児童買春事件の年齢認識なしで刑事処罰回避

児童買春事件の年齢認識なしで刑事処罰回避

福岡県福岡市東区在住のAさん(30代男性)は、ネット上で知り合った18歳未満の女性と実際に出会って、ホテルでわいせつな行為をして、報酬の金銭を支払ったという児童買春容疑で、福岡県東警察署逮捕された。
Aさんは、「相手の女性は、自分は18歳以上だと言っていたし、18歳以上であることを示す女性の身分証も見せられた覚えがある」と主張することで、児童買春禁止法違反の容疑を否認したいと考えている。
Aさんは、Aさんの家族の依頼で、東警察署のAさんのもとに接見(面会)に来た弁護士と、綿密に今後の弁護方針を話し合い、早期釈放と刑事処罰回避に向けて、刑事事件に強い弁護士に弁護活動に動いてもらうことにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~児童買春禁止法違反での年齢の認識~

18歳未満の女性と性行為やわいせつ行為をした者は、女性に対して金銭などの報酬を支払った場合には「児童買春罪」が成立し、報酬支払いが無かった場合には「各都道府県の青少年健全育成条例違反(淫行)」の罪が成立する可能性があります。
児童買春罪が成立するためには、犯罪の故意が必要であり、「相手方女性が18歳未満であることを知っていたこと」が必要になります。

「児童買春、児童ポルノ禁止法」によると、たとえ児童の年齢を知らなかったとしても、児童の年齢を知らないことにつき過失があれば、「児童買春周旋罪」「児童買春勧誘罪」「児童ポルノ提供罪」等の犯罪は成立するとされています。

・児童買春、児童ポルノ禁止法 9条(児童の年齢の知情)
児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、第五条、第六条、第七条第二項から第八項まで及び前条の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失がないときは、この限りでない。

他方で、上記条文の文言から外れている、「児童買春罪」(4条)「児童ポルノ単純所持罪」(7条1項)については、児童の年齢を認識していないという事実関係があれば、犯罪は成立しないと考えられます。
ただし、「児童の年齢の認識」があったかどうかの実際の判断に当たっては、児童の見た目から年齢を判断できたのではないか、身分証などから年齢を確認する機会が無かったか、等の事情を捜査機関に厳しく取り調べられる形になります。

また、18歳未満の女性と性行為やわいせつ行為をした場合の刑事処罰を規定する、「各都道府県の青少年健全育成条例」においては、「相手方女性が18歳未満であることを知らなかったこと」につき過失があれば、条例違反の犯罪が成立すると規定されている都道府県が多いです。
年齢認識の故意がなくて「児童買春罪」は成立しないケースでも、「青少年健全育成条例違反」の関係では、年齢認識につき過失があり、刑事処罰を受けるといった可能性も考えられます。

(都道府県条例の一例として)
・東京都青少年健全育成条例 28条
「(略)の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、(略)の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。」

児童買春事件で刑事弁護の依頼を受けた弁護士は、その事件が児童売春防止法違反に当たるのか、あるいは青少年健全育成条例違反に当たるのか等につき、具体的事情を詳しく検討した上で、児童の年齢認識の故意・過失の面を含めて、警察取調べ対応の供述方針や、弁護活動の主張方針を、被疑者本人とともに綿密に話し合います。
被害者と示談交渉をすることで、刑事処罰を軽減できるケースもあるため、事件早期の段階で、刑事事件に強い弁護士への法律相談をすることが重要となります。

福岡県福岡市東区児童買春事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

 

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