食事代、ホテル代を払って児童買春?
児童買春か淫行か争いがあるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ ケース ~
東京都文京区に住む会社員のAさんは、出会い系アプリで知り合った女子高生と会い、食事をした後ホテルへ行き性交しました。食事代やホテル代はすべてAさんが負担しました。その後、Aさんは、警視庁駒込警察署から「Vさんとの児童買春の件で話が聞きたい。」との連絡を受けました。Vさんが深夜、駒込警察署の警察官に補導されたことが発覚のきっかけとなったようです。突然の連絡に驚いたAさんは、「Vさんに直接お金などを渡したわけではないので児童買春には当たらない」と考えています。
(フィクションです)
~ 食事代、ホテル代を払うことで児童買春? ~
児童買春は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律といいます。)」の2条2項で次のように定義されています。
法律2条2項
児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
なお、罰則は法律4条に規定されています。
法律4条
児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
児童買春における「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。
この利益となる原因は、贈与(お金、物を無償で与える)のみならず債務の免除(お金の支払いを免れる)も含みます。
この点、本件食事代やホテル代は、特段の意思表示がなければ、Aさん、Vさんが連帯して債務を負っていると考えられますが、VさんはAさんが食事代、ホテル代を負担してくれたことでその債務を免除されています。
残る問題としては、「反対給付」といえるかどうかです。
反対給付とは、要は、対償と性交等とが対価関係にあることを意味します。つまり、対償によってVさんが性交等に応じた、という関係が認められる必要があるでしょう。
供与された対償がVさんにとってどれほど重要だったか、という点が焦点となるのではないでしょうか?
~ 家族、職場への発覚を避けるには ~
一番想定されるのは、Aさんが逮捕されたときでしょう。
逮捕されればご家族へばれてしまうのは明らかでしょう。
また、職場へは「なぜAさんが出勤しないんだ」ということになり、家族などへ連絡が行きばれてしまうというケースが多いです。
他にも、マスコミによる報道で、家族、職場が認知するというケースも考えられます。
以上からすれば、逮捕を回避できれば、家族、職場への発覚も免れるかもしれません。
児童買春で逮捕なんて回避できるの??とお考えの方もいるかもしれません。
しかし、逮捕前に被害者側と示談を成立させるなどして、被害者がこれ以上、「加害者の処罰を求めない」「刑事事件化して、事件を公(裁判)にして欲しくない」と述べられた場合はどうでしょうか?
警察としては、そのような被害者からは捜査協力を得られないなどとみなし、逮捕を控えるかもしれません。
青少年、児童(ともに18歳未満の者)と性交したという方は、何らかの犯罪に該当する可能性が高いです。
家族、職場への発覚を避けたいならば、早め早めに被害者側と示談交渉することが賢明です。
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