児童買春の不出頭と逮捕

児童買春の不出頭と逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ 事例 ~

大阪市城東区に住む会社員のAさんは、SNSを通じて知り合った17歳の児童とホテルで会い、現金3万円を渡して性交を行いました。後日、Aさんは知らない番号から着信があり、不審に思ってネットで検索すると大阪府城東警察署の電話番号でした。Aさんは「児童買春の件で電話がかかってきたんだ」だと思いましたが、対応してしまうと逮捕されてしまうのではないかと怖くなってしまい、それ以来、警察から電話がかかってきても無視し続けていました。ところが、数週間後、Aさん宅に大阪府城東警察署の警察官が訪れ、Aさんは児童買春の罪の疑いで逮捕されてしまいました。その場にいたAさんの家族は、援交・児童買春に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 逮捕 ~

被疑者の身体を拘束し、引き続き短期間の拘束を継続することを逮捕といいます
逮捕には、通常逮捕、緊急逮捕、現行犯人逮捕の3種類があります。
このうち通常逮捕は、裁判官のあらかじめ発する逮捕状によってする逮捕をいいます。
通常逮捕の特徴は、裁判官のあらかじめ発する逮捕状を必要とする点です。つまり、この逮捕状がなければ被疑者を逮捕することはできません。では、どういう場合に逮捕状が発せられるのかといえば、

・逮捕の理由
・逮捕の必要性

が存在する場合とされています。
逮捕の理由とは、証拠関係からその罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある場合をいいます。
逮捕の必要性とは、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれが認められる場合をいいます。
裁判官から発布された逮捕状を捜査機関がいつ執行するのかは分かりません。発布された逮捕状には有効期限が定められていますから、その有効期限内であればいつでも執行されます(逮捕されます)。

逮捕後は、

①逮捕→②送検→③検察官による弁解録取→④勾留請求→⑤勾留質問→⑥勾留決定、という流れとなります。

①から②まで
警察に逮捕されると警察署内の留置施設に収容されます。その後、警察署内で被疑者の話を聴く「弁解録取」という手続きを受けます。その後、釈放か否か判断されますが、釈放されない場合は、逮捕から48時間以内に送検(検察官の元へ身柄と事件が送られること)の手続きが取られます。この間、警察官の取調べを受けることもあります。

③から④まで
送検されると検察官の元でも「弁解録取」の手続きを受けます。この手続きを経て釈放か否か判断されますが、釈放されない場合は勾留請求の手続きを取られたと考えてよいでしょう。
   
⑤から⑥まで
勾留請求されると、今度は、裁判所で裁判官による「勾留質問」を受けます。勾留質問でも事件について聴かれます。そして、勾留質問を経て検察官の勾留請求を許可するのか、却下するのか判断されます。
勾留請求の許可された場合、10日間の身柄拘束が決定します。ですが、その勾留決定の裁判に対して不服を申し立てることができ、これが認められれば10日間を待たずとも釈放されることがあります。
勾留請求が却下された場合、検察官に不服を申し立てる権利が認められています。検察官が不服申し立てをしない場合は釈放されます。

~ 不出頭と逮捕 ~

捜査機関からの出頭に応じるか否かはあなたの自由(任意)です。
この点は、刑事訴訟法198条1項からも明らかです。

刑事訴訟法198条1項
検察官、検察事務官、司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があると認めるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

しかし、正当な理由なく不出頭を繰り返すと、そのこと自体が

・罪証隠滅のおそれ
・逃亡のおそれ

の微表であるとして逮捕状を発布されてしまう可能性があります。
援交・児童買春事案は、児童本人からの申告によって捜査機関に発覚することは少なく、むしろ保護者が援交・児童買春に気付いて通報したり、児童が補導されてしまい、SNSでのやり取り等が発覚してしまったりして発覚するケースが多くあります。
そのため、援交・児童買春から数か月、場合によって1年以上後に警察から連絡が来る可能性はありますので、ご不安の場合は事前に相談されることもご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、児童虐待に関する刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

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