京都の淫行事案 部活顧問の教員が女子高生と淫行で逮捕
京都府伏見区の教員Aさんは,部員の女子高生Vさん(17歳)に,京都市内のホテルでわいせつな行為をし,その際,その様子をスマートフォンで撮影した児童に淫行をさせる罪及び児童ポルノ製造の罪で京都府伏見警察署に逮捕されました。
(11月5日付朝日新聞デジタルを基に作成)
~ 児童に淫行をさせる罪 ~
児童福祉法第34条1項6号では「児童に淫行をさせる行為」を禁止しており,同法60条1項で,違反した者は,10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し,又は併科すると定めています。ところで,判例(平成28年6月21日 最高裁決定)は,淫行の意義につき,児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象としか扱っいるとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為としています。そして,淫行をさせる行為の意義を「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」と解し,淫行に当たるか否かは,①行為者と児童の関係,②助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度,③淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯,④児童の年齢,⑤その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当と判示しています。過去の判例,裁判例を見ても,教師・生徒,塾講師・生徒等の関係で同法が適用された事例が多いです。
~ 児童ポルノ製造の罪 ~
児童ポルノ禁止法(略称)7条4項,または5項に当たり得る罪です。いずれも法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。女子高生に認識されつつ撮影した場合は4項,ひそかに撮影した場合は5項に当たります。
報道によれば,Aさんは児童買春の罪では逮捕されていないようですから,今回淫行の際に,金銭等の供与はなかったものと思われます。仮にあった場合は児童福祉法ではなく,児童買春禁止法(略称)が適用され,法定刑は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金と重くなります。
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(京都府伏見警察署までの初回接見費用:36,800円)