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児童買春と準強制性交等罪

2019-05-14

児童買春と準強制性交等罪

会社員のAさん(30歳)は、SNSで知り合った女子高生Vさん(17歳)Vさんから「親と喧嘩して家出した」」「家に泊めてくれない?」と言われました。そこで、Aさんは、この機会にVさんと性交しようとVさんの依頼を受け入れ、Vさんを自宅マンションに誘い入れました。Aさんは、Vさんと性交についての話はしていなかったため、Vさんをお酒で酔わせてから性交しようと考えました。AさんはVさんに大量のお酒を勧めて酔い潰させた上、Vさんがと性交しました。その後、Vさん行方を心配したVさんの両親が福岡県博多警察署に届出を提出しました。捜査の結果、Aさん方に寝泊まりしていることが判明し、Aさんは準強制性交等罪の疑いで福岡県博多警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ 児童買春?準強制性交等罪? ~

本件の場合、Aさんの行為は児童買春の罪、準強制性交等の罪のどちらにも該当するようにも思えます。まずは、児童買春の罪からご紹介します。

= 児童買春の罪 =

児童買春の罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

* 児童買春とは *

児童(18歳未満の者)等(児童買春法2条1項各号に掲げる者)に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交(淫行)等をすることをいうとされています。

* 対償 *

対償とは,児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず、物品、債務の免除などの財産上の利益も対償に含まれるとされています。
家出中のVさんに対して宿泊場所を提供することも「財産上の利益」といえるでしょう。

* Aさんの行為は「児童買春」といえるか *

Aさんの行為が「児童買春」といえるかどうかは、結局、宿泊場所の提供が性交することに対する反対給付といえるかどうか、にかかってくると思われますが、それにはVさんが、性交についてどう考えていたか、にもよります。確かに、Vさんとっては、宿泊場所を確保することは大きいことですが、だからといって性交することまでは承諾していなかったようにも思えます。そうすると、宿泊場所の提供が性交することに対する反対給付、とは言い難く、児童買春の罪は成立し難いと思われます。

= 準強制性交等の罪 =

したがって、Aさんの行為は,児童買春ではなく準強制性交等罪に当たる可能性が高いでしょう。準強制性交等罪は刑法178条2項に規定されています。

刑法178条2項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心身を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による。
刑法177条
 13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。

「心神喪失」とは,精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいいます。例えば,熟睡,泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
「抗拒不能」とは,心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。恐怖,驚愕,錯誤などによって行動の自由を失っている場合などはこれに当たります。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。「心神喪失・抗拒不能にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬,睡眠薬の投与・使用,催眠術の施用,欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
「前条の例よる」の「前条」とは177条のことを指します。「例による」とは,法定刑を177条と同様,

5年以上の有期懲役

とするという意味です。

本件では、Vさんを酒に酔わせた上で性交していますから「心身を喪失させて性交をした」ことに当たるでしょう。

~ 可能な限り示談を ~

児童買春の罪、準強制性交等罪とも重い罪ですから、重罰を免れるためにはまず相手方と示談交渉を始め、示談を成立させることが賢明です。もっとも、示談交渉は、罪の成立を認めていることが前提ですから、罪を認めない場合は裁判で徹底的に争っていくことが必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,児童買春等をはじめとする援交・淫行事件刑事事件専門の法律事務所です。援交・淫行事件,その他の刑事事件でお悩みの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
福岡県博多警察署までの初回接見費用:34,300円)

淫行事件と示談の効果

2019-05-10

淫行事件と示談の効果

~ケース~

東京都荒川区在住のAさん(20歳)はSNSでVさん(17歳)と知り合いました。
AさんとVさんは仲良くなり実際に東京都荒川区内で会って遊ぶようになりました。
何度か遊ぶうちにAさんとVさんは親密な関係になり,ある日,AさんはVさんにホテルに誘われました。
AさんはVさんとホテルに行き口腔性交をしました。
後日,2人の関係を知ったVさんの両親が警視庁尾久警察署に相談したため,Aさんは東京都青少年の健全な育成に関する条例違反の疑いで警視庁尾久警察署で事情を聞かれることになりました。
不安になったAさんが弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談を利用しました。
(フィクションです)

~青少年保護育成条例~

AさんはVさんと同意のもと口腔性交を行っているといえますので刑法のいう強制性交等罪に問われることはありません。
しかし,都道府県の定めるいわゆる青少年保護育成条例違反となってしまいます。

青少年保護育成条例は文字通り青少年の健全な育成を目的として制定されている条例です。
保護の対象となる青少年とは婚姻をしていない18歳未満の男女をいいます。
Vさんは結婚していないと思われますので青少年に該当します。
そして,青少年保護育成条例には青少年と淫らな行為、つなわち淫行を禁止する規定があります。
青少年保護育成条例が適用される事件の多くは青少年との淫らな行為,つまり淫行事件であるケースが多いので、青少年保護育成条例は「淫行条例」と呼ばれることもあります。
「淫らな行為」とはどのような行為を指すのかについて条文の文言では明確に規定されてはいませんが,少なくとも性交等は淫らな行為であるとされるでしょう。
AさんはVさんと口腔性交していますので青少年保護育成条例のいう淫らな行為をしたといえるでしょう。
罰則は都道府県によって異なりますが6カ月から2年以下の懲役または50万円から100万円以下の罰金となっています。

青少年保護育成条例違反の場合、起訴率は約5割程度ですが、淫行事件の場合には7割程度起訴されているようです。
しかしながら,淫行に至った経緯や被害者および保護者の処罰感情,犯行後の情状などによっては起訴猶予(不起訴)となる場合もあります。

~弁護活動~

青少年保護育成条例違反を認める場合、被害者が処罰を望まないことや犯行後の情状により刑事処罰をする必要がないことを検察官に示すために示談をすることが重要です。
今回のケースではAさんとVさんが赤の他人ではなく,連絡を取ることが可能ですのでAさんが自身で示談交渉をすることも理論的には可能でしょう。
しかし,加害者が直接示談交渉をしようとすると、かえって被害者の方の感情を逆撫でしてしまうケースが少なくありません。
そのため,示談交渉をする際には,弁護士に依頼をするのがベストです。
加害者本人ではなく弁護士であれば,被害者の方も話を聞いてみようと思われる場合が多くあります。
ただし,青少年保護育成条例違反のいわゆる淫行条例違反の場合,示談が成立していても他のケースに比べて起訴されてしまう可能性は高くなっています。
これは,示談を成立させる,すなわち示談金を支払えば不起訴になるというのでは事後的な買春を遠回しに認めてしまうことになるからではないかと言われています。
淫行事件の場合、検察官は、淫行に至った経緯なども考慮して起訴するかどうかを決定します。
たとえば,交際関係にあるような場合には不起訴となる可能性は高いと思われます。
今回のAさんとVさんは交際関係であったとはいえないかもしれませんが,何度か会ってからの行為ですので示談を成立させることが出来れば不起訴となる可能性は十分にあるでしょう。
不起訴となれば事件はそこで終了になりますので,前科が付くこともありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
淫行で青少年保護育成条例違反に問われてしまいお困り・お悩みの方は。0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署などでの初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(警視庁尾久警察署での初回接見費用:37,100円)

自撮り画像要求行為を禁止する条例

2019-05-06

自撮り画像要求行為を禁止する条例

東京都狛江市に住むAさん(21歳)は,SNSで知り合った女子高生Vさん(16歳)に,LINEで「全裸の自撮り画像を送る」ようメールしました。
AさんはVさんから断られましたが,さらにVさんにメールで「この前,お前とホテルに行ったときに撮った動画をネットに載せるからな」などと嘘を言って自撮り画像を要求しました。
そうしたところ,Aさんは東京都青少年健全育成条例で警視庁調布警察署逮捕されてしまいました。

~ 条例改正の背景 ~

全国的に自撮り画像要求行為の禁止に向けた条例改正の動きが出ています。その背景として,

自撮り画像による児童ポルノ被害が増加傾向にある
自撮り画像が一度流出してしまうと回収が困難となり,青少年に深刻な影響を与えることから被害を未然に防止する必要がある
・児童ポルノ法では,自撮り画像要求行為に対する処罰はできない

という点が挙げられています。
また,すでに改正条例が施行されている自治体もあり,検挙者も出ていますから注意が必要です。

~ 自撮り画像要求行為禁止規定の内容 ~

ここでは,東京都青少年の健全な育成に関する条例(以下,条例)を例にとってご説明いたします。
自撮り画像要求に関する規定は条例18条の7に設けられています。まず,条文から確認しましょう。

条例18条の7 何人も,青少年に対し,次に掲げる行為を行ってはならない。
1号 青少年に拒まれたにもかかわらず,当該青少年に係る児童ポルノ等(略)の提供を行うように求めること
2号 青少年を威迫し,欺き,若しくは困惑させ,又は青少年に対償を供与し,若しくはその供与の約束をする方法により,当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めること

※青少年=18歳未満の者

= 拒まれたにもかかわらず =

拒まれたにもかかわらずとは,青少年に対して当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めた者が,当該青少年による拒否の意思が示され,それを認識しているにもかかわらずということをいいます。
明らかに拒否された場合のほか,社会通念上拒否されたと認められる場合であって,そのことを認識している場合も含まれるとされています。

= 威迫,欺き,困惑させ = 

威迫とは,暴行,脅迫に至らない程度の言語,動作,態度等により心理的威圧を加え,相手方に不安の怠を抱かせること(裸の写真,ネットにばらまくぞ」などと言う行為),欺きとは,嘘を言って相手方を錯誤に陥らしめ,又は真実を隠して錯誤に路らしめること(交際する,結婚するつもりはないのに,その旨を言う行為),困惑させとは,立場を利用したり,言語や態度により相手方を惑い困らせること(塾講師が「テストの点数上げてやる」などと言う行為)をいいます。

= 対償を供与し,若しくはその供与の約束をする =

対償とは,青少年からを児童ポルノ等の提供を受けることに対する反対給付としての経済的利益をいい,現金のみならず,物品,債務(借金)の免除などの財産上の利益も対償に含まれるとされていますから,青少年が欲しいものを買ってあげる,食事をご馳走してあげることなども対償を供与することに当たる場合もあります。
また,約束だけでも成立することがあります。

= 提供を行うように求めること =

具体的には,有体物(HD,BL,DVDなど)としての児童ポルノを交付するよう求めたり,電磁的記録を電子メールで送信するよう求める行為がこれに当たります。
実際に手に入れられなくても要求だけで犯罪成立となりますから注意が必要です。

~ 最後に ~

以上のように,自撮り画像要求行為は立派な犯罪ですから,発覚すれば逮捕,勾留されるおそれがあります。
また,罰則は「30万円以下の罰金」と他の犯罪を比べれば軽微ですが,裁判を受け,確定すれば前科がつきます。
さらに,実際に,青少年(児童)に裸などの写真を取らせ,それをスマートフォンなどに送らせた場合は,児童ポルノ製造の罪が成立するおそれがあります。
そうなれば,拘束期間や刑罰がさらに重くなることが予想されますので注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,自撮り画像等の児童ポルノ事案,援助交際事案をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。
自撮り画像要求行為や児童ポルノでお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
警視庁調布警察署への初回接見費用:37,300円

援助交際した少女の補導

2019-05-02

援助交際した少女の補導

横浜市西区に住むAさんは、16歳の女性。
両親と仲が悪く、家出を繰り返し、友達の家などを転々としていました。
そしてAさんは友達から誘われ、出会いカフェに出入りしていましたが、お金欲しさに援助交際を繰り返すようになりました。
ある時、相手の男性が別の少女に対する児童買春で逮捕されたことをきっかけとして、Aさんも神奈川県戸部警察署に補導されました。
Aさんはどのような処分を受けるのでしょうか。
(フィクションです)

~援助交際の罰則規定~

18歳未満の児童と援助交際をした場合、買春した者は、以下の規定により処罰されます。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
第4条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

一方、売春をした女性側の処罰について、直接的に定めた規定はありません。
しかしAのような家出を繰り返しているような少女の場合には、少年法による保護の対象となりえます。

~少年法の制度説明~

はじめに条文を見てみましょう。
なお、少年法の「少年」には女子も含まれます。

少年法3条1項
次に掲げる少年は、これを家庭裁判所の審判に付する。
1号 罪を犯した少年
2号 十四歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年
3号 次に掲げる事由があつて、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
2項
家庭裁判所は、前項第二号に掲げる少年及び同項第三号に掲げる少年で十四歳に満たない者については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、これを審判に付することができる。

本事例のAさんの場合も、売春は犯罪ではないですが、将来的に犯罪をするおそれがあるとして、上記3号の虞犯(ぐはん)少年と呼ばれるものに当たる可能性があります。
虞犯少年は、いまだ犯罪行為をしていなくても少年法が適用されます。
少年の保護・更生のために、20歳以上の場合よりも広く対応がなされるわけです。

ただし、犯罪をしたわけではないので、(少年)刑務所に入れられることはありません。
実際には警察による調査の後、
①児童相談所での調査や一時保護を経て、自宅に帰されるか、家庭環境等を考慮して自宅に帰すのが妥当でないと判断されたときは児童福祉施設に入れるといったことが考えられます。
あるいは、
②少年鑑別所での鑑別や家裁調査官による調査を経て、少年を児童自立支援施設や少年院に入れる、あるいは施設には入れずに保護観察にするといった決定を家庭裁判所が行うことも考えられます。

~弁護士をどう利用する?~

援助交際などをした虞犯少年の場合、上述のように各施設に入れられてしまう可能性があります。
その方がかえって少年のためになる場合もありますが、親にとってみれば、子供と引き裂かれてしまうと感じるかもしれません。

そこで、虞犯少年が各施設に入れられることを避けたい場合、弁護士は、例えば上記①②での調査や家庭裁判所の審判の際に少年の非行の内容が実際よりも悪く伝わって重い処分とならないよう、あるいは将来的に罪を犯す可能性が低い(虞犯少年に当たらない)との主張を行うため、調査・審判への同席や関係機関への働きかけを行うことがあります。
また、家庭環境に問題がある場合には、少年が家庭に戻れるよう家庭環境の調整を行うなどして、施設への収容を避けるといった活動をすることも考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、援助交際をしてしまった少女の虞犯少年事件も取り扱います。
法律相談は初回無料ですので、少年にとって一番良い解決を目指すためにもぜひ一度ご相談ください。

女性から男子中学生への児童買春

2019-04-28

女性から男子中学生への児童買春

~ケース~

埼玉県川越市在住のAさん(20代女性)はSNSを通じて知り合ったV君(中学3年生)と仲良くなった。
AさんとV君の住んでいる場所が近くであったことから,AさんはV君に一度会ってみようと持ち掛けV君もこれを承諾した。
AさんとV君は一緒に食事をした後,Aさんの自宅へ行くことになった。
Aさんは自宅で,V君に自身の乳首や陰部を触らせたりV君の性器を触るなどした。
V君はAさん宅で一泊し,帰る際にAさんは昨日の遊んでくれたお礼のお小遣いとして1万円をV君に渡した。
その後,数回にわたりAさんとV君は同様の関係を続け,AさんはV君にお小遣いとして金銭を渡していた。

ある日,V君の両親がV君が持っているはずがない金額のお金を持っていることに気づき,V君は両親に理由を聞かれAさんとの事情を話した。
事情を聞いたV君の両親は埼玉県川越警察署に相談し,Aさんは児童買春の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

~買春と児童買春~

いわゆる「売春」は売春防止法という法律に規定されています。
「売春」は売春防止法は2条で「この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。」と定義されています。
一般的に,「売春」という言葉は,対価として金銭を受取り性交するという意味で使われます。
「買春」とは「売春」に対応する言葉ですので,対償を払い,または払う約束で,不特定の相手方と性交することをいいます。
「売春」および「買春」は3条において禁止されていますが,それだけでは逮捕・処罰はされません。
これは売春防止法が,売春に陥った者は福祉の救済を必要とするという考えや,単純な売買春は被害者なき犯罪であるため,刑罰で抑止することが過度なパターナリズムになることなどが理由とされています。
なお,「売春」は「不特定の相手方」が要件ですので特定の相手方の場合には売春となりません。

一方、児童買春は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ法)に規定されています。
児童買春とは児童(18歳未満の男女)に対し対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます(児童ポルノ法第2条2項)。
性交等とは,交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
そのため,売春防止法の売春の相手方としての買春とは異なり,性交だけでなく,乳首や性器を触ったり触らせた場合でも児童買春となります。
また,児童買春は、特定の相手方であっても児童買春となります。
児童買春の罰則規定は5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています(児童ポルノ法第4条)。

児童買春の法定刑が5年以下の懲役と比較的重く規定されているのは,児童が被害者であり事案によって児童の年齢など異なることが理由でしょう。
また,行為の内容も性交に及ぶものからいわゆる性交類似行為にとどまるものまで様々です。
それらを包括的に処罰するために5年以下の懲役または300万円以下の罰金と最高刑を重めにしているのだと考えられます。

児童買春逮捕された場合,事案にもよりますが逮捕に引き続き勾留されてしまう可能性が高いです。
勾留されてしまい,逮捕および勾留延長も含めると最長で23日もの間身体拘束をされてしまうことになります。
早期に弁護士に弁護を依頼することで勾留に対する意見書提出や勾留決定に対する準抗告申立など早期の身柄解放に向けた活動が可能です。

今回のケースで,Aさんは性交そのものには及んでいません。
このような場合には,被害者(の両親)と示談交渉をし,示談を成立させることで不起訴処分となる場合もあります。
しかし,児童買春に限らず,特に性に関する犯罪の場合,被害者の方が加害者と直接示談交渉に応じることは滅多にありません。
そのような場合は、弁護士が間に入ることで被害者の方が示談に応じてくれる場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
児童買春をしてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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(埼玉県川越警察署までの初回接見費用:38,700円)

サイバーパトロールに書き込みが発覚して呼び出し

2019-04-24

サイバーパトロールに書き込みが発覚して呼び出し

~ケース~

大阪府貝塚市の高校1年生のVさん(16歳)はお小遣い欲しさにSNS上で援助交際を募集していた。
書き込みを見かけたAさんはVさんの書き込みに返事やメッセージを送った。
AさんとVさんは大阪府貝塚市で会い,性交渉を行いAさんはVさんに3万円を渡した。
後日,大阪府貝塚警察署生活安全課サイバーパトロールのXがVさんの書き込みに対するAさんの返事を発見した。
Aさんは大阪府貝塚警察署に事情を聞かれるため任意の呼出しを受けた。
今後の見通しが不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~児童買春~

今回のケースでAさんは高校1年生であるVさんに金銭を渡して性交渉におよんでいますので,いわゆる児童買春に該当する行為をしています。
児童買春児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法)によって禁止されており,児童買春の定義は以下のようになっています。

児童ポルノ禁止法
第2条 この法律において「児童」とは,18歳に満たない者をいう。
 この法律において「児童買春」とは,次の各号に掲げる者に対し,対償を供与し,又はその供与の約束をして,当該児童に対し,性交等(性交若しくは性交類似行為をし,又は自己の性的好奇心を満たす目的で,児童の性器等(性器,肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り,若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
以下略

児童買春の罰則は5年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています(第4条)。

児童買春事件は,児童買春の事実を知った児童の両親が警察に被害届などを提出し発覚する場合が多いようです。
しかし,今回のケースのようにSNSの書き込みを監視するサイバーパトロールによって児童買春などと思われる書き込みが発見され発覚する場合もあるようです。

今回のケースでAさんは大阪府貝塚警察署に呼出しを受けただけであり逮捕されるには至っていません。
逮捕には通常逮捕,現行犯逮捕,緊急逮捕の3種類があり、児童買春の場合,緊急逮捕が可能な犯罪ではなく,現行犯逮捕されることもあまり考えられませんので通常逮捕が多いと思われます。
通常逮捕の場合には、裁判官の発付する逮捕状が必要となります。
裁判官は逮捕状の請求を受けた場合,逮捕の理由があれば、明らかに逮捕の必要性がない場合を除き、逮捕状を発付しなければならないとされています。
逮捕の理由とは,罪を犯したと疑うに足りる相当な理由(相当の嫌疑)が存在していることをいいます。
逮捕の必要性は,逃亡または罪証隠滅のおそれがある場合をいいます。

~弁護活動~

今回のケースでは被害届などによって事件が発覚したものではありません。
警察も逮捕ではなく任意の事情聴取という手続を採っています。
しかし、警察はVさん側にも事情を聞く形になると思われますので,事件化しないという可能性は低いでしょう。
事件化された場合でも,逮捕されずに在宅事件として刑事手続きが進んでいくと考えられます。
そのため,警察の呼出しに応じていれば即座に逮捕となる可能性は低いと考えられます。
しかし、任意の呼出しにAさんが応じないような場合には、逃亡または罪証隠滅のおそれがあり逮捕の必要性があるとして逮捕状の請求がされてしまう可能性が高まります。

逮捕されずに在宅事件として捜査が進んでいく場合、事件が検察官に送致され起訴されてしまう場合には,在宅起訴という形になると思われます。
児童買春で刑事裁判となった場合には,事件の内容にもよりますが,初犯であれば罰金刑もしくは執行猶予付きの判決となることが多いです。
ただし,罰金や執行猶予となっても前科として残ってしまいますので,刑事裁判とならない,すなわち不起訴(起訴猶予)とすることが重要です。

児童買春事件の場合,被害者の方と示談を成立させ宥恕条項を含めた示談書を作成することにより検察官は不起訴(起訴猶予)とする場合もあります。
しかし,加害者の方がご自身で示談交渉をしようとしても被害者が応じてくれないケースや、そもそも被害者の連絡先がわからないというケースも多いです。
弁護士であれば,被害者の方の同意の下,検察官などから連絡先の取り次ぎをしていただき示談交渉ができる場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
児童買春をしてしまいお悩み・お困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
大阪府貝塚警察署などでの初回接見(初回接見費用:39,200円)・事務所での無料法律相談を24時間受け付けています。

昔保存した児童ポルノ画像で捜査

2019-04-20

昔保存した児童ポルノ画像で捜査

兵庫県宍粟市に住むAさん。
10代の頃にともに暴走族をしていた友人に誘われ、振り込め詐欺グループに加わりました。
しかし警察に犯行が発覚、あえなく詐欺罪逮捕されました。
警察は詐欺罪の捜査のためにAさんのパソコンを差し押さえ、内容を確認していたところ、偶然児童ポルノに該当する画像を発見しました。
その画像は7年ほど前にAさんがアダルトサイトで見つけ、保存したものでした。
しかしAさんは児童ポルノにだけ特別な興味があるわけではなく、児童ポルノに当たらないアダルト画像も保存しており、今では保存したこと自体忘れていました。
取調べの時に検察官から画像について尋ねられたAさん。
詐欺罪の他、児童ポルノ法による処罰も受けてしまうのか不安になり、接見時に弁護士に相談しました。
(フィクションです)

~児童ポルノ単純所持~

2014年に児童ポルノ禁止法が改正され、それまで罰則のなかった児童ポルノの単純所持に罰則が設けられました。
関係する条文を見てみましょう。

第2条
1項 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2項 省略
3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀(でん)部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
第7条
1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

18歳未満の児童の、上記2条3号に該当するわいせつ画像を持っていると、児童ポルノ単純所持で罰せられる可能性があるわけです。
しかも2014年児童ポルノ法改正後に所持するに至った画像はもちろん、改正前から所持し続けている画像についても、罰則の適用対象となります。

なお、「児童ポルノ単純所持」の「単純」というのは、児童ポルノを自己のためではなく他人に提供する目的で所持した場合(7条3項。より重く罰せられる)と区別するための呼び方です。

~心当たりのある方は弁護士に相談を~

児童ポルノを扱う闇サイトから頻繁にダウンロードしているような方は、それが捜査機関に発覚すれば起訴され有罪判決を受ける可能性は十分あるでしょう。
販売サイトが摘発されたことをきっかけに、利用客が芋づる式に検挙されることも考えられます。

一方、Aさんのような場合には起訴猶予(不起訴)になる可能性もあります。
弁護士から検察官に対し、常習性・悪質性が低いこと等を主張して、起訴猶予(不起訴)にしてもらえるよう働きかけることも考えられます。

いずれにしろ児童ポルノをお持ちの方は早急に削除することをお勧め致します。
ただ、児童ポルノ単純所持の時効は3年ですので(刑事訴訟法250条2項6号参照)、削除してから3年が経過していない場合も処罰を受ける可能性があります。

過去を含め児童ポルノを所持していたことがあり、ご不安がある方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
秘密は厳守いたしますのでご安心ください。
事務所での法律相談は初回無料となっております。
(兵庫県宍粟警察署への初回接見費用:フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください)

「今年18歳」と聞いていた場合と児童買春・淫行

2019-04-16

「今年18歳」と聞いていた場合と児童買春・淫行

~ケース~

30代男性AさんはSNSを通じて高校3年生のVさんと知り合った。
AさんとVさんはSNSでやり取りをする内に仲良くなり,実際に会って出かけることになった。
その際,AさんがSNSのメッセージ機能でVさんに年齢を尋ねたところ,Vさんは「今年18歳」と答えたので、AさんはVさんを18歳だと思った。
AさんとVさんは実際に会って遊んだ後,ラブホテルに行き性交をした。
別れる際に,AさんはVさんに現金1万円を手渡した。
その後,AさんとVさんは同様の関係を何度か繰り返し,AさんはVさんに現金を手渡していた。
ある日,Aさんの自宅に京都府南丹警察署の警察官が来訪し,Aさんは児童買春の疑いで逮捕された。
Vさんは実際には17歳であった。
(フィクションです)

~児童買春~

児童買春は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法)」第2条によって規制されています。

第2条 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
(以下略)

罰則は5年以下の懲役または300万円以下の懲役となっています(第4条)。
また,児童買春でない買春も売春防止法によって禁止されていますが,単純買春の場合には罰則規定はありません。

今回のケースで,AさんはVさんに年齢を尋ねており,Vさんは「今年18歳」であると答えています。
そう聞いたAさんは、Vさんを18歳であると思って,買春となる行為をしています。
刑法38条では故意処罰を規定しており「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」とされています。
AさんはVさんを18歳であると思って行為をしているのですから,罪を犯す意思がなかった,すなわち,故意がなかったとして罰せられないことになりそうです。

ただし,刑法38条は故意でなくても「法律に特別の規定がある場合にはこの限りでない」と規定しています。
そのため、過失の処罰規定がある場合には過失犯として罰せられることになります。
児童ポルノ禁止法では,児童買春についての過失の処罰規定はありません。
一方、18歳に満たない者と淫らな行為をすることを禁止している各都道府県の制定する青少年保護育成条例では,相手の年齢を知らなかった事について過失がなかった時には処罰されないと規定されている、つまり過失の処罰規定があることが多いようです。

~今回のAさんのケースでは~

今回のケースでいうと、Vさんが話した「今年18歳」という表現は今年18歳に「なる」場合と「なった」という場合のどちらの意味とも捉えることができます。
また,それ以外のやり取りの内容からVさんが18歳でないと推認できたと認定されてしまう場合もあります。

このような事件の場合には,事件の詳細を刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士と相談し,年齢を知らなかったとして無罪を主張していくかどうかを決めていきます。

児童買春事件や淫行事件の場合、可能であれば被害者の方と示談をすることが終局処分や量刑
に大きく影響します。
しかし,示談をするということは罪を認める,すなわち18歳未満であると認識していたという意味合いが強くなるので,今回のケースのような場合には示談をすべきか否かは、弁護士と相談されるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
児童買春淫行に問われてしまいお困りの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
京都府南丹警察署での初回接見(初回接見費用41,100円)・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。

児童買春と公訴時効

2019-04-12

児童買春と公訴時効

福岡県春日市に住む会社員のAさんは,SNSで知り合った高校2年生のVさん(17歳)に,ホテルで現金3万円を渡して性交しました。
また,Aさんは,その際の状況などをスマートフォンの動画撮影機能を使って撮影しました。
そして,AさんはVさんと別れ離れにホテルを出ようとしたところ,福岡県春日警察署の警察官から職務質問を受けました。
Aさんはその場でスマートフォンなどを押収され,児童買春の罪などが発覚し,その後逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ なぜ児童買春は発覚? ~

児童買春児童ポルノに関わる罪は,その場で捜査機関に発覚するということはなく,後から発覚するというケースが圧倒的に多いと思われます。
発覚すればAさんのように逮捕され,その後,勾留という長い身柄拘束期間に入るおそれもあります。
では,そもそも,なぜ児童買春は後から発覚してしまうのでしょうか?

= 警察官による職務質問 =

本件のように,警察官による職務質問から発覚するというケースです。
ただし,警察官は誰彼構わず職務質問をしているわけではありません。
別の事件の捜査から児童買春を常習的に繰り返している方,深夜,児童らしき人と一緒に行動をしている方などに目を光らせて職務質問をしていますのです。

* 職務質問とは *

職務質問は,警察官職務執行法2条に規定されています。

「警察官は,異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知って知つていると認められる者を停止させて質問することができる。」

= 児童による申告 =

親に普段の行動を怪しまれて問い詰められた結果,親に児童買春のことを申告した,警察官の補導にあって警察官に申告したことから発覚するというケースです。

= 別件捜査 =

児童ポルノ(製造の罪)の捜査(別件捜査という)でスマートフォンなどを押収され,そのスマートフォンの精査・解析結果などから児童買春が発覚するというケースです。
また,稀に,児童買春を黙認している店が風営法で摘発され,顧客リストが押収されて,それを基に児童買春が発覚するというケースもあるようです。

~ 児童買春等と公訴時効 ~

以上,上記のケースなどからいつ児童買春が発覚するか分かりませんから,

児童買春をしたが,まだ警察に逮捕されていない,警察から呼び出しを受けていないという方

でも不安の中,過ごされているかと思います。
そこで,次に気になるのが,児童買春等の時効ではないでしょうか?
時効が完成すれば,検察官はその事件につき公訴を提起する(起訴する,裁判にかける)ことができなくなるからです。
起訴できないということは,逮捕しても意味がないということになりますから,逮捕される可能性もなくなるでしょう。

= 時効の起算点は? =

時効の起算点は,罪の犯罪行為(実行行為)が終了した時点からとされています。
児童買春の場合は性交等が完了した時点からということになります。

= 時効の期間は? =

時効の期間は,各罪の法定刑によるとされています。
児童買春の罪の法定刑は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」で,時効の期間について定めた刑事訴訟法250条2項4号にでは「長期10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については5年」とされていますから,児童買春の罪の時効は「5年」ということになります。

* 児童買春の罪以外の時効 *

以下,児童買春の罪にまつわる罪の時効期間をご紹介します。

児童ポルノ単純所持の罪    →3年
児童ポルノ製造の罪      →3年(ただし,不特定若しくは多数の者に対する提供目的の製造罪は5年)
淫行の罪(青少年健全育成条例)→3年

~ おわりに ~

繰り返しますが,児童買春の罪はいつ発覚し,その罪でいつ逮捕されるか分かりません。
そうならないためにも今の段階から対策を講じていく必要があります。
具体的な対策については弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,児童買春の罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。
お困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。

24時間,無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。
(福岡県春日警察署への初回接見費用:36,600円)

家に泊めて未成年者誘拐罪

2019-04-08

家に泊めて未成年者誘拐罪

~ケース~

高校教師AさんはSNS上で知り合った東京都世田谷区在住の17歳のVさんとDMのやり取りなどから仲良くなった。
その後,AさんとVさんは実際に会うことになり,意気投合し,夜遅くまで遊んでいた。
結局,Vさんは帰りの電車が無くなってしまい,Aの自宅に泊まることになった。
翌日,自宅に戻ったVさんは両親から問い質され,Aさん宅に宿泊したことを告げた。
話を聞いたVさんの両親は警視庁北沢警察署に被害届を提出し,未成年者誘拐罪の疑いでAさんは事情を聞かれることになった。
不安になったAさんは警視庁北沢警察署へ行く前に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~未成年者誘拐罪~

刑法224条で「未成年者を略取し,又は誘拐した者は,3月以上7年以下の懲役に処する。」と未成年者誘拐罪と未成年者略取罪が規定されています。
未成年者略取罪の「略取」とは,暴行,脅迫その他強制的手段を用いて,相手方を,その意思に反して従前の生活環境から離脱させ,自己又は第三者の支配下に置くことをいいます。
未成年者誘拐罪の「誘拐」とは,欺罔,誘惑などの間接的な手段を用いて,相手方を従前の生活環境から離脱させ,自己又は第三者の支配下に置くことをいいます。
これら「略取」および「誘拐」とを併せて「拐取」と呼ばれます。
未成年者誘拐罪と未成年者略取罪の基本的な保護法益は、被拐取者の身体の自由ならびに安全ですが,被拐取者が未成年である場合には監護者等の監護権も保護法益に含まれます(最高裁平成17年12月6日など)。
監護権者の範囲については明文の規定がありませんが,少なくとも未成年者の親権者は監護権者に含まれます。
今回のケースでは,Vさんの同意はあったといえそうですので、保護法益のうち、Vさんの身体の自由ならびに安全に関しては問題とならないと思われます。
しかし,Vさんの両親の同意を得ていない場合にはVさんの両親の監護権を侵害することになりますので,Aさんには未成年者誘拐罪が成立してしまいます。

~親告罪の弁護活動~

未成年者誘拐罪は加害目的でなければ親告罪(刑法229条)ですので告訴がなければ公訴の提起をすることができません。
親告罪の事件では告訴されなければ裁判になることはありませんので,告訴されないための活動が主な弁護活動となります。

また,告訴被害届と異なり被害者が処罰を求めるもので,捜査機関に捜査義務が発生します。
告訴を受けた捜査機関は事件を起訴するか不起訴とするかの段階まで捜査しなければならないとされています。
しかし,親告罪の場合,告訴後に加害者と和解が成立し告訴を取り下げるという場合も多くあります。
告訴が取り下げとなった場合,それまでの捜査が全て無駄になってしまうので告訴の受理は慎重である傾向があるようです。

親告罪となっている罪は、事実が公になった場合に被害者の不利益となる場合,当事者間での解決を図るべきであるとされる場合などです。

さて、今回のケースでは被害者本人の連絡先を加害者が認識しています。
そのため,捜査機関からの取り次ぎなしで示談交渉をすることは可能です。
もし,被害者側が刑事告訴する前で、示談の際に示談条件に「告訴をしない」という条項を付すことができれば、相手方から告訴される可能性は非常に低くなります。
ただし,そのような示談が成立している場合でも,法的拘束力はありませんので,被害者は理論上告訴をすることができます。
しかし,告訴を受けた警察および検察官は示談が成立していることを理由に事件を不起訴とする可能性が非常に高くなります。

もし、既に告訴されてしまっている場合であっても,示談交渉によって告訴を取り下げてもらえる場合があります。
告訴を一度取り下げたら再度の告訴はできませんので(刑事訴訟法237条2項)、今後刑事裁判となることはなくなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
未成年者誘拐罪に問われてしまいお悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
初回接見・無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(事務所での初回法律相談は無料)

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