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【報道解説】男子中学生に淫行わいせつ行為で逮捕
【報道解説】男子中学生に淫行わいせつ行為で逮捕
岐阜県大垣市で岐阜県青少年健全育成条例違反による刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
岐阜県北方警察署は、令和5年6月6日に、岐阜県青少年健全育成条例違反の疑いで、岐阜県大垣市在住の会社員の男性(26歳)を逮捕した。
逮捕容疑は1月14日、岐阜県内のホテルで、交流サイト(SNS)で知り合った県内の男子中学生(14歳)と、18歳未満と知りながら、わいせつな行為をした疑い。
北方警察署によると、3月1日に子ども相談センターの職員と男子中学生の母親が署を訪れ、「息子が成人男性と性行為をしている」と相談して発覚し、男子中学生のタブレット端末を解析するなどして特定した。
(令和5年6月7日に配信された「岐阜新聞Web」より抜粋)
【児童わいせつ事件の刑事処罰】
18歳未満の児童に対して、わいせつ行為をした場合には、たとえ被害者児童の側にわいせつ行為の同意があったとしても、各都道府県の制定する「青少年健全育成条例」に違反するとして、刑事処罰を受ける可能性が考えられます。
岐阜県青少年健全育成条例では、18歳未満の児童に対する性行為やわいせつ行為の刑事処罰の法定刑は、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と規定しています。
・岐阜県青少年健全育成条例 23条(みだらな性行為等の禁止)
1項「何人も、青少年に対して、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」
2項「何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。」
さらに、対価や報酬を渡して、18歳未満の児童とわいせつ行為等をした場合には、「児童買春禁止法違反の児童買春罪」となり、刑事処罰は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」と重くなります。
他方で、被害者児童の同意無しに、性行為やわいせつ行為をした場合には、刑法の「強制性交等罪」や「強制わいせつ罪」に当たるとして、さらに罪が重くなります。
【児童わいせつ事件の弁護活動】
逮捕されて警察署で取調べを受けたり、任意同行による警察取調べの呼び出しを受けた場合には、まずは、できるだけ早期の段階で弁護士に法律相談をして、警察取調べでの供述内容を検討することが重要となります。
実際に何があったのか、何を認めて何を否認するのかという供述内容が、その後の刑事処罰の判断に、大きく影響するところ、後になってから供述内容を変えることは供述の信用性を失うため、事件捜査の初期段階で弁護士とともに弁護方針を検討することが必要になります。
また、被害者児童やその保護者との示談交渉を、弁護士を仲介して行い、謝罪の意思や、慰謝料支払いの意思を示すことで、被害者側に許してもらえるような内容の示談が成立すれば、刑事処罰の判断が軽くなることが期待されます。
まずは、児童わいせつ事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
岐阜県大垣市の児童わいせつ事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】風俗店で未成年者を淫行させて児童福祉法違反で逮捕
【報道解説】風俗店で未成年者を淫行させて児童福祉法違反で逮捕
東京都豊島区池袋で風俗店で未成年者を淫行させることによる児童福祉法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
未成年の女子高校生に対し男性客に性的行為をさせたとして、派遣型風俗店の店長らが逮捕された。
豊島区池袋の派遣型風俗店の店長(37歳男性)と元従業員(45歳男性)は、昨年11月に、17歳の女子高校生に対し、18歳未満にもかかわらず年齢確認をせずにホテルで男性客に性的行為をさせた疑いがもたれている。
警視庁によると、女子高校生は風俗や売春行為などで手に入れたおよそ200万円を、いわゆる「メンズ地下アイドル」につぎ込んでいた。
店は5年間でおよそ1億2000万円を売り上げていて、警視庁は女性従業員30人ほどのうち18歳未満の従業員が他にもいるとみて、余罪を調べている。
(令和5年6月10日に配信された「TBS NEWS DIG」より抜粋)
【風俗店で未成年を働かせることによる児童福祉法違反】
未成年者に淫行をさせる行為は、児童福祉法違反に該当する可能性がある他、風俗営業として金銭を取って淫行させた場合には風俗営業法違反に当たる可能性もあり、いずれも刑事処罰を受けることが考えられます。
児童福祉法では、「18歳未満の児童に、淫行をさせること」や、「15歳未満の児童に、酒席に侍する行為を業務としてさせること」を、刑事処罰の対象として禁止しています。
・児童福祉法 34条
1項「何人も、次に掲げる行為をしてはならない。」
5号「満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為」
6号「児童に淫行をさせる行為」
上記の規定に違反して、「児童に淫行をさせた」場合には、「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
「15歳未満の児童に、酒席に侍する行為を業務としてさせた」場合の刑罰の法定刑は、「3年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」となります。
【風俗店で未成年者を働かせることによる風俗営業法違反】
風俗営業法では、「営業所で、未成年者に客の接待をさせること」や、「デリヘルの業務に、未成年者を従事させること」などを、刑事処罰の対象として禁止しています。
・風俗営業法 22条
1項「風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。」
3号「営業所で、十八歳未満の者に客の接待をさせること。」
・風俗営業法 31条の3
3項「無店舗型性風俗特殊営業を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。」
1号「十八歳未満の者を客に接する業務に従事させること。」
上記の風俗営業法の規定に違反した場合には、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」という法定刑の範囲で、刑事処罰を受けます。
まずは、未成年者に淫行をさせて児童福祉法違反事件が発生した場合、すぐに捜査機関が逮捕手続に入る可能性があるため、できるだけ捜査機関の捜査の早い段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被疑者が逮捕や勾留されている留置場に弁護士を派遣する「弁護士初回接見サービス」のご依頼も承っております。
東京都豊島区で未成年者に淫行をさせて児童福祉法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】札幌市中央区の未成年淫行事件で逮捕
【報道解説】札幌市中央区の未成年淫行事件で逮捕
北海道青少年健全育成条例違反による逮捕後の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
札幌方面白石警察署は、令和5年6月7日に、北海道青少年健全育成条例違反(淫行等の禁止)の疑いで、札幌市厚別区に住むアルバイト従業員の男性(24歳)を逮捕した。
男性は、昨年5月15日に、札幌市中央区内のホテルで、当時17歳だった少女にいかがわしい行為をした疑いが持たれている。
白石警察署によると、少女の母親から昨年に「娘が男と関係を持っている」と警察に相談があったことから、少女に事情聴取した。
男性との関係について少女が認めたため捜査を開始し、所要の捜査の結果、事件から約1年が経って逮捕に至った。
警察は、男性の余罪も視野に、事件のいきさつを調べている。
(令和5年6月8日に配信された「STV NEWS」より抜粋)
【北海道青少年健全育成条例違反による刑事処罰】
18歳未満の青少年に対して、わいせつな行為をした場合には、事件地の各都道府県が制定する「青少年健全育成条例」に違反するとして、警察の捜査を受けて刑事処罰が科される可能性があります。
・北海道青少年健全育成条例 38条(淫行等の禁止)
1項「何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。」
2項「何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。」
3項「何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為を教え、又は見せてはならない。」
上記の北海道青少年健全育成条例違反の場合には、38条1項2項に違反した場合の刑罰の法定刑は、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされています。
38条3項に違反した場合の法定刑は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。
他方で、18歳未満の児童に対して、対価として報酬を渡して、わいせつな行為をした場合には、児童買春禁止法違反の「児童買春罪」に当たります。
「児童買春罪」の法定刑は、「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」とさらに重い刑罰になります。
【未成年淫行事件で逮捕後の弁護活動】
未成年淫行事件を起こして逮捕された場合には、逮捕後の勾留(原則として10日間の身柄拘束)が決まれば、逮捕日からおおよそ12、13日間程度の身柄拘束が続いた時点で、刑事事件の処罰をどうするかという起訴・不起訴の判断がなされます。
逮捕されてから、できるだけ早期の段階で、逮捕されている警察署に弁護士を派遣して、弁護士とともに警察取調べに対する供述内容を検討することが重要となります。
事件を認めるのか、否認するのか、事件当日にどういったやり取りがあったかを、警察取調べでどのように供述するかをといった弁護方針を、早急に検討する必要があります。
また、事件を起こしたことを認めるケースでは、被害者やその保護者との示談交渉を行い、謝罪の意思を伝えて、慰謝料支払いの意思を示すことで、被害者側からの許しを得られるような内容の示談が成立すれば、刑事処罰の軽減や不起訴処分の獲得に結び付くことが期待されます。
未成年淫行事件では、加害者側と被害者側の直接の示談交渉は認められないケースが多いため、弁護士を依頼して、弁護士が示談交渉を仲介する必要が出てきます。
まずは、未成年淫行事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
札幌市中央区の未成年淫行事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【事例解説】女性が淫行条例違反で逮捕
【事例解説】女性が淫行条例違反で逮捕
女性が淫行条例違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「東京都在住の会社員女性Aさん(33歳)は、SNSで知り合った17歳の男子高校生Vさんを自宅に呼んで、Vさんの同意の元、Vさんと性交をしました。
ある日の早朝、警察官が自宅に訪れて、Vさんは東京都青少年保護育成条例違反(淫行条例違反)で逮捕されました。」
(令和4年8月30日の神奈川新聞の記事をもとに、事実を一部変更したフィクションです)
【淫行条例違反で逮捕されるのは男性だけではない】
18歳未満の青少年と同意のもとで淫らな行為(淫行)を行うと、各都道府県が定める青少年保護育成条例(いわゆる淫行条例)に違反する可能性があります。
よく、淫行条例違反の疑いで逮捕されたというニュースを見聞きすることがありますが、そうしたニュースで逮捕されているのは男性であるケースが大多数かと思います。
しかし、淫行条例違反は、男性が18歳未満の女性に対して淫らな行為をした場合のみ該当するわけでありません。
例えば、東京都青少年保護育成条例18条の6では「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。」と規定しているように、淫行条例自体は、男性が18歳未満の女性に対して淫らな行為をした場合のみに罰則の対象にしている訳ではありません。
そのため、事例のように女性が18歳未満の男性に対して淫らな行為をした場合や、同性の18歳未満の者に対して淫らな行為をした場合でも、淫行条例違反になる可能性があることになります。
ちなみに、東京都青少年保護育成条例18条の6に違反した場合、同条例24条の3によって、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
【ご家族が淫行条例違反で逮捕されたことを知ったら?】
ご家族が淫行条例違反の疑いで逮捕されたことを知ったら、弁護士に依頼していち早く初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
事例のように、女性が警察に逮捕されると、逮捕した警察署に女性専用の留置施設が無い場合には、女性専用の留置場がある警察署に移動して、そこで留置されることになります。
そのため、逮捕された方のご家族様にとっては、逮捕された女性が逮捕した警察署ではないところで留置されていることを知らされずに、どこにいるのか分からないという事態になることも考えられます。
このような場合でも、弁護士であれば、逮捕された方がどこにいるのかということについて警察署に確認を取り、逮捕された女性の居場所を知ることできますので、逮捕された女性のもとに接見に向かうことが可能になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族の中に淫行条例違反の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】保育士が裸の女児を撮影して児童ポルノ製造で逮捕
【事例解説】保育士が裸の女児を撮影して児童ポルノ製造で逮捕
保育士が勤務先で裸の姿の女児を撮影したとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「保育園で保育士として勤務するAさんは、勤務先で、4歳から5歳ぐらいの女児が着替えるために裸になっている姿を、小型カメラで撮影しました。
Aさんが撮影した目的は、自分の性欲を満たすためという目的もありましたが、裸の女児の姿が映った動画を、自分と同じ性癖を持つ他の人たちと交換するためという目的もありました。
ある日、Aさんの自宅に警察官が来て、Aさんを児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕しました。」
(この事例はフィクションです)
【児童ポルノ製造の罪】
Aさんが撮影した動画には4歳から5歳の女児が着替えのために裸になっている様子が映っています。
このような動画は、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激する」児童の姿として、児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項3号が定める「児童ポルノ」に該当する可能性があります。
そして、Aさんは、児童ポルノに該当する可能性がある動画を、自分と同じ性癖を持つ人と交換するためという目的で撮影しています。
このように、児童ポルノを提供する目的で児童ポルノを撮影した場合、児童買春・児童ポルノ禁止法7条3項に違反して、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、仮に「自分と同じ性癖を持つ人と交換する」という目的が、「不特定若しくは多数の者」との間で交換するという目的であった場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法7条7項に違反して、先ほどよりも重い、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金が科される場合もあり得ます。
【ご家族が児童ポルノ製造で逮捕されたら】
事例のAさんのように、ご家族が突然、児童買春・児童ボルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたという場合は、早期に弁護士に依頼して初回接見に行ってもらいましょう。
基本的に、逮捕された当日やその翌日は、ご家族の方であっても、逮捕されたご本人様とは面会できません。
また、土曜、日曜、祝日と言った日も同様に、ご家族の方は逮捕された方と面会することはできません。
しかし、弁護士であれば、そのような制限なく、いつでも自由に逮捕された方と接見することができますので、これによって、事件の概要や今後の手続きの流れといったことについて、接見に向かった弁護士から話を聞くことができますので、今後どのような対応を取ればよいのかといった今後の見通しについて把握することができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族の中に、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された方がいて、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】高校生が児童ポルノ禁止法違反で逮捕
【報道解説】高校生が児童ポルノ禁止法違反で逮捕
男子高校生が女子高校生とのみだらな行為の様子をスマートフォンで撮影したことを理由に、児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「兵庫県警明石署は20日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、神戸市西区の男子高校生(16)を逮捕した。
逮捕容疑は2月中旬ごろ、交際していた県内の女子高校生(16)に対し、18歳未満と知りながらわいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで撮影した疑い。調べに対し、容疑を認めているという。
女子高校生の保護者が5月12日に同署に相談し、容疑が発覚した。」
(令和4年5月20日に配信された神戸新聞NEXTより引用)
【児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)とは】
報道では、交際相手の16歳の女子高生とのわいせつな行為をしている様子をスマートフォンで撮影したとありますが、自動買春・児童ポルノ禁止法(以下では、「児童ポルノ禁止法」とします。)「児童ポルノ」を「製造」する行為に対して罰則を設けています。
まず、「児童ポルノ」とは、児童(18歳未満の者)が関わる性的な行為等を視覚的に描写した画像を言います。
上記報道の「わいせつな行為」が具体的にどのような行為であるか報道からではわかりませんが、16歳同士の男子高生と女子高生との性的行為を撮影したものであれば、児童ポルノに該当すると考えて問題ないでしょう。
次に、児童ポルノの「製造」についてですが、児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの製造を、「提供目的での製造」、「単純な製造」、「盗撮による製造」、「不特定多数の者への提供又は公然陳列の目的での製造」の4つに分けて規定しています。
1番目から3番目については、法定刑が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられ、4番目については、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられることになります。
報道では、男子高校生がどのような目的で児童ポルノを製造したかについては明らかになっていませんが、例えば、後で自分で見返す目的で製造したということであれば、②の単純な製造に当たることになるでしょう。
【同い年の交際相手であっても児童ポルノ禁止法違反になるのか】
報道では、逮捕された16歳の男子高生と、被害にあった16歳の女子高生は交際関係にあったとありますが、この事情は児童ポルノ禁止法違反の成立に何か影響があるのでしょうか。
18歳未満の青少年が同じく青少年に対して行った性行為については、罰則が科されない場合があります。
例えば、事件があった兵庫県が定める兵庫県青少年愛護条例第21条1項では、青少年に対してみだらな性行為やわいせつな行為を行うことが禁止されています。
これに違反すると、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることが原則となります(同条例第30条1項2号)が、例外として、この罰則規定は青少年には適用されないことになっています(同条例第32条)。
そのため、16歳の男子高生が16歳の女子高生に対して行った性行為については、兵庫県青少年愛護条例の適用の対象外になりますので刑罰が科されることはありません。
ただし、児童ポルノ禁止法では、兵庫県愛護条例第32条のような青少年に対して刑罰を問わないとする免責規定はありません。
従って、16歳の男子高校生が交際相手の16歳の女子高生とのわいせつな行為を撮影した場合には、児童ポルノ禁止法違反に問われることになります。
【高校生のお子さんが逮捕されてお困りの方は】
未成年である16歳の高校生の方が逮捕された場合、成人の場合と同様に最長20日間の勾留、又は最長10日間の勾留に代わる観護措置として、引き続き身柄を拘束する処分が続く場合が多いです。
身柄拘束が長引くと、学校生活や社会生活に与える影響が大きいです。
そのような長期の身柄拘束を回避するためには、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらいましょう。
この初回接見によって、突然逮捕されて不安に思っているお子さんの不安を和らげる効果が期待できますし、また、事件の見通しや今後の流れについて弁護士から説明を受けることもできるでしょう。
そして、この初回接見をきっかけにして弁護士が事件に早期に介入することが出来れば、長期の身柄拘束を回避するための弁護活動を取ることができますので、早期の身柄解放の可能性を上げることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件において、逮捕直後に早期に事件に介入できたことにより、勾留又は勾留に代わる観護措置を回避した経験を持つ弁護士が在籍しております。
児童ポルノ法違反の疑いで、ご家族の中で逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。
【事例解説】デリバリーヘルスで女子中学生を雇用・淫行させ逮捕
【事例解説】デリバリーヘルスで女子中学生を雇用・淫行させ逮捕
デリバリーヘルス(派遣型風俗店)で女子中学生を雇用したことで、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)違反と児童福祉法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件概要】
デリバリーヘルスを経営する男性Aは、女子中学生Vを雇用し客の男性と淫行をさせたとして、風営法違反(年少者使用)と児童福祉法違反(淫行させる行為)で逮捕されました。
警察の調べによると、Vは採用面接の際に自らの年齢を18歳だと申告し、Aは公的な書類で年齢を確認しないまま雇用したとのことです。
(事件はフィクションです。)
【風営法違反(年少者使用)と児童福祉法違反(淫行をさせる行為)】
風営法22条1項には、風俗営業経営者に対しての禁止事項が定められており、同項3号で「営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること」と規定されているため、Aが風俗店で女子中学生のVを雇用し、接客させたことはこれに違反します。
違反した場合、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられるか、又は懲役刑と罰金刑の両方が科される可能性があります。
また、Vに客の男性と淫行をさせたことは、児童福祉法(34条1項6号)の「児童(18歳未満の者)に淫行をさせる行為」にも該当するため、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は併科と、風営法違反(年少者使用)よりも重い刑事罰が科される可能性があります。
【年齢の確認義務】
Aは、18歳であるとのVの申告を受けて雇用していますが、風営法50条2項及び児童福祉法60条4号では、18歳未満であることを知らなかったことについて無過失であることを立証できなければ処罰を免れることができないとされています。
過去の裁判例から、住民票や運転免許証等の公的な書類での年齢確認を怠った場合は、無過失であることの立証は困難だと考えられます。
【風営法違反と児童福祉法違反の刑事弁護】
このように、デリバリーヘルス等の風俗店で18歳未満の者を雇用し、客と淫行をさせた場合は、風営法違反や児童福祉法違反として重い刑事罰が科される可能性があります。
そのため、現在警察の捜査を受けている方は、いち早く弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、問われる可能性のある罪と事件の見通し、それを踏まえての適切な対応についての助言を貰うことが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風営法違反や児童福祉法違反の疑いで自身やご家族が警察の捜査を受けて不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】高校の教員が教え子と性交
【事例解説】高校の教員が教え子と性交
高校の教員が教え子の生徒と性交したとして、児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「私立高校で教師をしているAさんは、テニス部の顧問を担当しています。
Aさんは、テニス部の部員である17歳のVさんから、日頃から、進路や学校生活上の悩み相談を受けていました。
相談を重ねていくうちに、AさんとVさんに好意を持つようになり、学校内で性交をするようになりました。
Vさんが学校の先生と性交をしていることに気が付いたVさんの両親が警察に被害届を提出したことをきっかけに、Aさんは児童福祉法違反の疑いで逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)
【18歳未満の児童と性交をする罪】
18歳未満の児童と性交をすると犯罪になるということは多くの方が認識していることかと思いますが、18歳未満の児童と性交をしたといっても、具体的な事実関係によって成立する犯罪は異なります。
例えば、17歳の女子高校生と性交をしたという場合で考えてみますと、女子高校生の同意のもと性交を行った場合は各都道府県が定める青少年保護育成条例違反となるでしょう。
青少年保護育成条例違反の場合は、各地の条例によって法定刑に差がありますが、東京都の場合は、東京都青少年保護育成条例24条の3によって、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
そして、そのような性行為を行う同意がなく、女子高校生の反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫を用いて性交をした場合には刑法177条の強制性交等罪が成立することになるでしょうし、また、女子高校生を睡眠薬で眠らせた上で性交に及んだ場合には刑法178条2項の準強制性交等罪が成立することになると考えられます。
強制性交等罪と準強制性交等罪の法定刑は、いずれも5年以上の有期懲役刑となっています。
これに加えて、女子高校生に性交の対価として現金を渡して性交をしていた場合には児童買春にあたり、児童買春・児童ポルノ規制法4条によって5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性があります。
このほかにも、性交の相手となった18歳未満の児童との間に特別な人的な関係があることで成立する犯罪もあります。
例えば、性交をした17歳の女子高生が自身の実の娘であったように、18歳未満の児童を現に監護する者が、その影響力に乗じて性交をした場合には、刑法179条2項の監護者性交等罪が成立する可能性が高いと言えます。
監護者性交等罪の法定刑は、強制性交等罪の場合と同じで、5年以上の有期懲役刑です。
それでは、事例のAさんのように学校の先生が、現在教えている学校の生徒と性交をした場合にはどのような犯罪が成立することになるのでしょうか。
【「児童に淫行をさせる行為」とは?】
教師と生徒や、クラブのコーチと教え子、雇用主と従業員のように、性交の相手となった18歳未満の児童との間の師弟関係やある種の上下関係があることを利用して、性交をした場合は、児童福祉法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」に当たる可能性があります。
ここでいう「淫行」とは、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為を意味しています。
また、「させる行為」とは児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為を意味していて、児童が犯人外の第三者と淫行をした場合のほかにも、児童が犯人自身と淫行をした場合も含まれます。
児童に淫行をさせる行為をした場合、児童福祉法60条1項によって、10年以下の懲役若しくは300百万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。
【18歳未満の児童との性行為で捜査を受けたら】
18歳未満の児童と性行為をした疑いで警察の捜査を受けている方で、今後の対応についてお悩みの方は、弁護士に一度相談されることをお勧めします。
これまで説明した通り、「18歳未満の児童と性行為をした」と一言で言っても、具体的な事実関係によって、問われる可能性がある犯罪は異なりますので、弁護士に相談して、自分がどのような罪に問われる可能性があるのか説明を受けられるのが良いでしょう。
また、弁護士に相談することで、今後事件がどのような手続きで進んでいくのか、弁護士に刑事弁護活動を依頼することのメリットなどについてアドバイスを貰うことができますので、ご自身が今後どのような対応を取ればよいのかということについて見通しを立てることができるようになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
18歳未満の児童と性行為をしたことで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事件解説】青少年健全育成条例違反(淫行)と真剣交際主張
【事例解説】青少年健全育成条例違反(淫行)と真剣交際主張
青少年健全育成条例違反(淫行)と真剣交際を主張する場合の弁護活動やリスクについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件概要】
福岡市早良区の飲食店店員の男性A(28歳)は、アルバイトの従業員女性V(17歳)と交際関係になり、性行為を複数回行いました。
事実を知って憤慨したVの両親から福岡県警早良警察署に通報があり、Aは福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)の容疑で、警察の取り調べを受けることとなりました。
(過去の裁判例をもとに、事実関係を変更したフィクションです。)
【青少年健全育成条例違反(淫行)】
福岡県青少年健全育成条例(淫行条例)第31条は、青少年(18歳未満の者)に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならないと定めています。
条例中に淫行の定義はありませんが、最高裁判例では、(ア)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交等、又は(イ)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交等、と示されています。
有罪となった場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
【真剣な交際関係であることの主張】
上記(ア)又は(イ)の性交でないこと、即ち真剣な交際関係の上での性行為であると認められれば、淫行条令違反とはなりません。
本事件のように、保護者からの通報により警察の捜査が開始される事例は多く、反面、保護者が公認している交際であれば、真剣な交際関係であるとして、淫行条例違反になることは少ないと考えられます。
ただし、過去の裁判例では、青少年の保護者の同意の有無や、当事者の年齢、知り合った際の当事者間の立場の違い、知り合ってから交際するまでの経緯と期間、交際内容、交際してから性行為するまでの期間、性行為してからの交際内容、など様々な考慮要素から判断されており、実際に真剣交際の主張で淫行の事実を否認することは極めて難しいと言えます。
【淫行条例違反の弁護活動】
保護者からの通報により捜査が開始された場合、真剣な交際関係にあるとの主張が認められることは容易ではありません。
この場合、保護者と示談を締結し刑罰を求めないとの意思表示を行ってもらうことで、少しでも軽い処分を求めていくことは有効な手段の一つです。
ただし、青少年への淫行等によって、保護者は子どもの被害に怒りや悲しみを覚え感情的になっている場合も多く、被害者本人との示談する場合よりも示談交渉が難航することが多々あります。
そのため、このような青少年への淫行等による性犯罪で示談交渉の難航が予想される場合には、刑事事件の示談交渉豊富な弁護士へ依頼することを強くお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を豊富に取り扱っており、淫行条例違反事件においても示談締結による不起訴処分の獲得に成功した実績があります。
淫行条例違反事件で自身やご家族が警察の捜査を受けるなどして不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
【報道解説】未成年わいせつ事件で逮捕
【報道解説】未成年わいせつ事件で逮捕
埼玉県川越市で発生した青少年健全育成条例違反の刑事事件を例に、その手続の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
埼玉県警少年捜査課と埼玉県川越警察署は、令和5年2月6日に、埼玉県青少年健全育成条例違反の疑いで、大学生の男性(22歳)を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年8月3日と9月3日の2回にわたり、男性の自宅で、埼玉県内に住む女子中学生が18歳未満と知りながら、みだらな行為をした疑い。
男性は「間違いありません」と容疑を認めているという。
同年9月13日に、女子中学生とその母親が埼玉県川越警察署に来署して相談し、スマートフォンなどの精査から男性の関与が浮上した。
(令和5年2月7日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)
【未成年わいせつ事件の刑事処罰とは】
18歳未満の児童に対して、わいせつ行為をした場合には、そのわいせつ行為に当該児童の同意があった場合であっても、各都道府県の制定する「青少年健全育成条例」に違反するとして、刑事処罰を受けます。
児童に対するわいせつ行為による「青少年健全育成条例」違反の刑事処罰の法定刑は、各都道府県の条例によって異なりますが、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」や「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」としている条例が多いです。
彼氏彼女の真摯な恋愛関係にあれば、「青少年健全育成条例」違反には当たらないとされていますが、「SNSを通じて知り合った事情」や、「知り合ってから日が浅い事情」等があれば、真摯な恋愛関係にあるとは認められないと考えられます。
他方で、わいせつ行為の対価として、金銭等を渡した場合には、「児童買春罪」に当たるとして、罪は重いものとなります。
また、わいせつ行為につき相手方の同意が無ければ、「強制わいせつ罪」や「強制性交等罪」に当たるとして、罪は重いものとなります。
【青少年健全育成条例違反の刑事事件化の流れ】
未成年わいせつ事件が、警察に発覚して刑事事件化するきっかけとしては、「未成年者の保護者が事件に気付いて、警察に相談するパターン」や、「未成年者自身が警察に補導されて、携帯電話等の履歴から、事件が警察に発覚するパターン」などが考えられます。
警察のほうでSNSの履歴等から捜査をして、容疑者の連絡先が判明すれば、「一度、警察署に来て、事情を聞かせてほしい」との取調べ呼び出し連絡が来ます。
容疑者側は、警察からの呼び出しがあって初めて、刑事事件化していることを知ることになります。
警察取調べは、日帰りの取調べを何回か受ける「在宅事件」のケースと、身柄拘束を受けた上で取調べを受ける「逮捕事件」のケースがあります。
警察取調べや証拠集めが終われば、最後に検察庁での取調べがあり、事件を起訴するか不起訴にするか、起訴するにしても略式の罰金刑にするのか、正式裁判で懲役刑にするのか、等の判断がなされます。
在宅事件、逮捕事件どちらの場合でも、警察取調べに対して、事件当時の状況や経緯を、どのように供述していくかを、弁護士とともに綿密に打合せ検討し、また、弁護士を通じて被害者やその保護者との示談交渉を行い、謝罪や慰謝料支払いの意思を示し、被害者側から許しを得ることが、刑事処罰の軽減や不起訴処分の獲得のための、重要な弁護活動となります。
まずは、未成年わいせつ事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県川越市の未成年わいせつ事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
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