着用済み下着買受けの罪で取調べ

着用済み下着買受けの罪で取調べ

~ケース~
Aさんは、SNS上で着用済み下着の購入を募る投稿を見つけたので、投稿主に問い合わせたところ、相手は16歳の女子高生Vさんであることがわかりました。
交渉の結果、神奈川県横浜市西区にて3万円で着用済み下着3着を買い受けることになり、支払のあと、これを受領しました。
Vさんの親は、娘がアルバイトをしているわけでもないのにたくさんのお金を持っていることを不審がり、問い詰めたところ、着用済み下着を売ってお金を得ていることを知りました。
Vさんの親が神奈川県戸部警察署に届け出たところ、Aさんは警察に呼び出され、取調べを受けることになりました。(フィクションです)

~女子高生から着用済み下着を買い受けるとどうなるか?~

各都道府県が制定する「青少年健全育成条例」違反の罪が成立する可能性が高いと思われます。
地域によっては「青少年保護育成条例」など名称が若干異なりますが、条例の大まかな内容は基本的に同じです。
神奈川県でも「神奈川県青少年保護育成条例」が存在し、着用済み下着買受けについて以下のとおり規制されています。

神奈川県青少年保護育成条例
第29条
 何人も、青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい、青少年がこれらに該当すると称した下着、だ液又はふん尿を含む。以下この条において同じ。)を買い受け、売却の委託を受け、又は着用済み下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない。

この条文にあるとおり、神奈川県においては、青少年(18歳未満の者)から青少年の着用済み下着またはそう称される下着を買い受けることが禁止されています。
上記の条例は神奈川県のものですが、着用済み下着の買受けについては、他の自治体においても広く禁止されています。
罰則は30万円以下の罰金なので、さほど重いものではないとして軽視される方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、起訴されて有罪判決を受けると前科が付くことになり、社会生活に悪影響をもたらす(勤務先から懲戒を受ける、転職の際に不利になる可能性)ことが考えられます。
そのため、お金を払えばそれでいいと楽観視すべきではないと言えるでしょう。

~Aさんは今後どうなるか?~

警察で取調べを受けたあと、検察に事件が送検され、検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めることになります。
ところで、今回のケースにおいては、警察に呼び出されたことから逮捕される可能性が気になるのではないかと思います。
逮捕にはいくつか種類がありますが、事件を起こしたあとで警察に呼び出されて行われるものとしては、「通常逮捕」が考えられます。

通常逮捕」は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(嫌疑の相当性)がある場合に、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により行うことができます。
ただし、明らかに逮捕の必要性(主に罪証隠滅と逃亡のおそれがあること)がない場合は、逮捕状は出ません。
日本の刑事手続は、相手方の同意のもと行う任意捜査が原則形態ですから、逮捕のような強制力を持つ強制捜査は例外的なものとして制限されているのです。

着用済み下着買受けの罪については、事件の性質上、逮捕される可能性が低いと考えて差し支えありません。
理由としては、罰則がさほど重くない、下着の売主である青少年との関係が薄い、などの事情から、逃亡や証拠隠滅をする可能性が高くないと評価されやすいからだと考えられます。
もっとも、具体的な事情いかんによっては、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕される可能性がないとはいいきれません。
たとえば、取調べで合理的な理由なく否認している場合、着用済み下着の売主に口止めを行っていることが認められる場合、SNSなどにおける売主とのやり取りを削除した場合、などが危険です。
こうした行為を不用意に行うと、自ら逮捕されるリスクを高めてしまうということになりかねません。
まずは、弁護士と相談し、取調べに先立ち、どのように行動すれば自身にとって不利にならないか、ということについて助言を受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所です。
法律相談は初回無料で行っております。
青少年から着用済み下着を買い受け、警察に呼び出されてしまった方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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