児童ポルノを製造した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~今回のケース~
東京都足立区に在住の会社員のAさん(30歳)は、近所に住む中学生のVさん(14歳)とSNSを通じて知り合いました。
Aさんは、Vさんが18歳未満であることを知りながら、Vさんが自ら撮影した裸などの画像を送信させ、他人に提供するために児童ポルノを製造していました。
警視庁千住署の警察官は、Vさんが被害者となっていた別の児童ポルノ事件を摘発しており、Vさんのスマートフォンの履歴を確認したところ、Aさんとの接触が判明しました。
そこで、千住署の警察官は、Aさんを児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕しました。
突然息子が逮捕されたAさんの母親はどうしていいか分からず、弁護士事務所に相談することにしました。
(フィクションです。)
~問題となる条文~
〇児童買春・ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)
今回Aさんが疑われているのは、児童買春・ポルノ禁止法違反です。
児童買春・ポルノ禁止法では、児童ポルノを製造することについて以下のように規定しています。
第7条 児童ポルノ所持、提供等
2 児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。電 気通信回線を通じて第2条第3号各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識 することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
3 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同様とする。同行に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記 録を保管した者も、同様とする。
「児童」・「児童ポルノ」の定義については、児童買春・ポルノ禁止法第2条に規定されています。
まず、「児童」とは「18歳に満たない者」をいうとされいます(2条1項)。
次に、「児童ポルノ」とは「写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号いずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」とされています(2条3項)。
2条3項3号には「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの」と規定されています。
今回のケースでは、Vさんは14歳ですので、「児童」に該当します。
また、Vさんが自ら撮影した裸の写真は児童買春・ポルノ禁止法2条3項3号にあたり、「児童ポルノ」と判断されるでしょう。
そして、Aさんは他人に提供するために児童ポルノを製造していたため、7条3項違反に該当する可能性が極めて高いと思われます。
~罰則~
児童買春・ポルノ禁止法7条3項の罰則規定は7条2項と同様とされていますので、起訴されて有罪が確定すると、「3年以上の懲役又は300万円以下の罰金」が科せられることになります。
~弁護士の対応~
今回のケースの様な場合、在宅事件にすると児童ポルノを証拠隠滅する疑いがあるため、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
ご家族の方が、接見(面会)に行くことは可能ですが、時間に制限があり、接見禁止がついていると、ご家族の方でも接見に行くことはできません。
そこで、自分の代わりに弁護士に接見に行ってもらうよう依頼することをおすすめします。
弁護士には接見禁止などの制約がないため、自由に身体拘束を受けた方との面会が可能ですし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。
また、弁護士は、被害者の方との示談交渉を行ったり身体拘束からの解放を目指したりすることが可能です。
迅速な解決のためには、早いうちから弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、児童買春・児童ポルノ禁止法違反など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。