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高校生の下着を購入し略式罰金

2019-09-11

高校生の下着を購入し略式罰金

Aさんは、インターネット上で女子中高生が下着を売っていると知り、そうした書き込みが行われている掲示板を探しました。
そうしたところ、大阪府内で下着の買い取りを希望している、高校2年生のVさんの書き込みを見つけました。
Aさんは早速連絡を取り、数日後に大阪府大阪市生野区内でVさんが履いていた下着を買い受けました。
そのことを大阪府生野警察署が把握し、Aさんは大阪府青少年健全育成条例違反(着用済み下着買受け)の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、最終的に略式罰金で終了する可能性が高いと説明しました。
(フィクションです)

【着用済み下着買受けの罪について】

青少年(18歳未満の者)は、心身共に未成熟であることから、国や自治体が様々なかたちで後見的な立場から保護を行っています。
各都道府県で定められている青少年健全育成条例(自治体により若干名称に差異あり)は、そうした保護の一つの表れと言えます。

大阪府青少年健全育成条例は、青少年から着用済みの下着を買い受けたり、それを助長するような行為に及んだりすることを禁止しています。

大阪府青少年健全育成条例(一部抜粋)
第四十条 何人も、青少年から着用済み下着を買い受け、若しくはその売却の委託を受け、又はその売却の相手方を青少年に紹介してはならない。
第四十二条 何人も、青少年に対し、次に掲げる行為を行ってはならない。
一 着用済み下着を売却するように勧誘すること。
第四十三条 何人も、次に掲げる行為が青少年に対して行われ、又は青少年がこれらの行為を行うことを知って、そのための場所を提供し、又は周旋してはならない。
二 青少年から着用済み下着を買い受け、若しくはその売却の委託を受け、又はその売却の相手方を青少年に紹介する行為

売買というのは双方の合意あって成立するので、当然ながら青少年が下着の買受けに同意していたとしても上記規定に違反します。
上記事例では、Aさんが高校2年生のVさんから着用していた下着を買い受けています。
このような行為は正に着用済み下着買受けの罪に当たるといえ、Aさんには30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

【略式罰金とは何か】

法定刑に罰金が含まれる罪を犯した場合、検察官の判断で略式手続(略式起訴)への同意を求められることがあります。
以下では、この略式手続により科される罰金刑を略式罰金として説明します。

略式罰金も罰金刑なので、刑罰を受けたとして前科が付くことには変わりありません。
ですが、略式罰金については、多くの方が想像される裁判が開かれないという特徴があります。
略式手続による場合、基本的に事件の審理は裁判官が書面上で迅速に行うことになります。
つまり、法廷で行う裁判と比べて手間と時間が省け、なおかつ裁判の傍聴人を通して事件が公になることも起こらないのです。
この点は、裁判をためらう多くの方にとってメリットになると言えます。

一方、略式手続によるとなると、犯罪の成立や量刑に関わる事実は検察官が提出する証拠に沿って行われます。
そのため、仮に事実関係などに争いがある場合には、敢えて略式手続に同意せず通常の裁判を希望するという選択肢もあります。
また、いったん略式手続に同意して略式命令(通常の裁判で言う判決に当たるもの)が下されても、14日以内に不服を申し立てれば通常の裁判をしてもらうことが可能となっています。
これらの選択をどうするかは、弁護士と相談して慎重に決めるのが得策でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士が、略式罰金を含む的確な処分の見込みをお伝えします。
着用済み下着買受けの罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料

児童買春事件を起こし取調べ

2019-09-07

児童買春事件を起こし取調べ

~ケース~
Aさんは、SNSで知り合った女子高生V(16)と、兵庫県西宮市内のラブホテルに行き、性交の対償として5万円を与え、性交しました。
後日、Vが深夜の繁華街で遊んでいたところを警察に補導され、携帯の中身を見られた結果、Aさんとの関係が発覚してしまいました。
警察からAさんに連絡があり、「お尋ねしたいことがあるので、西宮警察署まで来てください。心当たりはありますよね」と言われ、不安な状況です。(フィクションです)

~16歳の少女に対償を与えて性交するとどうなるか?~

児童買春の罪(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第4条)が成立する可能性が高いと思われます。

児童買春とは、
①-1 児童(18歳未満の者をいいます)
①-2 児童に対する性交等の周旋をした者
①-3 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者
のいずれかに対し、
②対償を供与し、又はその供与の約束をして、
③当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいいます)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます)をすることをいいます(同法第2条2項)。

児童買春の罪につき、起訴され、有罪が確定すると、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。
近年、児童を被害者とする性犯罪に対し、厳しい目が向けられており、刑事手続上の処分(起訴率、逮捕される可能性)も厳しくなる傾向が認められます。

ケースのVは16歳なので、「児童」に該当します。
一般的に「児童」というと、小学校の生徒という意味で用いられることが多いですが、児童買春の罪の成否を検討する場合は、「18歳未満の者」という意味として検討しなければなりません。
したがって、高校生であるVも、「児童」である、ということになります。

~今後Aさんはどうなるか?~

現在、在宅で捜査されているので、警察の出頭に応じて取調べを受けることになります。
その後も在宅事件として捜査が進行する場合は、警察での捜査が熟したあと、事件が検察に送検されます。
送検されると、検察官からも取調べを受け、捜査を遂げると、検察官はAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを判断しなければなりません。
最後まで在宅事件として捜査が進んだ場合、最初の出頭要請から、起訴又は不起訴が決まるまで、数か月かかることがあります。

~逮捕される可能性~

前述した通り、近年は児童を被害者とする性犯罪に対し、厳しい目が向けられており、逮捕される可能性を否定することはできません。
最初のAさんの供述の態度、内容によっては、最初の取調べの後、逮捕されてしまうことも考えられます。
まずは弁護士と相談し、どのように行動すれば逮捕されるリスクを最小限に留めることができるかアドバイスを受けましょう。

~Vと示談をする~

V(実際には、Vの法定代理人であるVの保護者)と示談を成立させることができれば、逮捕されるリスクを低減させることができます。
また、検察官が不起訴処分を行う可能性もある程度高めることができますが、児童買春事件の起訴率は高く、起訴される可能性を十分考慮しておく必要があります。
もっとも、示談が成立していることは、量刑においても考慮され、示談が成立していない場合と比べて有利な判決を期待することができます。
Vとの示談交渉についても、弁護士からアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、児童買春事件の解決実績も豊富です。
児童買春事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

京都の淫行事件

2019-09-03

京都の淫行事件

~ケース~
Aさんは、SNSで知り合った17歳の女子高生Vと実際に会い、京都府京都市南区内のラブホテルで性交してしまいました。
性交当時、AさんはVが17歳であることを認識しており、また、性交に関して、お金などの対償を供与し、または供与の約束をすることはありませんでした。
後日、京都府南警察署から電話があり、「Aさんにお尋ねしたいことがある。心当たりがありますよね」と言われ、非常に不安な状況です。(フィクションです)

~京都市内で17歳の女子高生と性交するとどうなるか?~

いわゆる京都府青少年健全育成条例が掲げる淫行の罪が成立する可能性が極めて高いと思われます。
京都府青少年健全育成条例第21条1項は、
何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない
としています。
これに違反し、有罪判決を受ける場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
ケースにおけるAさんがVに対して行った性交は、上記の「精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じ」た「淫行」に該当すると判断される可能性が高いでしょう。

もっとも、「淫行」が青少年との間におけるすべての性行為を指すわけではなく、福岡県青少年保護育成条例事件判決(最高裁昭和60年10月23日判決)によると、
婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等
は「淫行」という概念に含まれないと判示されています。
また、京都府の条例では、「金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて」淫行を行うという限定がなされています。

しかしながら、たまたまSNSで知り合っただけで、他に深い付き合いがあるわけでもないVと性交したに過ぎないAさんの行為が、「婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等」と評価される可能性は極めて低いでしょう。
むしろ、どのような人がどのような目的でいるかわからないSNSで知り合ってVと性交したことは、Vの精神的、知的未成熟に乗じたものと評価できるでしょう。
したがって、Aさんの行為は淫行の罪を構成するものと思われます。

~なぜVとの性交が刑事事件化したのか?~

ケースのように、青少年と同意した上で性交したとしても、様々な理由で刑事事件化することが考えられます。
例えば、青少年が何らかの理由で警察から補導され、携帯の中身を警察官に見られてしまった場合、淫行の相手方とのやりとりから事件が発覚することがあります。
また、青少年が保護者から、淫行をしていた時間に何をしていたのかを問い詰められ、事件について話すことも考えられます。
この場合、青少年自身にそのつもりはなくても、保護者によって被害届を出されることがあります。
さらに、青少年が保護者から叱責されるのをおそれて、「無理矢理に襲われたから、抵抗できずにラブホテルに連れていかれた」と伝えることもありえます。
この場合は、淫行事件ではなく、強制性交等罪(刑法第177条)の被疑者になってしまう可能性があります。
強制性交等罪の法定刑は5年以上(20年以下)の有期懲役となっており、淫行の罪と比べ、はるかに重いです。
強制性交等罪の被疑者となってしまった場合は、暴行・脅迫によって性交をしたのではなく、あくまでも青少年の同意を得て性交した、ということを強く主張すべきです。

~Aさんは今後どうなるか?~

警察署から呼び出しを受けたAさんは、まず警察署において取調べを受けることになると考えられます。
そして、逮捕されない限り、Aさんは任意の出頭に応じて取調べを受けることになります。
警察署での取調べが終了すると、今度は検察庁での取調べが行われ、最終的に検察官がAさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めます。

~被害者との示談~

不起訴処分を獲得できる可能性を高めるなら、V(未成年のため実際にはVの親)と示談をすることをおすすめします。
未成年に対する刑事事件は、その保護者なども被害者と言え、被害者本人が同意していればそれでいいというわけにはいかないからです。
示談が成立すると、その事実がAさんに有利な犯罪後の情況として考慮されることが期待できます。
そうして最終的に不起訴処分を獲得できれば、裁判で有罪となって刑罰が言い渡されることはなく、前科も付かずに済みます。

~まずは弁護士と相談~

警察から呼び出しを受けた場合、出頭前に弁護士と相談し、今後の手続はどう進行するか、取調べではどのように供述すべきか、自身の処分の見込み、示談交渉の方法、示談が成立した場合の効果などについてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、ケースの様な淫行事件の解決実績も豊富です。
淫行事件を起こしてしまいお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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援助交際で盗撮

2019-08-30

援助交際で盗撮

Aさんは、SNSを通じて東京都小平市に住むVさん(16歳)と知り合い、Vさん宅近辺で会って援助交際をすることになりました。
Vさんとの性交は3万円という約束でしたが、これを高いと感じたAさんは、Vさんとの性交の様子を盗撮することにしました。
そして、予定どおり3万円を渡して性交を行い、その様子をベッドの脇に置いておいたスマートフォンで盗撮しました。
数日後、Vさんが補導されたことで援助交際の事実が発覚し、Aさんは児童買春の疑いで警視庁小平警察署にて取調べを受けることになりました。
Aさんが弁護士に相談しに行ったところ、「盗撮をしているので児童ポルノ製造に当たる可能性もある」と言われました。
(フィクションです)

【盗撮による児童ポルノ製造】

上記事例のAさんは、第一に3万円を支払って18歳未満であるVさんと性交をしていることから、児童買春の罪が成立すると考えられます。
罰則は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ禁止法」)が定めるとおり、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。

更に、AさんはVさんとの性交の様子を盗撮しています。
前提として、他人の下着や裸などを盗撮した場合、各都道府県が定める迷惑防止条例違反の罪に当たる可能性があります。
罰則は都道府県により若干異なりますが、東京都の場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
ただ、この罪が適用されるのは「公共の場所」または「公共の乗物」における盗撮であり、ホテルの一室での盗撮はこれに当たらないと考えられます。

今回のケースでそれより重要なのは、Vさんが18歳未満の者であることから、児童ポルノ製造に当たる可能性が高いということです。児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童の性的な行為や性的な部位を記録した物を「児童ポルノ」とし、様々な規制を設けています。
その規制の一つに児童ポルノ製造があり、製造の方法の一つとして、ひそかに児童の性的な行為や性的な部位を記録することが挙げられています。
罰則は、児童ポルノの所持や提供などと同様、3年以下の懲役または300万円以下の罰金となっています。
これに児童買春の罪が重なるとなると、処分は厳しいものになることが見込まれるでしょう。

【想定される弁護活動】

昨今たびたびニュースなどで見かけるように、児童買春児童ポルノ製造を通した児童の性的搾取は、国内外を問わず重大な社会問題の一つとなっています。
このことは、前述した児童買春児童ポルノ製造の罰則の重さからも分かるかと思います。

上記事例のようなケースでは、おおむね以下のような弁護活動を検討することになります。

第一に、被疑者が逮捕された場合については、身元引受人の確保や監督のための環境整備などを行ったうえで、捜査機関や裁判所に釈放するよう働きかけることが考えられます。
逮捕の可能性というのは罪の重さにある程度左右されるものであるため、特に児童買春については決して低いとは言えません。

第二に、被害者との示談が考えられます。
ただ、児童買春児童ポルノ製造は、児童個人(とその保護者)というより社会一般の秩序や風俗を乱す罪なので、示談の効力が他の性犯罪などと比べて弱まることがあります。
その場合でも、上記事例のような児童ポルノ製造に関しては、盗撮について児童の承諾がない分、相対的に示談の評価が高まる可能性もあるでしょう。

第三に、カウンセリングなどによる再犯防止策が考えられます。
児童に対する偏愛は社会的に特殊であり、児童の性に関する判断能力が乏しいことも相まって、捜査機関や裁判所としてはどうしても再犯のおそれが気になります。
そこで、カウンセリングを受けるなどすることで、自身と向き合っており再犯の可能性が低いことをアピールすることも大切になってきます。

以上は飽くまでも一例であり、実際は個別の事案に応じて様々な活動が考えられます。
ですので、もし児童買春児童ポルノ製造に関して不安を覚えたら、一度お近くの弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件少年事件専門の弁護士が、児童買春児童ポルノ製造に関するご相談も真摯にお受けします。
児童買春児童ポルノ製造の罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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児童買春の示談交渉

2019-08-26

児童買春の示談交渉 

神奈川県横浜市緑区に住むAさん(30歳)は、SNSで知り合った女子高生Vさん(17歳)が18歳未満の者であると知りながら、Vさんと援助交際の目的で会いました。そして、AさんとVさんはホテルへ入り、AさんはVさんに約束していた現金5万円を渡して、Vさんと性交しました。そうしたところ、Aさんは神奈川県緑警察署児童買春の罪で逮捕されてしまいました。Vさんの行動を不審に思ったVさんの両親が緑警察署に相談したところ、Aさんとの援助交際したことが発覚したようです。
Aさんの母親から接見の依頼を受けた弁護士XはAさんと接見をしました。弁護士Xは、Aさんが罪を認めVさん側と示談したい意向を示したことから、担当検事に示談意向である旨連絡し、Vさんの連絡先等を取得しました。そして、弁護士XはVさんのご両親を示談交渉に臨み示談を成立させ、最終的に不起訴処分を獲得することができました。
(フィクションです)

~ 児童買春の罪とは? ~

今回、Aさんが逮捕された児童買春の罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)第4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

また、「児童買春」の意義については法律2条2項に規定されています。

法律2条2項
 児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいう。

「次の各号に掲げる者」とは、児童(18歳未満の者)のほか、児童に対する性交等の周旋をした者、児童の保護者も含まれます。
「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいい、現金のみならず、物品、債務の免除などの財産上の利益も対償に含まれ、金額の多寡は問いません。
「性交等」とは、性交のほか性交築類似行為、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせる行為(ただし、自己の性的好奇心を満たす目的が必要)も含まれます。

~ 児童買春事件における示談の注意点 ~

児童買春の事実を認める場合の弁護活動としては、第一に示談交渉が考えられます。
しかし、刑事処分を決める検察官の中には、たとえ被害者側と示談を成立させたとしても、それを考慮してくれない方も中にはおられます。
これは、児童買春示談(いうなれば、お金)で解決しようとすると、児童を性のはけ口の対象とする風潮がなかなか収まらず、よって児童を保護することにつながらない、と考えているからです。
児童買春をしてしまった場合、示談成立=不起訴、とはならない可能性があることはまず抑えておくべき点です。仮に、担当した検察官が上記のような考え方を持っているならば、他の手段も検討して粘り強く交渉していくしかありません。

また、児童買春の場合、被害者は18歳未満の方ですから、示談交渉の相手方は被害者の保護者、あるいは監督者になるかと思います。
しかし、保護者や監督者の中には、児童を性的に搾取されたとして、非常に厳しい処罰感情をお持ちの方もおられます。このような中、示談交渉を持ちかければ「金で性的搾取しておいて、金で解決するのか」などと逆に保護者、監督者の気持ちを逆なでしてしまう可能性があります。児童買春示談交渉は慎重かる丁寧に行う必要があります。

児童買春における示談交渉は上記のような難しさがありますから、示談をお望みの場合は、示談交渉に慣れた弁護士に弁護活動をご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

児童買春~逮捕後勾留までの流れ、釈放活動~ 

2019-08-22

児童買春~逮捕後勾留までの流れ、釈放活動~ 

埼玉県所沢市に住む会社員のAさんは、出会い系サイトで知り合った女子高生Vさん(15歳)を市内のホテルへ誘い出し、そこでVさんに現金3万円を手渡した上で、Vさんに自己の性器を触らせたり、陰茎を舐めさせるなどしました(膣内への挿入はなし)。その後、1か月ほど経った後、Aさんは埼玉県所沢警察署から児童買春の疑いで呼び出しを受け出頭したところ、そのまま逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの家族は、Aさんとの接見刑事事件に強い弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

~ 児童買春の罪 ~

児童買春の罪は、正式名称、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

ここで児童買春とは、

児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること

をいいます。
まず、「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいうとされています。ですから、「対償」はお金に限られず、物品や食事、宿泊場所の提供、債務(借金)の免除などを含むものと解されます。そして、児童買春の罪は、児童の性的搾取を抑止、防止するために設けられた規定ですから、「対償」というためには上の点に加えて、

① 性交等をすることに対する反対給付といえること
② 供与されたものが社会通念上経済的利益といえること

の2点が認められなければならないとされています。簡単に言えば、

性交等に対する対価といえること

と言ってもいいかもしれません。なお、「対償」を供与する約束をして性交等をしただけ(その後、実際に供与したかどうかは問わない)でも、児童買春に問われる可能性がありますから注意が必要です。

次に、「性交等」とは、性交のほか

・性交に類似した性交類似行為(手淫、口淫など)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること

も含まれます。

~ 逮捕後勾留までの流れ ~

児童買春が発覚すると、状況にもよりますが逮捕される可能性は比較的高いと思われます。

逮捕後は,被疑者(Aさん)は警察官の弁解録取という手続きを受けます。建前はAさんから弁解を聴く手続きですが,実質は取調べと同様です。ここでは罪を認めるのか,認めないのか聴かれ,その旨を書類にまとめられます。この書類は後々,裁判で証拠となり得ますから注意が必要です。被疑者をそのまま拘束する必要があると判断されたときは、逮捕から48時間以内に検察官の元に事件と身柄を送致する手続きが取られます(①)。
検察官の元でも警察官と同様、弁解録取の手続きを受けます。検察官により被疑者を継続して拘束する必要があると判断されたときは、被疑者の送致を受けたときから24時間以内に裁判官に対し、勾留請求という手続きが取られます(②)。
勾留請求された場合、Aさんは裁判所の勾留質問室というところへ連れていかれます。そして、今度は裁判官による勾留質問を受けます。ここでもこれまで同様、事件について聴かれ書類が作られます(③)。勾留質問の結果などを踏まえてAさんを勾留するかどうか判断されます。

~ 釈放に向けた弁護活動 ~

このように、逮捕から勾留決定までには警察官(①)、検察官(②)、裁判官(③)の3段階の手続を踏んでいることが分かります。
これは人の身柄拘束は重大な人権侵害であるため、各段階で身柄拘束の理由・必要性をチェックし、不当な人権侵害を防止するためにあるのです。ですから、警察官、検察官は自らの権限で被疑者を釈放することができますし、裁判官は検察官の勾留請求を却下することができるのです。ですから、この間弁護人としては、早期釈放のために、警察官、検察官、裁判官に働きかけて行く必要があります。

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援助交際で逮捕回避

2019-08-18

援助交際で逮捕回避なら

兵庫県出身の会社員のAさん(22歳)は、今年の4月に地元の大学を卒業して大阪府大阪市西淀川区にある企業に就職したため、同市内のアパートで一人暮らしをしていました。ところが、ある日、Aさんは、チャットアプリを通じて知り合った18歳未満の少女Vさん(16歳)を自宅内に呼び込み援助交際児童買春)をしました。後日、Aさんは、少女が大阪府西淀川警察署に補導されたことを知り、補導がきっかけで少女と援助交際をしたことがばれ、警察に逮捕されるのではないかと考えました。そこで、Aさんは、逮捕されれば自分が援助交際をしたことが家族だけではなく、会社にもばれることになってしまい、会社をクビになるのではないかと不安になり、何とか逮捕を回避できないか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~ 援助交際と児童買春の罪 ~ 

援助交際とは、通常、女性に対し金銭などの対価を支払い、あるいは支払う約束をして、女性から性的サービスを受けることをいいます。
援助交際を求める女性の年齢には幅があると思いますが、女性が18歳未満の場合は児童買春の罪などで処罰されるおそれがあります。

児童買春の罪を定めた「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規定及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」は、児童買春

法律2条3項各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること(法律2条2項)

としており、

児童買春をした者を5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する

としています。

「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいうとされています。ですから、「対償」はお金に限られず、物品や食事、宿泊場所の提供、債務(借金)の免除などを含むものと解されています。
「性交等」とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。

~ 逮捕後の流れ ~

それでは、仮に逮捕された場合、どのような流れとなっていくのでしょうか?

まず、逮捕後は、通常、警察の留置場に収容されます。その後、警察官の弁解録取という、あなたから事件についての弁解を聴く手続を受けます(実質は取調べと同じです)。ここで釈放されない場合は、逮捕のときから48時間以内に検察庁へ事件と身柄を送致されます(この間に、警察官の取調べを受けます)。検察庁でも同じく弁解録取の手続を受けます。ここで釈放されない場合は、被疑者を受け取ったときから24時間以内勾留請求の手続が取られます。

勾留請求されると、今度は裁判官による勾留質問の手続を受けます。ここでも事件のことについて聴かれます。ここで釈放されない場合は、勾留決定が出たと考えて間違いありません。最終的には警察官から勾留状という令状を示されます。勾留状には、あなたがどんな事実のどんな罪で勾留されるかなどが記載されています。最初の勾留期間は、検察官が勾留請求をした日から10日間です。その後、「やむを得ない事由」がある場合は、最大10日間勾留期間を延長され、通算して20日間勾留が続くこともあります。

~ 逮捕を回避するには ~

では、児童買春をしてしまったとして、こうした事態を回避するにはどうすればいいのでしょうか?

= 被害者と示談交渉する =

まず、被害者、具体的には被害者の保護者、監督者と示談交渉し、最終的に捜査機関に被害届を提出しない旨の条項を示談書に盛り込むことが必要です。
警察に被害届が提出されなければ、警察があなたが援助交際をした事実を認知することはなく、捜査に動きだすことはありません。したがって、逮捕を回避することができます。

ただし、示談交渉を始めるには、少なくとも被害者の連絡先が特定されていなければなりません。
仮に、児童買春をした日が今から何年も前で、「被害者の連絡先を削除した」などという場合は、被害者の連絡先を特定することは困難となります。
援助交際では、相手が初対面という場合が多く、その際相手が利用していた連絡先がご本人のものと断定できないケースもあり、被害者の連絡先の特定を困難なものにしてしまいます。

= 警察に出頭(自首)する =

被害者の連絡先の特定が困難な場合、何もできないかといえばそうではありません。
警察に出頭する方法が考えられます。

警察に出頭(自首)すれば、捜査機関側から「捜査に協力的な人間だ」と思われ、事件は在宅のまま、つまり逮捕されないまま捜査が進められる可能性が高まります。出頭(自首)の際には、身元引受人等の上申書を提出するなどして逮捕回避に努めなければなりません。
警察に出頭後は、警察官が被害者の特定に動き出します。仮に特定された場合は、それから示談交渉に入ればいいわけですし、仮に特定されなかった場合は、児童買春の罪に問われることはありません。

なお、出頭した段階では被害者は特定されておらず、本当にあなたが児童買春の罪を犯したかどうか不明ですから逮捕されることはありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、援助交際児童買春をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

青少年を深夜に外出させる罪

2019-08-14

青少年を深夜に外出させる罪

福岡市早良区在住のAさん(20歳)は、SNSを通じて知り合ったVさん(15歳)に「花火大会を一緒に見に行こう」などと誘ってVさんと会うことになりました。ところが、Aさんは、花火大会が終わった後の午後11時30分頃、Vさんとコンビニエンスストア前でアイスを食べていたところ福岡県早良警察署の警察官から職務質問を受け、青少年を深夜に外出させたという件で、警察署で取調べを受けることになりました(Vさんも参考人として取調べを受けました)。その取調べの中で、Aさんが、これからVさんにお金を渡して福岡市内のホテルでVさんと淫行(児童買春)する予定だったことが判明。Aさんは福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)違反で逮捕されました。Aさんの両親が、援交・淫行に詳しい弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)

~ 青少年を深夜に外出させる罪 ~

青少年を深夜に外出させる罪は、各都道府県が定める青少年健全育成条例(名称は各都道府県により異なる)に規定されているものと思われます。
今回、Aさんが疑いをかけられている福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)34条には以下の規定が設けられています。

1項 保護者は、特別の事情がある場合を除き、深夜(午後11時から翌日の午前4時までをいう。以下同じ)に青少年を外出させないように努めなければならない。
2項 何人も、保護者の指示を受け、又はその同意を得た場合その他正当な理由がある場合のほかは、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない。

まず、1項は、青少年(18歳未満の者)の保護者に努力義務を課したもので、保護者が青少年を深夜に外出させたからといって罪に問われるわけではありません。ところが、2項は、保護者以外の者が深夜に青少年を外出させる行為等を禁じており、次の者には「罰金20万円又は科料」の罰則を科すとする規定が設けられています。

38条4項12号
 第34条第2項の規定に違反して、青少年に対して刑罰法令に触れる行為を行うため、若しくは刑罰法令に触れる行為が青少年に対して行われること若しくは刑罰法令に触れる行為を青少年が行うことを知って、又は青少年の不良行為を誘発し、若しくは助長する態様で、深夜に当該青少年を連れ出し、同伴し又はとどめた者

まとめると、

・対象者が青少年であること
・保護者の指示を受け、又はその同意を得ていなかったこと
・正当な理由がないこと(正当な理由=青少年が児童虐待を受けている蓋然性が高く保護する必要性が高いなど)
・青少年に対して刑罰法令に触れる行為を行う目的等があったこと
・連れ出し、同伴、とどめたこと
・上記行為が深夜に行われたこと

の要件がそろえば上記罰則を科されるおそれがある、逮捕されるおそれがある、ということになります。

なお、青少年を深夜に外出させる罪が成立する要件は各都道府県の青少年健全育成条例により異なります。つまり、東京都の場合、上記要件の

・青少年に対して刑罰法令に触れる行為を行う目的等があったこと

を不要とし、更に罰則を30万円以下の罰金としている一方で、罰則を科される場合を

・16歳未満の者を連れ出し、同伴し、又はとどめた場合

として(青少年のうち16歳、17歳は含まれない)、対象年齢が限定されています。これは、中学生と高校生との生活実態が異なることを考慮されたためだと考えられます。
このように、青少年を深夜に外出させる罪につていも各都道府県により要件や罰則が異なりますから、詳しくは弁護士に確認しましょう。

~ その他の罪 ~

未成年者略取・誘拐罪(刑法224条、3月以上7年以下の懲役)が考えられます。
「略取」(暴行、脅迫その他の強制的手段を用いて、相手方を、その意思に反して従前の生活環境から離脱させ、自己又は第三者の支配下に置くこと)、「誘拐」(欺罔(虚偽の事実をもって相手方を錯誤に陥れること)・誘惑(甘言をもって相手方を惑わし、その判断の適正を誤らせること)を手段として、未成年者をその保護されている生活環境から離れさせて自己又は第三者の事実的支配に置くこと))を手段をした場合は本罪に問われるおそれがあります。
次に児童買春罪5年以下の懲役又は300万円以下の罰金)ですが、同罪は実際に18歳未満の者と性交等をしなければ罪として成立しませんから、本件で、Aさんが同罪で問われることはないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件専門の法律事務所です。刑事事件少年事件逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

黙示の合意でも児童買春?

2019-08-10

黙示の合意でも児童買春?

兵庫県神戸市北区に住むAさんは,SNSで知り合った女子高生Vさん(16歳)が18歳未満での者(児童)であることを知りながら、ラブホテルでVさんと性交し、その様子をスマートフォンで動画撮影して,そのデータをパソコンに保存していました。そうしたところ、Aさんは、Vさんが兵庫県有馬警察署の警察官に補導されたことをきっかけに、同警察署により、児童買春・ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの家族は,刑事事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼することにしました。
(フィクションです。)

~ 児童買春の罪 ~

児童買春の罪は、正式名称、児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)の5条に規定されている罪です。

法律5条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

児童買春とは、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等を行うことをいいます。
「対償」とは、児童に対して性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。現金のみならず、物品、借金の肩代わりなど財産上の利益もこれに含まれます。「供与」とは、与えるということです。そして、対償を供与することだけでなく、「供与の約束」をしただけでも児童買春の罪に問われる可能性があることに注意が必要です。そして、この「約束」については、あなたが

「性交してくれたら〇〇を買ってあげるよ?」

などと話をもちかけ、それに対し、児童が

「いいよ」

と返事をした場合など

明示的な合意

がある場合のほか、あなたが同じ誘い文句で児童に働きかけたにもかかわらず、児童から何らの返事もなく性交等に応じてくれた(児童とすれば、性交等に応じたのちに現金等を請求するつもりであった)などという

黙示的な合意

がある場合、あるいはそれに似たような曖昧なまま性交等に至ったとう場合でもやはり「約束」があったとされる場合がありますから注意が必要です。

なお、「性交等」については,「性交若しくは性交類似行為をし,又は自己の性的好奇心を満たす目的で,児童の性器等(性器,肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り,若しくは児童に自己の性器等を触らせること」とされています。

~ 児童ポルノ製造の罪 ~

児童ポルノ」とは、

写真やBL、DVD、メモリなどの記録媒体など

で、法律2条3項各号に掲げられた児童の姿態を視覚により認識できる方法により描写したものをいいます(法律2条3項)。「視覚により認識できる方法により描写したものの」というためには、直接認識できるもののほか、直接には認識できなくても、一定の操作によって認識できるもの(たとえば、画像、動画データ)も含まれます。

法律2条3項

1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の七あであって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更にその性的な部位(性器等若しくはその周辺部,臀部又は胸部)が露出又され又は強調されるものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

「製造」とは、「児童ポルノ」を作成する一切の行為をいいます。本件では、AさんがVさんとの性交場面をスマートフォンで動画撮影し、それをスマートフォン内のメモリ内に記憶、蔵置させる行為が「児童ポルノ」を「製造」したことに当たるでしょう。なお、Aさんの当該行為は、法律7条4項に該当します。

法律7条4項
 (略)、児童に第2条3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る電磁的記録媒体その他の者に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。

「第2項と同様とする」とは、法定刑を「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」とするという意味です。

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裸の画像を要求し児童ポルノ要求の罪に

2019-08-06

裸の画像を要求し児童ポルノ要求の罪に

~ケース~
京都府内に住むAさんは、SNSで知り合った、京都府京都市右京区内に住む女子高生V(16歳)に対し、3万円を支払うことを約し、裸の画像データを送信するよう要求してしまいました。
Vは怖くなったので親に相談し、京都府右京警察署に被害を届け出ました。
結局VはAさんに裸の画像データを送信しなかったのですが、Aさんは右京警察署に呼び出され、京都府青少年健全育成条例違反の疑いで取調べを受けることになりました。(フィクションです)

~Aさんにはどのような犯罪が成立するか?~

京都府青少年の健全な育成に関する条例第21条の2は、
「何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第2条第3項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録をいう。以下同じ。)の提供を求めてはならない」
としています。
そして、同条例第31条4項3号は、
「第21条の2の規定に違反して、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めた者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 省略
イ 当該青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は当該青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該提供を行うように求めた者」
につき、30万円以下の罰金に処するとしています。

同条例において「青少年」とは、18歳未満の者(婚姻により成年に達したとみなされる者は除かれます)を指します(同条例第12条1号)。
青少年という呼称ですが、女子が除かれているわけではありませんので、16歳のVは当然に「青少年」に該当します。
「少年」という語句が含まれているから、女子は対象ではない、という弁解は通用しません。

上記に引用した条文中の「児童ポルノ等」とは、

①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等(性器、肛門、乳首)若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

を撮影した写真、電磁的記録その他の記録をいいます。
16歳のVの裸の画像は、上記③にかかる児童ポルノ等に該当する可能性が高いと思われます。
AさんはVに対し、そのデータを提供するよう要求したのですから、京都府青少年の健全な育成に関する条例違反の罪を構成する可能性が極めて高いと思われます。

なお、Vが実際に自分で撮影したり児童に撮影させてその画像を送らせてしまっていたら、児童ポルノ製造罪児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第7条4項)が成立すると考えられます。
ケースにおいては、AさんはVに自身の児童ポルノを提供するよう求めたに留まるので、児童ポルノ製造罪は成立しないでしょう。

~弁護士にVとの示談交渉を依頼~

Aさんは警察に呼ばれているので、Aさんの行った行為がすでに刑事事件化している可能性は高いでしょう。
今後行われるかもしれない逮捕の回避や、不起訴をはじめとする軽い処分を目指すのであれば、弁護士にV(の保護者)と示談交渉をするよう依頼することをおすすめします。
Vと示談が成立すれば、逃亡、罪証隠滅のおそれがないものと評価され、逮捕される可能性が低くなることがありえます。加えて、被害者側からの許しなどを考慮し、不起訴処分(裁判にかけられないので、前科がつきません)を獲得できる可能性も高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、初回の法律相談は無料です。
弁護士に事件について話し、今後どう行動すればよいか、処分の見込みはどうか、手続きはどのように進行するか、示談交渉はどのように進むか、といった点について助言を受けることにより、事件解決に向けた見通しが得られます。
ケースのような事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談をご検討ください。

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