(フィクションです)
~売春防止法(以下,「法」という)~
売春とは,対償(報酬などの対価)を受け,又は受ける約束で,不特定の相手方と性交をすることをいいます(法2条)。
ただ,意外ですが,法では,売春(援交)した当事者を処罰する規定はありません。
確かに,法3条には,「何人も,売春をし,又はその相手方となってはならない」と定められています(3条)。
しかし,これは罰則を伴わない訓示規定だと言われています。
訓示規定とは,裁判所や行政庁に対する指示(命令)の性格を持つにすぎず,これに反しても,その行為の法的効力に影響がないとされる規定のことです。
法は,あくまで売春側(援交をもちかけた側)を社会的弱者ととらえ,これを保護の対象としていることから処罰しないとしているのです。
また,売春側を処罰しないのですから,援交に応じた側,つまり買春側も処罰されません。
~注意点~
ただし,法は,売春(援交)を助長する行為を処罰する旨定めています。
すなわち,法5条では売春の勧誘等の行為を,法6条では売春の周旋等の行為を,法7条では困惑等による売春を,法10条では売春させる契約を,法11条では売春のための場所の提供を処罰する旨定めています。
また,買春側(援交に応じた側)の方は,各都道府県が定める条例や児童買春法などで処罰されるおそれがあるので注意が必要です。
これらの法律については,また後日解説いたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には,売春防止法違反等の刑事事件を専門に取り扱う弁護士が所属しています。
援交をした,または援交に応じてしまい売春防止法等の法律で処罰されるのではないかと少しでも不安になられている方がおられましたら,ぜひ一度,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
(大阪府堺警察署への初回接見費用 37,700円)