公務員による児童買春
~ケース~
Aさんの職業は地方公務員です。
最近SNSで知り合った14歳の女子中学生Vと親しくなり、実際に会ってデートをすることになりました。
Vと会い、お茶や食事を楽しんだあと、Aさんは「ホテルにいかない?」と持ちかけました。
Vは「3万円くれるならいいよ」と言うので、Aさんは性交後支払うことを約束し、Vと京都府京田辺市内のラブホテルで性交しました。
後日、Aさんの自宅に京都府田辺警察署の警察官が現れ、児童買春の疑いで捜索を受けました。
Vの親に上記の性交を知られ、被害届を出されたようです。
(フィクションです)
~児童買春の罪とは?~
Aさんには児童買春の罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
児童買春とは、
①児童(18歳未満の者のことです)
②児童に対する性交等の周旋をした者
③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者に対し、
対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。
「性交等」とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいいます)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることを意味します。
Vは14歳の中学生ですから、児童買春の被害者である「児童」に該当します。
Aさんは性交をする対償として3万円を支払うことをVに約束し、Vと性交したということから、Aさんに児童買春の罪が成立する可能性が極めて高いということになります。
~Aさんは今後どうなるか?~
Aさんはこの後取調べを受けることになると思われます。
Aさんと同様の状況にある方は、逮捕される可能性や、職を失うことを心配するかと思います。
ケースでは特に記載していませんが、取調べを受けた後、逮捕状を見せられ、逮捕されるということも十分想定できますが、逮捕されずに在宅で捜査が進行することも考えられます。
当然ですが、逮捕されるのではなく、在宅で事件の解決を目指す方が、Aさんの生活へ及ぼす悪影響の程度は低くなります。
逮捕され、勾留・勾留延長されれば、捜査段階で最長23日間もの間身体拘束をされます。
その間、職場には出勤できないので、懲戒免職処分を受けるなどの甚大な不利益を被る可能性があります。
~公務員を辞めさせられる場合~
公務員の方は、逮捕されたら公務員を辞めさせられてしまうのではと不安に思うかもしれません。
法律上は逮捕されただけで直ちに公務員を辞めさせられることにはなっていません。
地方公務員の場合、起訴されて有罪判決を受け、禁錮以上の刑に処せられた場合、執行猶予付きの判決であってもその職を失うこととなっています(地方公務員法28条4項・16条2号)。
したがって、法律上は逮捕されただけで失職することはありませんが、事実上辞めざるを得ないことはあります。
逮捕ののちに勾留されてしまうと、長期間出勤することができなくなります。
(無断)欠勤が続けば、公務員に必要な適格性を欠くと判断されて免職処分を受ける恐れがあります。
逮捕されたことが勤務先に知られると勤務を続けづらくなる可能性が考えられます。
~児童買春事件の解決を弁護士に依頼~
逮捕される可能性を低くする方法として、V側と示談をすることが考えられます。
示談とは、事件の当事者間で、事件の解決に向けた合意をすることをいい、通常、被害者の被った損害につき、金銭を支払う約束を行います。
被害者と示談が成立した場合、これを証明する示談書はAさんにとって有利な証拠となりえます。
さらに、「被疑者の寛大な処分を求める」旨が記載された宥恕条項が示談書に盛り込まれている場合や被害届を取り下げてもらうことができた場合は、よりAさんに有利に働きます。
示談成立によって逮捕される可能性を低くすることができ、さらには不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
不起訴処分を獲得できれば、児童買春事件の被告人として裁判にかけられることがなくなるので、前科がつかずにすみます。
このように、被疑者被告人にとって利点の多い示談ですが、Aさん本人がVと示談交渉を行うことは不可能ではないもののおすすめできません。
おそらくVの親はAに対してかなりの怒りを感じていることと思われるので、Aさんと連絡を取りたがらないことが考えられます。
また、Aさんは児童買春を行った「加害者」という立場にありますから、示談交渉によってかえって相手を怒らせてしまい刑事手続上不利になってしまう、逆にV側の不当な要求を受け入れてしまう、ということが考えられます。
したがって、刑事事件の知識と経験が豊富な弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめいたします。
示談交渉は、児童買春事件の解決実績の豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご依頼ください。
無料相談予約は0120-631-881まで
京都府田辺警察署までの初回接見費用:37,600円