強制わいせつ罪と勾留

強制わいせつ罪と勾留について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

~事例~

千葉県木更津市に住むAさんは、自宅にV(16歳)を誘い、酒に酔った勢いでVに無理矢理キスをしました。後日、Aさんは、千葉県木更津警察署強制わいせつ罪で事情を聴かれ、そのまま逮捕されてしまいました。その後、Aさんは勾留されたため、接見に来た弁護士に早期釈放のための弁護活動を依頼しました。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪~

強制わいせつ罪を規定する刑法176条には「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する」と書かれています。

なお、強制わいせつ罪は明確な暴行行為がなくても成立してしまう可能性があります。つまり、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいと解されています。裁判で認められた例として、女子の意思に反して陰部に指を挿入する行為、強いて接吻する行為、女子の背後からその臀部等を手のひらでなで回す行為などがあります。

~勾留~

勾留」とは、被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判及び執行のことをいいます。
勾留は、起訴される前の被疑者勾留と起訴された後の被告人勾留に分けられます。

=被疑者勾留=

被疑者勾留の場合、捜査の必要性の要素が色濃く出ます。

つまり、被疑者勾留は被告人勾留と異なり、裁判所(あるいは裁判官)の独自の判断での勾留は認められず、事件の全容を把握している「検察官の請求」を前提とします。そして、請求を受けた裁判官が勾留の許否を判断するのです。また、弁護人勾留されている方と自由に接見できる(刑事訴訟法39条1項)のですが、公訴の提起(起訴)前に限り、弁護人接見に関し条件を付けられることがあります。これを接見指定といいます(刑事訴訟法39条3項)。

勾留期間は、検察官の請求のあった日から数えて10日間です。例えば、令和2年3月24日に検察官の勾留請求があった場合の勾留満了日(勾留が終わる日)は同年4月2日です。ただし、検察官が勾留期間延長することにつき「やむを得ない事情」があると判断した場合は、最大で10日間、勾留期間の延長を請求されることがあります。

=被告人勾留=

被疑者から被告人となった場合、捜査の必要性は減退します。

よって、被告人の勾留は、裁判所(あるいは裁判官)の職権により行われます。通常、公訴の提起があったのと同時に勾留されますが、検察官が敢えて勾留をしたいという意思表示をしたい場合は、裁判官に職権の発動を促します。被告人勾留の場合、接見指定は認められません。

勾留期間は、公訴の提起があった日(起訴された日)から2か月です。その後は、特に継続の必要がある場合に、決定をもって1か月ごとに更新されます。

~勾留と釈放~

勾留を解く(釈放する)ために、様々な対抗手段を講じることが必要です。ここでも、被疑者勾留と被告人勾留の場合にわけてご紹介いたします。

=被疑者勾留=

被疑者勾留の場合、まず、検察官に勾留請求しないよう働きかけたり、裁判官に勾留の決定を出さないよう働きかけることができます。ただし、これは法的な手段ではありません。法的な手段としては、勾留決定が出た後に勾留裁判に対する不服申し立て(準抗告)をすることが考えられます。なお、被疑者勾留の場合、被告人勾留と比べ身柄拘束期間が短いことから保釈請求は認められていません。

=被告人勾留=

被告人勾留の場合の主な対抗手段としては保釈です。その他、勾留更新決定に対する準抗告抗告の手段なども考えられますが、あまり例がないようです。

本件のAさんは「被疑者勾留」の段階にあります。まずは、弁護士に勾留裁判に対して不服申し立てを行ってもらう必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。ご家族などが勾留されお困りの方は0120-631-881までご連絡ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

 

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