淫行事件の自首

今回は、淫行事件を起こしてしまった場合に、自首をするメリット及びデメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪府松原市に住むAさんは、SNSで知り合った17歳の女子高校生Vと、大阪府内のラブホテルにおいて性交してしまいました。
性交に関して、お金を与えたり、また、お金を与える約束はしませんでした。
性交後、数か月が経過していますが、何ごともなく生活できています。
しかし、いつ事件が発覚するのか、逮捕されてしまうのではないかと不安に感じています。
このような場合はどうしたらよいのでしょうか。(フィクションです)

~大阪府内で17歳の女子高生と性交するとどのような犯罪が成立するか?~

各都道府県が制定する青少年健全育成条例違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
各都道府県ごとに制定されているので、条例の名称や、条文の文言が異なることがあります。
また、犯罪行為を行った場所の条例が適用されるので、ケースの場合は、大阪府青少年健全育成条例の適用の可否が検討されることになります。

大阪府健全育成条例第39条1項は、「何人も、青少年に金品その他の財産上の利益、役務若しくは職務を供与し、又はこれらを供与する約束で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと」を禁止しています。

条文中の「性行為又はわいせつ行為」とは、青少年との間において行われるすべての性行為をいうものではなく、
「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」を意味すると解されています(最高裁大法廷昭和60年10月23日判決)
ただし、SNSで知り合っただけで、他に深い付き合いもない青少年との性行為は、通常、「みだらな性行為又はわいせつな行為」と認定される可能性が高いと思われます。

大阪府青少年健全育成条例第39条1項に違反し、有罪判決を受ける場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

~事件化することが不安な場合、どうすればよいか~

まずは弁護士に相談し、自首をするメリット及びデメリットについて、アドバイスを受けましょう。
一般的なメリットとしては、
・刑が減軽される可能性があること
・自ら捜査機関に犯罪を犯したことを申し出たことが評価され、逮捕される可能性が低くなる可能性があること
が挙げられます。

デメリットとしては、
・逮捕される可能性はゼロではないこと
・ほぼ確実に被疑者となってしまうこと(事件が発覚せず、そのまま公訴時効が完成する場合もあります)
が挙げられます。

また、自首が成立するためには、複雑な要件を満たす必要があり、捜査機関に申告するタイミングや、申告時の態度、申告の内容によっては、自首ではなく、「出頭」として扱われてしまう場合もあります。
この場合には、「刑が減軽されうる」というメリットを受けることができません。
また、上記の通り、自首にはデメリットもあります。
自首を検討している場合には、まず、法律の専門家である弁護士と相談した上で、自首することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
青少年との間で淫行事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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