京都の淫行事件

京都の淫行事件

~ケース~
Aさんは、SNSで知り合った17歳の女子高生Vと実際に会い、京都府京都市南区内のラブホテルで性交してしまいました。
性交当時、AさんはVが17歳であることを認識しており、また、性交に関して、お金などの対償を供与し、または供与の約束をすることはありませんでした。
後日、京都府南警察署から電話があり、「Aさんにお尋ねしたいことがある。心当たりがありますよね」と言われ、非常に不安な状況です。(フィクションです)

~京都市内で17歳の女子高生と性交するとどうなるか?~

いわゆる京都府青少年健全育成条例が掲げる淫行の罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
京都府青少年健全育成条例第21条1項は、
何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない
としています。
これに違反し、有罪判決を受ける場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
ケースにおけるAさんがVに対して行った性交は、上記の「精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じ」た「淫行」に該当すると判断される可能性が高いでしょう。

もっとも、「淫行」が青少年との間におけるすべての性行為を指すわけではなく、福岡県青少年保護育成条例事件判決(最高裁昭和60年10月23日判決)によると、
婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等
は「淫行」という概念に含まれないと判示されています。
また、京都府の条例では、「金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて」淫行を行うという限定がなされています。

しかしながら、たまたまSNSで知り合っただけで、他に深い付き合いがあるわけでもないVと性交したに過ぎないAさんの行為が、「婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等」と評価される可能性は極めて低いでしょう。
むしろ、どのような人がどのような目的でいるかわからないSNSで知り合ってVと性交したことは、Vの精神的、知的未成熟に乗じたものと評価できるでしょう。
したがって、Aさんの行為は淫行の罪を構成するものと思われます。

~なぜVとの性交が刑事事件化したのか?~

ケースのように、青少年と同意した上で性交したとしても、様々な理由で刑事事件化することが考えられます。
例えば、青少年が何らかの理由で警察から補導され、携帯の中身を警察官に見られてしまった場合、淫行の相手方とのやりとりから事件が発覚することがあります。
また、青少年が保護者から、淫行をしていた時間に何をしていたのかを問い詰められ、事件について話すことも考えられます。
この場合、青少年自身にそのつもりはなくても、保護者によって被害届を出されることがあります。
さらに、青少年が保護者から叱責されるのをおそれて、「無理矢理に襲われたから、抵抗できずにラブホテルに連れていかれた」と伝えることもありえます。
この場合は、淫行事件ではなく、強制性交等罪(刑法第177条)の被疑者になってしまう可能性があります。
強制性交等罪の法定刑は5年以上(20年以下)の有期懲役となっており、淫行の罪と比べ、はるかに重いです。
強制性交等罪の被疑者となってしまった場合は、暴行・脅迫によって性交をしたのではなく、あくまでも青少年の同意を得て性交した、ということを強く主張すべきです。

~Aさんは今後どうなるか?~

警察署から呼び出しを受けたAさんは、まず警察署において取調べを受けることになると考えられます。
そして、逮捕されない限り、Aさんは任意の出頭に応じて取調べを受けることになります。
警察署での取調べが終了すると、今度は検察庁での取調べが行われ、最終的に検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めます。

~被害者との示談~

不起訴処分を獲得できる可能性を高めるなら、V(未成年のため実際にはVの親)と示談をすることをおすすめします。
未成年に対する刑事事件は、その保護者なども被害者と言え、被害者本人が同意していればそれでいいというわけにはいかないからです。
示談が成立すると、その事実がAさんに有利な犯罪後の情況として考慮されることが期待できます。
そうして最終的に不起訴処分を獲得できれば、裁判で有罪となって刑罰が言い渡されることはなく、前科も付かずに済みます。

~まずは弁護士と相談~

警察から呼び出しを受けた場合、出頭前に弁護士と相談し、今後の手続はどう進行するか、取調べではどのように供述すべきか、自身の処分の見込み、示談交渉の方法、示談が成立した場合の効果などについてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの様な淫行事件の解決実績も豊富です。
淫行事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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