盗撮事件の捜査中に、児童ポルノ製造事件が発覚

今回は、盗撮事件にかかる捜索差押手続において、児童ポルノ製造行為が発覚してしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

京都府京田辺市のAさんは、数か月前に起こしてしまった盗撮事件の被疑者です。
盗撮事件とは、電車内で女性のスカート内を撮影してしまった、というものです。
京都府田辺警察署において盗撮事件の捜査が在宅で行われています。

今回、盗撮画像を調べるためにAさんの自宅が捜索されることになりました。
やってきた警察官はAさんのパソコンやタブレットなどを調べています。
警察官が「他に何かやってる証拠があれば今出してほしい」と言うので、Aさんはパソコンに児童ポルノが入っていることを告げました。

この児童ポルノは先日、知り合った女子高生との性交の様子を撮影したものです。
Aさんには児童ポルノ製造罪の嫌疑もかけられることになりそうです。(フィクションです)

~Aさんに成立しうる犯罪について解説~

(盗撮事件について)
電車で女性のスカート内を撮影するなどの行為については、多くの場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反の嫌疑をかけられることになるでしょう。

(児童ポルノ製造罪)
Aさんの行為は児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第7条4項または5項の児童ポルノ製造罪を構成する可能性が高そうです。

同法第7条4項によれば、「児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造」する行為が犯罪とされています。
また、同条5項によれば、「ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造」する行為も同様に犯罪とされています。

女子高生との性交の様子は同法第2条3項第1号の姿態に該当するものと思われます。
女子高生に撮影することを知らせて性交させた場合は4項の児童ポルノ製造罪が成立するものと思われます。
女子高生に知らせずに性交の様子を撮影していた場合は5項の児童ポルノ製造罪が成立するものと思われます。

同法第7条4項及び5項の児童ポルノ製造罪に対する法定刑はいずれも「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」となっています。

~今後の手続の流れ~

盗撮に加えて児童ポルノ製造まで疑われると、逮捕される可能性があります。
これまで捜査に協力してきたことやこれからも捜査に協力すること、身元引受人がいることなどを主張して逮捕を回避するべきでしょう。

逮捕されずにこのまま在宅で捜査が進めば、何回か警察に出頭して取調べを受けることになります。
警察での捜査が熟せば事件が検察に送致されます。

送致後は検察官の取調べを受けることになります。
検察官は最終的にAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを判断します。

起訴されるよりは当然、不起訴処分を獲得できる方が良いでしょう。
不起訴処分は裁判にかけられない、ということなので、絶対に有罪判決を受けることはありません。
ケースの事件において不起訴処分を獲得するためには、被害者らと示談をし、Aさんに対して寛大な処分を希望する文言を示談書に入れてもらうことが重要となるでしょう。

ただし、児童ポルノ関連の事件の起訴率は高く、起訴されてしまう可能性は十分あるといえます。
その場合であっても、略式手続により罰金刑を受けることによって事件を解決することができれば、公開の法廷に出廷する必要がないので、Aさんの負担も軽くてすみます。
略式手続によって事件を処理するよう検察官に働きかけることも弁護活動の選択肢の1つといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
盗撮事件、児童ポルノ製造事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー