【報道解説】15歳の少女に淫らな行為をして青条例違反で逮捕

【報道解説】15歳の少女に淫らな行為をして青条例違反で逮捕

SNSで知り合った15歳の少女に淫らな行為をしたとして愛知県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「愛知県一宮市の職員の男AがSNSで知り合った15歳の少女にみだらな行為をしたとして逮捕されました。
愛知県警によりますと、A容疑者は去年11月、名古屋市西区のレンタルルームで15歳の少女にみだらな行為をした愛知県青少年保護育成条例違反の疑いが持たれています。
取り調べに対して、A容疑者は『年齢について聞いた覚えがなく、行為についてははっきり覚えていない』と容疑を否認しています。
(令和5年1月12日にCBCテレビで配信された報道より一部匿名にして引用)

【15歳の少女に淫らな行為をするとどのような罪に問われる?―愛知県の場合】

愛知県青少年保護育成条例14条1項では、「何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない」と規定して、18歳未満の者である青少年に対して淫行をはたらくことを禁止しています。
この規定に違反して、18歳未満の青少年に該当する15歳の少女に淫行をしてしまうと、愛知県青少年保護育成条例29条1項によって、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。

【淫らな行為をした際に少女の年齢を知らなかった場合はどうなるのか?】

取り上げた報道によると、逮捕されたAさんは、15歳の少女の年齢については「聞いた覚えがない」と供述しているようです。
もし、淫らな行為をするときに少女の年齢が15歳であるということを単に知らなかった場合、処罰を免れることが出来るのでしょうか。
結論としては、単に年齢を知らなかったという場合は処罰を免れることはできません。
というのも、愛知県青少年保護育成条例29条8項本文が、愛知県青少年保護育成条例14条1項に違反して青少年淫らな行為をした者は、「当該青少年の年齢を知らないことを理由として」、同条例29条1項による処罰を免れるということができないと規定しているからです。

ただ、愛知県青少年保護育成条例29条8項には本文の後に但書として続きがあり、「ただし、当該青少年の年齢を知らないことにつき過失がないときは、この限りでない。」と規定しています。
これは、淫らな行為をするにあたって相手の年齢が18歳未満であるかどうかを確認・調査したが、相手が年齢を偽るなどして18歳未満であるということを認識することができなかった場合には、18歳未満の青少年を淫らな行為をしても例外的に処罰の対象にしないということを規定しています。

愛知県青少年保護育成条例29条8項但書によって処罰を免れるかは事件ごとの具体的な状況によって異なってきます。
そのときの事件の具体的事実関係の状況下において通常可能な確認・調査をし尽くしたにも関わらず、相手の年齢が18歳未満であるということが分からなかったのであれば、愛知県青少年保護育成条例29条8項但書によって処罰対象にならないと言えるでしょう。

取り上げた報道によると、Aさんは相手の年齢について「聞いた覚えがない」と供述しているようですが、相手の年齢を口頭で確認するというのは年齢の確認・調査方法として初歩的なものと考えられます。
そのため、相手の年齢について「聞いた覚えがない」という供述は初歩的な確認・調査もしていないことから、そもそも相手の年齢を確認・調査しなかったという事実の認定に用いられる証拠になる可能性があるかもしれません。

【青少年保護育成条例違反で警察の捜査を受けてお困りの方は】

このように18歳未満の青少年淫らな行為を働いた場合は、相手の年齢を18歳未満であるという認識があったのか、相手の年齢を確認・調査したのかといったについて、警察の取り調べで供述を求められることになります。
このような警察の取り調べでの対応については、事前に弁護士に相談されることをお勧めします。

多くの人にとって、警察署の取調室に行って警察官に対して供述するというのは初めての経験で戸惑うことが多いかと思います。
そのため、緊張や警察官の誘導に乗せられて事実と異なる供述をしないためには、弁護士に相談して取り調べについてアドバイスを得ておくことが有益となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
18歳未満の青少年淫らな行為をしたとして青少年保護育成条例違反で警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

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