自撮り画像要求で逮捕
自撮り画像要求で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ ケース ~
福岡県飯塚市に住むAさん(22歳)は、SNSで知り合ったVさん(高校2年生の16歳)と仲良くなり連絡先を交換しました。そして、AさんはVさんとやりとりを続けるうちにVさんのことが気になり、Vさんに裸の自撮り画像を送って、とメールで頼みました。ところが、AさんはVさんから拒まれたことから、その後、繰り返しVさんに裸の自撮り画像を送るよう要求していたところ、福岡県飯塚警察署に福岡県青少年健全育成条例違反で逮捕されてしまいました。自撮り画像の過度な要求に困ったVさんが警察に被害届を提出したようです。Aさんの親は弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ SNSの発達によって新たな犯罪が ~
近年、SNSの発達により、日頃出会う機会の少ない、成人と未成年者(特に、小中高校生)との交流が容易となっています。
ところが、それに伴って、小中高校生を対象とする犯罪も行われています。
自撮り画像要求行為は、その中の一つともいえるでしょう。
~ 自撮り画像要求行為でどんな罪に問われる? ~
まず、福岡県青少年健全育成条例(以下、条例といいます)に規定されている「児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止」の罪に問われる可能性があります。
この罪は、条例31条の2に規定されています。
条例31条の2 何人も、青少年(18歳未満の者)に対し、次に掲げる行為をしてはならない。
1号 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等(略)の提供を行うように求めること
2号 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うよ うに求めること
なお、「児童ポルノ」というためには、提供を求めたものが
1号 児童を相手とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態(性欲を興奮させ又は刺激するもの)
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態(殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの)
のいずれかに当たる必要があります。
罰則は「30万円以下の罰金又は科料」です。
次に、脅迫手段を用いた場合は、強要罪あるいは強要未遂罪に問われる可能性があります。
実際に相手方から自撮り画像の提供を受けた場合は強要罪に当たると考えられ、相手方が要求に応じなかったとしても、自撮り画像を目的としてだったことからすれば脅迫罪ではなく強要未遂罪に当たるでしょう。
強要罪は刑法223条に規定されています。
刑法223条
1項 生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者は,3年以下の懲役に処する。
2項 親族の生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
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