児童買春の弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
会社員のAさん(41歳)は児童買春で逮捕されました。逮捕の通知を受けたAさんの妻は警察官にAさんと面会させて欲しいと言いましたが,「明後日にでも弁護士を付けられる」「それまで待ちなさい」などと言われ断られました。Aさんの妻は,どうしていいかわからず,刑事事件専門の法律事務所に電話したところ,現時点では,弁護士ならAさんと面会できることを教えてもらい,さっそく,弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
~児童買春の弁護人~
児童買春の弁護人には、国選と私選の2種類があります。
起訴前の国選弁護人は、勾留状を発布された(勾留された)被疑者が貧困等の事由により弁護人を選任することができない場合において、被疑者の請求により、国によって選任された弁護士のことをいいます。
国選弁護人は逮捕後すぐには選任されず、勾留状が発布されてからでなければ選任されません。
つまり逮捕されてすぐは、国選弁護人に弁護活動を依頼することはできないのです。
では、逮捕から勾留決定まではどのくらいの日数を要するのでしょうか?
法律上は、司法警察員(警察官など)は、身柄拘束を継続する必要があると認めるときは、逮捕後「48時間以内」に検察官の元へ事件を送致する手続を取らなければならないとされています。また、検察官も、身柄拘束を継続する必要があると認めるときは、被疑者を受け取ったときから「24時間以内」に勾留請求の手続を取らなければならないとされています。勾留請求から勾留決定が出るまでは半日から1日を要しますから、逮捕から勾留決定までは「3日から4日」は要することになります。
他方で、私選弁護人は、被疑者その他弁護人選任権のある方から選任された弁護士のことをいいます。
国選弁護人と違い、どのタイミングでも選任することができ、逆にどのタイミングでも解任することができます。
逮捕前からでも選任することができますし、逆に起訴後に解任することもできます。
~私選弁護人を選任するメリット~
私選弁護人を選任するメリットとしては以下の点が挙げられます。
早期の示談交渉が可能となる点です。示談交渉を始めようとしても、被害者はもちろん捜査機関も被害者の個人情状を教えてくれません。その点、弁護士であれば教えてくれる可能性が格段に上がります。また、私選の弁護人であれば、勾留前から示談交渉を始めることが可能です。
次に、早期釈放が可能となる点です。私選弁護人であれば、警察官、検察官、裁判官に意見書を提出するなどして釈放を働きかけることができます。上の示談交渉が進展していることを併せて主張すれば、釈放の可能性はさらに上がります。
最後にすぐに接見してくれるという点です。
弁護活動は逮捕された方からお聴きした話の内容によって異なります。児童買春を否認するのであれば、示談交渉よりかはむしろ、逮捕された方への取調べ等へのアドバイス、客観的証拠の収集、現場での検証などが挙げられます。児童買春を認める場合は示談交渉が主となります。いずれにしても早めの接見が肝要です。
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